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強迫性障害(OCD)について

本来、このブログの守備範囲ではありませんが、相談業務の一環として調べたことをまとめました。


OCD(Obsessive Compulsive Disorder)は、以前「強迫神経症」と呼ばれていた心の病気である。現在は「強迫性障害」と呼ばれている。この病気のおもな症状は、不要な考えが心の中に繰り返し起こる「強迫観念」と、それを打ち消すために行われるさまざまな「強迫行為」である。

本人も、それが不合理なことだとわかっているが、繰り返し生じる不安な考えやイメージを打ち消すために、さまざまな行為を行わなくてはならない。そのために多くの時間やエネルギーを費やし、時には日常生活を行うのにも支障が出てくることがある。

本人もおかしなことだと自覚しているのに強迫観念から逃れられず、強迫行為をやめることができない。また、どんなに繰り返し強迫行為を行っても、不安や不快感を消し去ることができない。代表的な症状には、手がばい菌などに汚染されていると感じて、何度も手を洗わずにはいられない「洗浄強迫」やドアのカギをかけたかどうか、ガス栓をしめたかどうか何回も確認するという「確認強迫」などがある。

現在、強迫性障害は適切な治療を受けることができれば、ほとんどの人が日常生活を正常に行えるようになるといわれている。
強迫性障害の治療方法としては、行動療法と薬物療法がある。

行動療法の一つのアプローチとして、
エクスポージャー(暴露)と反応妨害を組み合わせた、Exposure and Ritual Prevention(ERP)がある。エクスポージャー(暴露)というのは、恐れている不安や不快感が発生する状況にわざと置くこと。反応妨害というは、不安や不快感が発生しても、それを解消しようとする強迫行為をとらせないという方法である。
(意図的に追い込むことになるので必ず本人の意思確認、専門家による指導、家庭の協力などが必要になる。)
例えば、洗浄強迫の場合。不潔だと思われるものにさわり徐々にその程度を上げて行く。ソファーにさわる→ドアノブ・公衆電話にさわる。→トイレの壁にさわる→トイレ掃除用のゴム手袋にさわる。のようにだんだん強迫刺激を高めていく。
もう一つのアプローチとして、
アルコール依存症の治療と似たような方法がとられることもある。強迫性障害は、一度始めたら本人の意志では止められず、ほどほどということができないことが多い。アルコール依存症の人が禁酒はできたとしても節酒は困難なのと同じように、洗浄強迫の人には普通の人のように、さっと手洗いを済ますということが難しいといわれている。
洗えば洗うほど、洗い残したところなどが気になり、手の皮がむけるほど洗ったり、気の済むまで洗おうとしたりする。そこで行動療法では、いくら手が汚れていて、洗いたくなったとしても、決められた期間は全く手を洗わせないようにする。全く洗わないほうが、むしろ楽にできることが多い。こうして、洗わずにいても何も悪いことが起こらないと気づかせることによって、洗浄脅迫を克服させる方法もある。これがうまくいけば、次に適当に洗う練習をくりかえし、新しい行動を身につけていくようにする。

強迫性障害の薬物療法としては、セロトニン系に作用する抗うつ薬がある。これは強迫観念を抑えることが知られている。セロトニン系の薬の中でもSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、脳内神経伝達物質のうちのセロトニン系だけ選択的に作用するため、セロトニンを正常に近い状態に調整する効果がある。
うつ病の場合は、SSRI以外にもいろいろな種類の抗うつ薬が使用されているが、強迫性障害では、ノルアドレナリンなどよりも、セロトニンを調整する働きが強い薬の効果が大きいため、治療では主にSSRIが使用されてい。

強迫性障害については、行動療法も投薬もできる医療機関に相談することが一番望ましい。


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コメント

こんにちは!音と風です♪

素晴らしい記事ですね!!!

今通っている所にも、強迫性障害のお子さんがいるので、大変勉強になりました。ありがとうございました♪

これからもBOGEYさんの記事、楽しみにしております。
それから、ランキング3位 おめでとうございます~♪

投稿: 音と風 | 2009年1月30日 (金) 22時37分

音と風さん
コメントありがとうございます。
少しでもお役に立てていただければ嬉しいです。

病棟にもいろんな課題を抱えているお子さんがみえるんですねえ・・・

お互いに、しっかり学んでお子さんのためにがんばりましょうね。


投稿: BOGEY | 2009年1月30日 (金) 23時09分

音と風です♪

実は今、3つの院内学級に通っております。
2箇所は、小児がんや重度のお子さん達が入院している病院で、音楽の時間講師として通っています。

3つ目は、昨年9月から通い始めた小児精神科病院内の院内学級です。

こちらには、これから産休する先生の軽減時間で入っておりまして、音楽は、他の先生が教えていらっしゃいます。すべての部屋に鍵をかけますし、教員は全員ジャージです。かなり特殊な院内学級です。他の先生方に色々と教えて頂き、すごく勉強になります。

PDD、プラダーウィリー、反応性愛着障害、統合失調症、ADHD、適応障害、てんかん、アスペルガーなどなど、色々なお子さんがいます。

私は、重度の自閉症と精神発達遅滞のお子さんのクラスに入っています。

子ども達の思いを、素早く適確に感じ取れるよう、頑張りたいです♪

投稿: 音と風 | 2009年1月31日 (土) 14時08分

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