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視覚機能と発達障害

以前「発達相談室」のカテゴリーで「眼球運動」について記事を書きました。そこで紹介したのは簡単なチェック方法ですが、この検査で何人かのお子さんに視覚機能に大きな課題があることを見つけることができました。
アセスメントをさらにスキルアップするために、2月21日に大阪医大LDセンターで行われる「視覚能力のアセスメントとトレーニングワークショップ」に参加します。ということで、以下に「視覚能力」についてまとめてみます。

「見る力」
  簡単なチェック法の実施でしたが。視力が正常範囲であっても、「見る力」に弱さがあり、見ることがうまくできない子がどのクラスにも1・2人いることがわかりました。学校の学習活動では見るということは大変重要です。また、通常の生活をする上でも、見ることは不可欠です。

 視覚能力に課題がある場合
 ・幼児期:絵が思うように描けない、積み木やパズルが苦手、ボールをとることができない
 ・小学校:文字がうまく書けない、鏡文字がある、読みが非常に遅い、黒板を写すことが苦手、球技が苦手
「見る力」に課題があると、見ることに苦痛を感じるようになります。特に本読みや書写、筆算、ノートをとることなどがうまく出来ずに大変苦労します。「見る力」の低下は学習の効率を低下させるだけではなく、集中力や注意力にも大きく影響します。
 授業中に落ち着きがない子やWISC‐ⅢでのFIQが低かった子のなかにも「見る力」に課題がある子が何人かいました。すべてが「見る力」が原因であるとはいえませんが、なんらかの関連があると考えられ、支援方法の一つとして視覚機能のトレーニングも組み入れています。

 
目の運動機能
 人が目標物を見るためには、まず「共同眼球運動」という機能をつかって、目標物に両眼の視線を移動します。それと同時に「両眼視」と「調節」をつかって、目標物に焦点を合わせることが必要です。

共同眼球運動とは目標物に視線を素早く正確に移動する運動で、左右の目が同じ方向に向かう動きのことです。 これには二つの種類があります。
 一つは、ゆっくり動くものを追視する追従性眼球運動(Pursuit)です。これは動体視力の基礎になる能力で、動いている目標物を見て認識したり、自分が動いているときに目標物を見たりするときに重要な役割を担います。もう一つは、ある点から違う点に視線をジャンプさせる衝動性眼球運動(Saccade)です。これは、視野の中に入ってきた対象物が何であるか確認したり、何かを探したりするためにおこなわれる眼球運動です。
 この運動に課題があると、本を読むときや文字を書くときに大きな障害となり、行や文字を頻繁に飛ばして読む、書く、内容が理解しにくいなどの症状がみられることがあります。

両眼視とは両眼の視線の向きを調節して一つのものを見たり、遠近感を感じたりすることです。(両眼の輻輳、両眼の内よせ・外よせ)
 両眼視によって、物を一つに見ることができ、また両眼の視線の向きによって目標物の遠近感や立体感を感じることができます。両眼の輻輳が崩れている「斜視」までにはいかなくてバランスが悪いと、物が二重に見えたり、一つに見るために多くのエネルギーを必要とするので、見る作業に苦痛を感じることがあります。また、目がすぐに疲れる 、片目をつぶってものを見る、顔を斜めにしてものを見る、遠近感がとりづらい、球技が苦手などの症状がみられることがあります。

調節とは見ているものにピントを合わせる能力のことです。
 目はいつも、目標物の距離にあわせてピント合わせをしています。この能力に低下があると、ボケて見えたり、はっきり見るために多くのエネルギーを必要とするため、頭痛や肩こりがおこったり、自然に近くの作業を避けたりすることにつながります。また、異常に眩しさを感じる、斜めにしてものを見る、目をよくこする、集中力がすぐになくなるなどの症状がみられることがあります。

見たものを分析・統合する機能
視知覚とは目から入った画像の分析する能力のことです
 目から入った情報を何かの形であると分析することが必要です。脳は目から入った情報を一瞬で処理し、ある形として理解する働きを持っています。それに加 え、脳は見ているものの中で、その人が見たいものだけに意識を向ける能力を持っています。それによって、見たいものや見なくてはいけない部分にだけ注意を 払い、見なくてもよい背景を無視することができます。(図と地)
 文字や漢字などは、線が組み合わさった図形です。図形を線からなるひとかたまりのものだと認識できないと、なかなか覚えられません。数字、かな、漢字の習得が困難。よく似た文字や図形を見間違える。鏡文字がみられる 。大きさ、量、場所など数学に必要な概念の理解が難しい。などの症状がみられることがあります。

目と手の協応
 目から入った情報は、常に体を動かす機能と連携しています。特に目と手の協応は、すべての活動に大変強く関連しています。目と手の連携がうまくいっていないことが不器用さの原因になることがあります。


トレーニングについてはワークショップから帰ってきてから報告します。

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