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2008年4月

展望のある支援・指導とは

音声言語によるコミュニケーションが弱いという特性を持っている児童の指導に音声のみのコミュニケーションでの支援・指導を漫然と続けていることはないでしょうか?

「こちらの言っていることが分かっているのに、言うことを聞かないのは、わがままだから」と「わがまま」のせいにしていることはないでしょうか?

「いつかはできるようになるに違いない。」という根拠のない期待だけで、通常学級での教科指導と同じ方法で指導をしていることはないでしょうか?

きちんと児童の特性と向かい合って、苦手なことではなく、比較的得意であると思われる方向からのアプローチを行ってほしいと思います。

視覚にうったえるカードを作ってみたり、文字でのコミュニケーションを試してみたりすることは大切だと思います。パニックを起こす原因が児童の中ではなく周りの環境にあることをきちんと認識して児童と関わっていってほしいと思います。

また、これからの生活の中で役に立つと考えられるスキルを身につけさせることも大切です。「これは学校の仕事ではない」と言い切れることなどないと思います。

IEPの目標を具体的にできたか・できなかったかで評価できるような項目の積み重ねとして作っていくことが展望のある支援・指導につながると思います。

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通常学級の特別支援

「通常学級の特別支援」  佐藤慎二著  

                 日本文化科学社 1800円

本書は「特別」でない「特別支援」を”40の提言”という形で紹介しています。

どの子にもやさしい「支援」が通常学級には求められているといえます。

学校における協力体制・校内委員会のありかたから保護者との連携などについても具体的ですぐに取り組める内容になっています。どのような学級、どのような授業にしていくのかについても同様です。(本当はこのことが一番大切なのですが、今までのこのたぐいの本にはあまり触れられていませんでした。)

日常的な通常学級の教室や授業への配慮・手立てを少し工夫することで、どの子にも暮らしやすく学びやすい環境になります。

すでに通常学級での支援を工夫され成果をあげられている先生方には少し物足りないかもしれませんが、自分の実践を振り返る意味でも一読の価値はある本です。

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問題行動に対する取り組みの基本

問題行動に対する取り組みの基本

校・園のスタッフが共通の認識を持ってチームで取り組むこと

 共有する認識  

  「~のせい」という悪者探しをしない。

  その行動が「問題行動」か、そうではないのかの吟味を優先する。

  問題の解決を優先し「様子を見る」等の先送りをしない。

  記録をとって客観的な評価をする。

  スタッフ同士の協力・連携。同僚性の発揮。

  保護者との信頼関係・連携の確立。

 問題行動の原因

  多くの場合「問題行動」と「その後の状況」との関係が大きく関係している。

 具体的には、「欲しいもの・してほしいこと」を獲得する場合と「したくないこと・逃れること」を行う場合の2つが考えられる。

          

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問題行動とは

「問題行動」については以前「チャレンジング行動」などでも少し述べましたが、もう少し詳しくまとめます。

問題行動の基準

1 自らの身体・健康に著しい危険をもたらす行動

2 他者の身体・健康に著しい危険をもたらす行動

3 有意義な学習・労働・レジャーへの参加を著しく妨げる。

この3点のどれか一つに当てはまるものが「問題行動」といえますが、「著しい」という部分には主観がどうしても入ります。この点ではあいまいな部分を残しています。

また、自閉症スペクトラム児に対して、本人が理解できないような言語指示だけで活動を強要した時に、パニックになったり、その活動から逸脱した時に、それを本人の「問題行動」としてとらえることは間違いといえます。環境の側が「問題行動」を作り出す可能性があることを自覚・自戒することが重要です。

「こだわりの行動」などで家庭では許容される行動が学校では「問題行動」とみなされる行動については、保護者と学校が個別の情報を共有することで同じ歩調で取り組みができるようにしたいものです。

「問題行動」を子どもからの発達要求のあらわれや、環境との軋轢のあらわれとしてとらえ、「問題行動」の消去のみを指導の目的とするのではなく、発達要求を実現することを目的とした指導が求められます。

対応については次回へ

 

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通常学級の担任の先生へのお願い(1)

通常学級担任の先生へのお願い(1)

いわゆる「気になる子」「困り感を持っている子」はどのクラスにも何人かいます。

新学年が始まった今の時期にその子の2週間程度の継続観察をお願いします。

担任の先生から観て「気になる」行動やその子が「困っている」様子の内容・回数を毎日メモしておいてください。その時の先生の対応も記録しておくと、その後の対応の参考になります。

「担任の教師にはそんな時間なんてない!」という声が聞こえてきそうですが、記号で書いて行うフォームがあれば、そんなに時間をとることもないと思います。

A4用紙1枚で1週間のこんな用紙を作りました。

ダウンロードはこちら⇒「kirokuyoushi.doc」をダウンロード

これを参考に、それぞれの子どもに応じたものに改良して使ってみてください。

ベースライン(取り組み以前の状況)を把握しなければ、その後の手だてや取り組みの成果をきちんと確かめることができません。

このあたりのことが、通常学級でも特別支援学級でも今一番求められていると思います。

「エピソード主義」から脱却し、手立てや取り組みの評価を客観的に行えるようになりたいものです。

「発達支援を行う」ということは「客観的な評価による成功例を積み重ねる」ことだと思います。

次回は「記録をどのように支援につなげるか」です。

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SOUL

SOULとは

アメリカのコロラド大学ワイズ教授によって提唱されたものです。

S=Silence(沈黙)   子どもの行動を静かに見守ること。子どもの主体性を重視し、主体的に活動できるようにすること。

O=Observation(観察) 正確な観察をすることによって、子どもの状態を知る。

U=Understanding(理解) 観察した事がらとそれまでの子どもの情報を総合して理解する。

L=Listening(聞く)  子どもの話に耳を傾け、きちんとしたフィードバックを行う。

SOULとはそれぞれを段階的に行うのではなく、しっかりと子どもの行動を見守りながら観察し、子どもの状態や要求を理解し、言いたいことをきちんと聞いてあげることです。

こういう風に書けば、大変シンプルであたりまえなことですが、子どもと接する時に常にこのことを意識するのは難しいかもしれません。

また、ノンバーバール(非音声言語)によるコミュニケーションの場合でも、SOULは有効だと思います。

インリアルアプローチについては次回に続きます。

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般化をめざした取り組み

学校や家庭での取り組みで身につけることができた行動が、他の場面・他の状況ではできないことが多く見られます。

身につけた行動を般化するために必要なことを事前に知っておくことは、指導の計画を立てるときにとても重要なことだといえます。行動分析の考え方をもとに以下にまとめてみます。

1 できるだけ日常的な活動に関する行動を指導目標に設定する

日常的な活動であればあるほど、その行動は周囲の人から強化されます。たとえば「手をふって挨拶する」は毎回必ず相手の人からの強化が期待できます。また、カードを使って自分の要求を表すことなども、自分の要求がかえられるという強化子が常に与えられるので同様です。

2 教材や指導の中にできるだけ日常生活で体験する場面や条件をはじめから組み込む。

ある行動を身につけさせてからそれを般化するのではなく、指導の過程の中に様々な条件を最初から入れておくことによって、多様な場面での般化が容易になります。同一指導者・同一場面での指導を他の指導者・他の場面(家庭)でも指導することに変えることによって効果が期待できます。

3 不適切な行動の改善を日常生活に般化する。

学校で改善された不適切な行動が家庭で出る、あるいはその逆もありがちなことです。不適切な行動が引き続き強化されている環境を改善することが大切です。たとえば、A先生なら指示に従えるが、B先生なら従えない。このような場合は「適切な」一貫した対応・指導法・働きかけを徹底することが求められます。

4 できるだけ広い範囲の反応例を取り上げて指導する。

「~ちょうだい。」という要求を教えるときに。「おかしちょうだい」だけしか教えるのではなく「CDちょうだい」「本ちょうだい」・・・のように多くの反応例を指導することはQOLを高めることに直結しています。

5 いろんな場面で同じ手がかり刺激を組み込む。

自閉症スペクトラム児は複数の手かがり刺激よりも一つの手がかり刺激に注目することが多いので、その刺激を見つけ、般化をねらう場面でその手がかり刺激を活用することは効果的です。たとえば学校で使っている作業や活動のジグを家庭でも使うようにする。教師としている遊びを他の子どもとだけでも遊べるようにしていく。などが考えられます。

「常に般化を意識した取り組みを行うこと。」を日々の療育・教育実践の中で忘れないようにしていきたいものです。

この記事は「般化と維持を促進する戦術」島宗理氏(法政大学)らが作成した研修用教材を参考にしています。

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ティーチャートレーニング

ティーチャートレーニング(案)

ペアレントトレーニングという言葉は結構使われています。

それ以前に必要な事がティーチャートレーニングです。発達障害の子どもの指導に携わったことのない先生のために、あるいは今までの実践でうまくいかなかった先生のために、プロとして必要な事を簡単にまとめます。(だいたいの内容はペアレントトレーニングに準じています。)

Lev1 基本

・「~が悪いから」といった犯人探しをやめる。

・ほめることを基本におく。

・ことばで指導・注意する以外の指導法を複数用意する。

・望ましくない行動を無視して減らしていく。

・まずは予防的対応。事が起こったら早期対応。

・いつでも、どこでもSPELL

・スモールステップの指導。

Lev2 行動分析と行動変容 

・ターゲット(目標行動)の設定する。どのような行動を増やしたいのか、なくしたいのかをきちんと明らかにする。

・行動を観察して分析する。ABC分析

・強化による行動変容。

Lev3 問題行動に対するアプローチ

・強化子を取り除くことによって問題行動を減らす。 

・タイムアウトの適切な活用。

・チームとしての対応、チームとしての評価。同僚性の発揮。

以上のことが特別な教育ではなくすべての子に対して有効であるという「ユニバーサル」な観点を持って取り組んでいくことが重要です。

また、受身ではなく自ら多くのことを学んでいこうとする姿勢もプロには求められます。

いわゆる「困っている子」から多くのことを学べる教師になって欲しいです。

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