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「私」をめぐる冒険

「私」をめぐる冒険 ‐「私」が「私」であることが揺らぐ場所から‐

             浜田寿美男著  洋泉社  820円

200ページ足らずの新書版です。そのボリュームの中に、「私」とはそもそも何か」(発達)・「私」の鏡(自閉症)・虚偽の自白(供述分析)・「私」性の無視(裁判所)・「私」をめぐる冒険(終章)という5章を詰め込んでいます。

当然舌足らずになるのは仕方のないことですし、「私」という存在について、全く一貫性のないと思われる方向からのアプローチを1冊に詰め込んでいることで、読み手からすればかなりのドライブ感があります。もしかするとジェットコースターです。また、私にはかなり論理に凸凹というか○S○Wがあるようにも思えました。

しかし、ブログにアップしたい記述の個所にポストイットを挿んでいったら15枚になりました。これは最高記録に近いです。

すべてを紹介することはできませんが、とりあえず「発達」から

「子どもの発達や育ちということばには、ある一定のゴールに向けて力を伸ばし、将来に向けて真っ直ぐに上昇していくというイメージがあり」このため「できるだけ早く、できるだけ効率的に、目標に近づけようとしがち」であると述べ、マイナスを埋めていくというおとなの地点からしか子どもを見ることしかできない。と分析しています。

これは、子どもというものを身につける物が欠如している存在としてとらえる傾向があるということです。

ここで著者は「育ちにはプラスだけ、マイナスはないと考えた方がよい」と結論しています。

「子どもはおとなになるための準備の期間を過ごしているわけでなく、子どもは子どものいまを生きている。力が十分でなかろうと、手持ちの力で精一杯いまの本番を生きるしかない。」とも述べています。

子どもの視点で子どもの日々の生活を考えたとき、その子への支援はその子の実生活をベースにしたものでなければ、またその子の認知特性をベースにしたものでなければ、意味がないということです。

「将来役に立つに違いない。」「大人になるためにはこれが必要である。」というようなマイナスを埋めようとするアプローチで身につけたものが、往々にして大人になった時に剥落していることがないでしょうか。

「今日一日をどのように過ごしていくか。そのために配慮する環境はなにか。」

ここに焦点を絞って取り組みを再スタートしていく必要があると思いました。

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コメント

素敵な本の紹介ありがとうございます。
子どもには、自立して親がいなくなっても笑顔で
過ごせるようになって欲しいと願うあまり、
「将来役に立つに違いない。」「大人になるためにはこれが必要である。」という視点になって
しまっていると考えさせられました。
子どもの良いところ、得意なことを伸ばして自信
を持って毎日を過ごさせてあげたいです。

投稿: yanamama | 2009年1月15日 (木) 09時02分

yanamamaさんコメントありがとうございます。

親ってどうしても、子どものマイナスのところが気になって、それをなんとかしようと思うものですよね。私も同じです。
でも、子どもにとって一番必要なことは「自己肯定感」だと思います。
しっかりと認めてあげることで、生き生きとした毎日をすごさせてあげてくださいね。

投稿: BOGEY | 2009年1月15日 (木) 21時05分

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