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2009年2月

きっぱり!

(視覚能力についてのシリーズはまだまだ続きますが・・・)
今日は、「雑記帳」のカテゴリーで
「特別支援教育」と「障害児理解教育」について書いてみます。

「障害児理解教育」については、地方自治体によって随分扱い方が違うようですが、私が住んでいる自治体では「人権教育」の一環として学校教育計画にも位置づけ、どの学年でも取り組まれています。

・地域にお住まいの障害を持つ方のお話をうかがう。
・車いす体験やアイマスク体験をする。
・地域のバリアフリーを調べる。
・絵本や「障害」に関する本を読む。
・支援学級に「在籍」するお子さんと「交流」する。
などがよく行われています。

学校で年間の取り組みの総括と次年度の方針を話し合う会議がありました。そこで2年目の若い先生が総括・方針の提案をしてくれました。
その中で、
「交流学級(支援学級の子が日常的な生活をする通常学級をこう呼んでいます)の子どもたちは、1人の友だちとして得意なところや苦手なところを理解して関わりあえている。でも、そうではない学級の子は十分な理解ができていない。だから、支援学級との交流をどの学級でも行っていってはどうか。」という提案がありました。
話し合いの中で支援学級の担任の先生が、優しい口調ながら
「交流が『お祭り』になってはいけないと思う。」ときっぱりと話されました。

ここでいう『お祭り』とは、「交流はいいことだ。だから交流行事をしよう。行事をすれば理解が深まるはずだ。」といった短絡的な取り組みのことを表現されたのです。

なるほど、その通りだと思いました。学校教育の中で必要なことは「交流」でも「理解」でもなく、共に学び・共に生活することだと思いました。もちろん、このことは地域で共に生きていく長い人生でも同じだと思います。

会議の後、提案してくれた若い先生と話をしました。彼女はきちんと分かってくれたようでした。

今後、特別支援教育の十分な条件整備が行われることによって、「交流」から本当の「共同学習」にかわっていってほしいと思いました。

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視覚能力のアセスメント

これまで紹介した、対面法による眼球運動評価は大変簡単に実施でき、結果も即座に分かります。
眼球運動に課題が見られたようでしたら、次の段階のアセスメントを行いさらに詳しく見ていくということも必要になると思います。また、眼球運動に課題が見られなくても「形態認知」「空間認知」「目と手の協応」に課題があると思われる場合は、以下のようなアセスメントが必要となります。

近見・遠見数字模写テスト:ランダムな6×6の数字を書き写す。近見は机の上に、遠見は3m離して。

DEM(Developmental Eye Movement Test):TestAとTestBは縦2列×20のランダムな数字を読む。TestCは5×16のランダムな数字。

目と手の協応課題:2重丸の間に鉛筆で丸を書く。(1分間)

その他、DTVP‐2、VMI、Rey-Osterrieth複雑図形模写検査、WISC-Ⅲの動作性課題なども参考にします。
これらのアセスメントの結果を分析し、原因が「視力」「両眼視・調節」「眼球運動」「目と手の協応」「視視覚」「図形構成」のどこにあるのかを明らかにしていきます。

テストの結果だけでなく、観察や聞き取りも重視し「本人が一番困っていること」を明らかにして支援につなげるようにすることが大切だと思います。

次回からは「外的・内的視覚条件の調整」について述べていきます。

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対面法による眼球運動評価 3・4

対面法による眼球運動評価 3

衝動性眼球運動:ジャンプするような支援移動の能力

評価法
2本の目標物の間隔を20~30cm空ける。子どもから30cm~40cmほど離す。
赤と青の目標物の場合「赤・青と順番にいいます、その方をしっかり見てください。」と声をかける。
横・縦・右斜め45度・左斜め45度で行う。
タイミングを変えてそれぞれ5往復程度行う。

観察
・横方向のジャンプが5往復できるか。
・明らかな修正(後戻りや途中で小刻みに飛ぶ)がなく、目標物に向かってジャンプできているか。
・体の動きを伴っていないか。(動かないようにとの指示はしない)


対面法による眼球運動評価 4

滑動性眼球運動:ゆっくり動くものを滑らかに追いかける視線移動の能力

評価法
目標物を子どもから30cm~40cmほど離す。
左から右に横にゆっくり目標を動かす。2~3往復する。縦にも上から2~3往復する。
直径20cm程度の円を時計回りに2回転、反時計回りに2回転させる。

観察
・正中線(鼻の頭を通るライン)を越える時に視線が飛んだり、フラフラしたりしないか。
・明らかな修正がなく追視ができているか。
・体の動きを伴っていないか。(動かないようにとの指示はしない)


3・4のどちらも、よく行う評価法です。縦は大丈夫なのに横の場合、正中線で全く違う方向に視線が飛んでしまう子がいました。また、逆のケースの子どももいました。どちらの子も学習場面で大変な困難を感じていたことは間違いありませんでした。毎日少しずつのトレーニングで改善することができるので、「まずは視覚運動の課題から取り組んでみよう」というスタンスも必要だと思います。

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対面法による眼球運動評価 2

対面法による眼球運動評価 2

注視:一点を見つめる能力

評価法
正面、斜め左右45度に固定した目標物を見つめるよう指示をして、両眼の動きを観察する。
「10数える間、見ていてね」と声をかける。

観察
・両眼の視線が目標物から大きく外れないか
・視線は動揺せず、安定しているか
・低学年でも5秒未満しかできないときは要注意

注意力が欠けている場合やじっとしていることが苦手な子どもの場合でも、この検査が苦手なことがあります。
「きちんとした姿勢で目をつぶって、じっとしていてごらん。」という指示で30秒持たない子は視覚機能ではない方の課題があるといえます。


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対面法による眼球運動評価 1

対面法による眼球運動評価 1

両眼の輻輳:より目の能力

評価法
目標物(先に丸などの見やすいものをつけている棒)を40cmの位置からゆっくり被験者に向かって近づけたり遠ざけりして、両眼の動きを観察する。
「2つに別れて見えたら教えてください。」と声をかけておく。

観察
・両眼の動きがスムーズか
・片眼が外側にずれたままになっているか
・2つに見える位置が10cm以内か
・片目の視線が飛ぶことはないか

両眼の輻輳の訓練でブロックストリングが紹介されていました。
使用法については、講師より参加者のオプトメトリストさんの方が詳しく、「斜視」と「斜位」の違いや「縦の輻輳」などについても教えていただきました。

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「視覚能力のアセスメントとトレーニングワークショップ」

大阪医科大学LDセンター主催の「視覚能力のアセスメントとトレーニングワークショップ」に参加してきました。
概要は以下の通りです。

1 概論 外的・内的視覚条件について
2 視覚に関するアセスメントについて
3 アセスメント実習
4 アセスメント結果の解釈
5 アセスメント結果に基づく外的・内的条件の調整について
6 外的視覚条件の調整(視覚トレーニング)実習
7 トレーニングプログラム作成
8 IEPの作成について

参加者は、オプトメトリスト、巡回相談員、通級学級の指導員など多彩なメンバーだったため、実習中の会話や休憩時間の雑談でも学ぶことが多かったです。

通常学級において視覚能力が弱いために様々な課題をかかえている子どもは少なからずいます。
それらの子どもたちは、
・板書を写すことが苦手
・定規などのメモリを読むのが苦手
・文章を読むときに読み飛ばしたり、同じところを繰り返し読んだりする。
・プリントやテストで問題をぬかしてしまう。
・視覚的な作業で、集中力が続かない。
・手先が不器用
・鉄棒や縄跳び、球技が苦手
・工作や絵を描くのが苦手
などの「困り感」を持っています。

これらの子どもたちに適切なアセスメントを行い、その特性に応じた外的及び内的条件の整備・調整を適切に行うことによって課題を解決できることが多いと感じました。
「発達障害」と呼ばれている子どもたちすべてに視覚能力のトレーニングが有効であるわけではないと思いますが、簡単に取り組め、成果もみられるため最初の取り組みとして大変有効であると感じました。

「ジオボード」をおみやげ代わりに購入しました。実際に活用しようと思っています。

具体的な内容の報告は何回かに分けて報告していく予定です。
(以前のVMI等の記事も含めて「視覚能力」のカテゴリーにまとめていきます。)

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「キレる子」にはわけがある

大阪医大LDセンターでの研修と教育研究集会(基調講演は「競争やめたら世界一」の都留文科大学教授・福田誠治さん)の日程が重なったため。分科会のレポート参加だけになりました。せっかくなのでこのブログでも紹介します。

「キレる子」にはわけがある            

一般的にはこのように「キレる子」を分析しているようです。

国立教育政策研究所の報告書では、「キレる子」を「『突発性攻撃的行動及び衝動』を示す子どもと規定しています。なお、この研究では一応発達障害の子どもを対象とはしていません。
「キレた」子どもの基準として。
①「キレた」ことによる行動(暴力行為)が常識的な判断として了解されるものではない。
②「キレた」ことによる行動(暴力行為)に、情動を制御する力が認められない。
「キレた」子どもの分析(概要)
(1)「キレた」子どもの性格的傾向分類
①「キレた」子どもの性別は、男子が87・8%、女子が12・2%。
②性格的傾向の分類では、多い順に「耐性欠如型」70・3%、「不満型」30・1%。
③「耐性欠如型」と「攻撃型」は男子に多く、「不満型」は女子にやや多い。
(2)「キレた」子どもの成育歴に関する要因の分類
①「キレた」子どもの成育歴に関連する要因として、最も多く指摘されるのは、「家庭での不適切な養育態度(75・8%)」、「家庭内での緊張状態(63・8%)」である。
②「家庭内の不適切な養育態度」としては、「過度の統制(18・8%)」「過保護(甘やかし)
(13・6%)」「過干渉(11・3%)」「過度の要求(10・9%)」及びこれらと対峙すると思われる「放任(14・8%)」「言いなり(9・5%)」という両極にある養育態度が「キレた」ことの要因となっていると推察される。 
③家庭内で子どもに心理的な緊張感や不安感をもたらす「家庭内の緊張状態」としては、両親の「離婚(24・5%)」やそれと関連した事項として「夫婦不仲(12・5%)」、「貧困(11・5%)」、「再婚(7・8%)」が認められた。これらの事項は、子どもに心理的な不安や緊張状態を引き起こし、子どもを「イライラ」させ、両親に反抗的な態度を形成することに、少なからず関与しているものと思われる。そして、これらのことは、「キレる」ことに直接的というよりも、むしろ間接的な影響を与えているのではないかと推察される。
④「父不在(14・5%)」「母不在(9・2%)」も要因として指摘できるが、これは両親が不在がちであることにより、子どもに対する養育態度として「過保護」「放任」につながるのではないかと考えられる。
⑤「キレた」子どもの4分の1前後は「問題行動(非行等)(27・4%)」を起こしたり、「家庭内で暴力・体罰(24・0%)」を受けたり、「友人関係の問題(23・9%)」があったことが指摘できる。
⑥子どもの「問題行動(非行等)」(27・4%)」に対して、「家庭の適切な対処が欠如」していることが認められた(「問題行動(非行等)」が認められた事例の73・0%)。「問題行動(非行等)」に対して、養育者が毅然とした態度対応をとることの必要性が指摘される。                               
 なお、学校要因としては、①友人からのいじめ、②教師の不適切な対応、③学業面の問題、④友人関係の問題、及び⑤問題行動(非行等)に分類される――としているが、結論的には「以上のことから『キレる』子どもの発生においては、家庭の状況は否定しがたい影響力を持っており、それに比較し、学校等の影響は相対的に小さい」としている。

 いかにも国立教育政策研究所らしい調査研究報告です。この報告はデータとして参考にする程度でよいのではないかと思っています。もともとこの調査は家庭状況の分析を中心的なものとして行われているので、このような「家庭の問題」「性格の問題」という結果になったと思います。
 私は「家庭の問題」などは、本当の原因ではなく背景・要因であり、本当の原因は「自己評価の低下」であると考えています。
 「キレる子」への支援を進めるためには、自己評価が低下している原因を明らかにすることと、「キレる」行動の前後の文脈をきちんと分析することが大事だと思います。

自己評価低下の原因として考えられること。
 ・学校で「学力中心の評価」にさらされているため、学校生活に適応できない。
 ・成功体験が少ない。ほめられた経験が少ない。
 ・他の人のために役立っているという自己有用感が少ない
 ・教師やクラスメイトに認められていない。
 ・ストレスにうまく対処することができない。
 ・友人関係をうまく作ることができない。
 ・アンガーコントロールがむずかしい。
 ・キレた後に「どうしてあんなことをしてしまったのか」と後悔することが多く、さらに自己評価を下げることが多い。         
   
「キレる」子の行動分析で大切なこと。
 ・事前にどのようなやり取りがあったか。
 ・事後にどのような状態になったか。
 ・事前にどのように対応すれば「キレる」ことがなかったか。
 ・事後にどのように対応すればクールダウンがスムーズにいくか。                          

「キレる子」への支援として考えられること。
・アンガーマネージメント
・他者の感情をどのように理解するとよいのか。
・コミュニケーションスキルを身につける。
・ロールプレイング
・「キレ」た後でお互いの気持ちを吹き出しに書いてみるなどして振り返る。               
  「キレる子」は少なからず「発達障害スペクトラム」の範疇に入ると考えられます。しかし、発達障害であるからといって特別の対応や投薬などで問題が解決するわけではありません。これまで述べた対応を、継続的に、丁寧に、子どもにより添う形で進めることが最も大切であると考えています。また、行動が変容していくために大きな手助けとなるのは、いつも近くにいて本人を理解してくれている友だちです。

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新版K式発達検査と田中ビネー知能検査

新版K式発達検査と田中ビネー知能検査の違いについてお尋ねがありました。
K式とWISCについては、検査経験があるので分かるのですが、田中ビネーについてはあまり知識がありません。いい機会なのでまとめてみました。

知能検査と発達検査のちがい
知能検査は、主に知能に焦点をあてて生活年齢(実年齢)と比べてどの程度知能年齢があるか:知能指数(IQ)を調べることを目的としています。
また、発達検査は認知面・社会性・運動面などのいくつかの観点から発達の度合い:発達指数(DQ)を調べることを目的としています。

どちらの検査がどんな場合に適切かは、検査を実施する機関によって判断されているので、統一されているものではありません。
おおむね、発達検査は0歳から、言葉の獲得以前から。知能検査は2歳程度から、言葉の獲得前後から。といえるようですが、実施機関によってはこの通りではありません。
新版K式発達検査は関西で多く利用され、田中ビネーは関東で多いといわれていますし、療育手帳の判断には田中ビネーがよく使われているといわれています。これも一概にはいえませんが。

新版K式発達検査
特徴
1『姿勢・運動』 『認知・適応』 『言語・社会』 の3分野に分け数値を出す。
2 課題が別れているので、何が得意で何が不得意かの問題点も見やすい。
3 発達指数(DQ)=発達年齢(DA)÷生活年齢(CA)×100

適用年齢
0カ月~14歳

内容
形ハメ(○△□・箱に積み木をはめて落とす)
積み木積み上げ
積み木模倣しての作成(車・トンネル)
お絵かき
紙製の形合わせ
指さし(靴はどれ?)
神経衰弱のような物(隠してどこにあるか当てる)
大~小の器を重ねる

田中ビネー知能検査
特徴
1 Ⅴ(第5版)で子どもの変化に対応したものになった。
2 知能の特徴を4つの領域で診断 。
3 発達状態をチェックできる項目を作成:年少児・遅れの子供の発達状態をチェック 。
4 2~13歳は知能年齢(IQ)と精神年齢(MA)を14歳以上は偏差知能指数(DIQ)を算出する。

適応年齢
2歳~成人

内容

1歳から13歳までの問題(96問)、成人の問題(17問)が簡単なものから難しいものへの順に並べられている(年齢尺度)。
問題は、言語、動作、記憶、数量、知覚、推理、構成など様々な内容からなる。
1歳級の下に「発達チェック」(S1~11の11問)という項目がある。
主に1歳級の問題を実施して未発達なところが予測された被検査者について、発達の目安を知るためのものである。

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親の気持ち

これは、私を含めすべての親ごさんにあてはまることかもしれません。

「いいお子さんね」と言われなければ、親である「自分」が責められているのではないか。自分自身の評価が下がるという気持ちに追いやられているのではないか。
自分自身が好きではない親である「自分」は、好きではない「自分」の子を好きになれないのではないか。

このようなことを、一度は自分自身に問いかける必要があると思います。

でも、本当は
周りから「いい親」であるといわれるよりも、「わが子」から「いい親」といわれるようになることの方が大切です。また、親である自分自身を認め好きになることが「わが子」を好きになることにつながるとも思っています。

励まし・癒し・安らぎ・許しを与えてくれるような家庭を築いていくことが大切なことだと考えています。


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先生への2つの質問

この週末数冊の書籍を読みました。

その中の1冊に「カウンセリング心理学入門」(國分康孝著)という本があります。私はこの著者の主張すべてに賛成するわけではありません。しかし、とても参考になる記述がありました。

「模倣の対象になれる親や教師に」という項で、
「模倣の対象のある先生はある状況に置かれた場合に、自分が見習った教師と同じような処置を迷わずとれるから、事態が動く。」とありました。また、「模倣の対象となる先生がいるか。」と聞いた時、「いない。」と答えた先生に、「学校って何だ。言ってみろ。」と尋ねたということが書かれていました。
私は、教師として独り立ちをするためには、この2点はとても重要なことであると感じました。

これからは、私が関わるたくさんの若い先生たちに、

「学校とはどういうところだと思いますか?」
「あの先生みたいになりたいという先生がいますか?それはなぜですか?」

という2点を聞いてみようと思います。

この2つの質問を自分なりに考えることは、「教師はこうあるべきだ」などという押しつけよりも、ずっと多くのことを彼らに与えてくれると思います。


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娘からの電話

岡山の大学に行っている娘から電話がありました。
先日「自閉症児の言語発達」についてレポートを書くと言っていたので、その時は「一番難しいとこやなあ・・・」と話していました。レポートのテーマは「自閉症スペクトラム児の共同注意」に変更したとのこと、このテーマの方が核心に近づけてよいと思いました。しかし、これでも彼女にとってはずいぶん難しいので相談の電話でした。

「最近のブログの記事に載っとるよ「クレーン」とか」というと
「難しい方のブログは読んでない!」との返事。
「あれれ、娘すら読者じゃないの?」
「やっぱこのブログ難しいかあ・・・」

ちょっと反省しつつ、こっちのブログでもわかりやすい記事も書くようにしようと思っています。

ひとつ前の記事は実は娘へのアドバイスの記事です。


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大藪秦氏の「共同注意」論

大藪秦氏は、共同注意について3つの分類を行っている。そのひとつに「構成形態からの分類」がある。

「構成形態からの分類」では

1 前共同注意:「情動の通底的(基本的なところで共通する)現象」と「新生児模倣」

2 対面的共同注意:視線が合う、見つめ合うことができる。生後2か月から6か月に出現。

3 支持的共同注意:相手の視線がどこを向いているのかを追跡して、同じ方向を見たり、対象物を注目したりする。このことにより対象を注目することを獲得する。5・6か月以降出現

4 意図共有的共同注意:支持的共同注意における三項関係をより緊密なものにして、大人の見ている対象物に興味を持つだけでなく、どのように大人が対象物と関わっているかを見てそれを模倣しようとする。この時期に身振り(指差しなど)を使って大人の注意や行動を要求しようとし始める。9~12か月

5 シンボル共有的共同注意:言語的シンボルの使用。対象物だけでなくそれを表現するシンボルを大人と共有できるようになる。15~18か月

の5段階があるとされている。

この分類を参考に、子どもの「共同注意」の発達レベルが現在どこにあり、支援のスタートをどこからはじめるべきなのかを明らかにしていくことは有効だと思います。

支持的共同注意前後の段階のお子さんに必要なことは、やはりバーバル(音声言語)は補助的なものにして、写真や絵カードなどを用いて、互いの共同注意を確認し合えるような活動が大切であるといえます。


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「人生いきてるだけでまるもうけ」

「笑顔のまんま」というBEGINの曲の歌詞です。

たくさんの親ごさんに出会い、
たくさんのお話をさせていただきました。

予定の時間が倍以上になることもあります。

不安でいっぱいの親ごさんもみえますし、
とてもつらい思いをされている親ごさんもみえます。

そんな、思いをのりこえて
とても穏やかな親ごさんもみえます。

「人生いきてるだけでまるもうけ」

もちろん相談の時に、この言葉を出すわけではありませんが
わたしの思いの中には、いつもこのフレーズがあります。

おこさんの「笑顔のまんま」
いっしょに見つけていきたいと思っています。


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大切なのは「友だち」

発達障害といわれる特性をもった子どもたちにとって最も大切な存在は、毎日の生活を共にして、その子の最大の理解者である「友だち」だと最近実感しています。

これまで「アスペルガー症候群」や「AD/HD」と診断された多くの子たちの成長を振り返ってみると、
低学年で大きな不適応や逸脱行動が頻繁にあった子が、中学年・高学年と成長するにつれて、
言動がとてもマイルドになっていたり、学校生活の中で活躍する場面が多くなっていることに気づかされます。

職員室でも「ホントにあの子成長したねえ・・・」と元担任や現担任がその成長に感心することがあります。
もちろん先生方の適切な支援の成果でもあるのですが、もっとも大きな力になったのは、常にその子に
よりそい、その子の良いところを大切にしながら仲よくしてくれた「友だち」だったと思います。

仲の良い「友だち」との日々の出来事を通して積み重なった体験は本当の意味でのソーシャルスキルトレーニングだったと思います。
自らが傷つくほど大きなパニックになった後でも、何事もなかったようにいつものように話しかけてくれる、一緒に遊んでくれる「友だち」がいます。
この「友だち」の存在が、本人にとって大きな支えになっている、励ましになっている、自己評価を低下させないお守りになっている、といえます。

教師の役割は、いろんな課題を抱えながらも頑張っている一人ひとりの子どもを孤立させるのではなく、互いに認め合えるような学級集団作りをていねいに進めていくことであると思います。
そして、その中ではぐくまれた「友だち」関係を大切にすることを応援してあげることだと思います。

低学年の時に投薬を受けていた男の子が、パニックになって運動場の隅に「固まって」いる下級生の男の子のそばについてあげて、優しい声かけをしてくれているシーンに出会いました。
彼はきっと誰よりも、その子の気持によりそってあげることができていたのだと思います。

「特性」とよばれていたものを「性格」とよばれる範疇にやわらげてくれるのは、「友だち」と「自己有用感」ではないだろうかと思っています。


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「クレーン」について

自閉症児が何かを要求するときに、「他の人の手を取り、これを操作し、欲しいものをとらせる。」ことを「クレーン現象」と呼んでいます。
このような行動が、なぜ起こるのかについては様々な説がありますが、私は三項関係の成立の難しさが原因であると考えています。他者は認識できていても、他者の目線を読み取れない。つまり、指差しをすることによって相手の注目を対象物に向けることができると認知できない。このため、要求を伝達するために直接相手の手を操作するクレーンを行っていると考えています。

自閉症児の成長記録で「クレーン⇒指差し⇒発語」の順で要求手段が変わっていったことが紹介されているものがありました。このことからもクレーンから次の手段に移行させることは大変重要な取り組みであることが分かります。

特別支援学級で自閉症のお子さんを担任されている知り合いの先生から以下のような実践をお聞きしました。(私はとても素晴らしい取り組みだと思いました。)

意思を伝える手段として、活動の写真カードを子どもの前に提示して、どちらがしたいかを選ばせるように働きかけた。この取り組みで「自ら選ぶ」ということの意味を理解することができ、やりたくないものが目の前にあっても混乱せずに、自分が選んだ活動をスムーズに行うことができるようになった。
またその後、徐々に離れているものを指差して要求することもできるようになってきた。このことにより、自分の意思を伝えやすくなったためか、担任に対するクレーンが減ってきた。しかし、その子どもにあまり接していない教師に対しては、まだ直接クレーンで要求することがある。とのことでした。

より適切な要求手段を獲得することでクレーンが消失し、指差しができるようになったことは、明らかに指導の成果であるといえます。
また、本人とのラポート(親近感・親密感)の程度によって要求手段が異なってくるということも、今後の指導の在り方に大変示唆を与えていると思います。

日々の指導の中で子ども自身の「要求」をよりスムーズに表出できるように働きかけることこそ、大切にするべきだと思います。
そして、その表出をさまざまな場面で般化させることができれば、子どもにとってより豊かな毎日の生活を保障することができたといえるのだと思います。

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教師のパフォーマンス

パフォーマンス:大辞泉では
1 演劇・音楽・舞踊などを上演すること。また、その芸・演技。
2 身体を媒介とした芸術表現。演劇などのほか、特に現代美術での表現をさしていう。
3 人目を引くためにする行為。
4 性能。機能。また、効率。
とあります。

ある研究発表会で講師が「教師のパフォーマンス」が大切というような話をされました。
私はこの「パフォーマンス」を4番目の意味で使うことが多くあります。
自分のためではなく、子どもたちのための「教師のパフォーマンス」を高めるためにはどうしたらよいのでしょう?

「子どもとのやり取りが上手な教師」「子どもを見るまなざしがあたたかい教師」 「子どもが安心して自然と心を開いていく教師」は年齢・経験に関わらずいるものです。学校訪問していると、1年目の非常勤講師の先生でも本当に感心するほど素晴らしい先生に出会うことがあります。(もちろんその逆もあるのですが・・・)

「うまくやっていける教師とそうでない教師の違いはどこにあると思いますか?」
と最近いろんな人に聞いています。

「なんだろう、『なにくそ』って思える人かな」と、とてもしなやかな感性をもった先生が答えてくれます。
「それは、どう生きてきたかやね」と、大ベテランの先生が教えてくれます。
「まずは人の話が聞けることかな」と、指導教官をしていた先生が話してくれます。

先ほどの講師の先生は
「シングルフォーカスにならないこと」と「自分の笑顔を鏡で見る」ことを強調していました。

うまくいかないときは自信がなくなったり、周りの目を意識して傷ついたりすることもあります。
そこから巻き返していくためには・・・

「まずは、とにかくやってみよう」という実行優先のポジティブさを教師が持つことが大切だと思っています。


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スタンスの違い

お子さんの状態がよくないので受診させたいと親ごさんは考えて見えるのに、青年期にさしかかったお子さんはなかなか病院に行くことに同意しません。
どうしたら良いだろうという相談がありました。
ともすると親が「こうあるべきだ」という価値観から、いろいろなことを押し付けてはいないか。本人に寄り添って本人のつらい気持ちを理解すること。できれば小さい時のことからのいろんな思いを聞いて受けとめてあげるのはどうだろう・・・その中から一緒に、こうしていこうという気持ちを育てられたらいいのではないか。
というようなお話をさせてもらいました。

もちろんこれだけでは十分ではないと思い。関連専門機関の合同会議でドクターをつかまえて、どのような働きかけが一番望ましいのかを聞いたところ。
「いやー、来てもらわないとねえ、それまでのことは・・・」
診療室の椅子に座らない人には関わらない。医療はそういうスタンスなんだと改めて思いました。

それにひきかえ、教育はとてもおせっかいです。「ああでもない、こうでもない。」とお子さんにも、親ごさんにも、家庭も地域も巻き込むことがあります。

どちらがいいとは決められませんが、「見たて」だけは誤りたくないものです。

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アサーション・トレーニング

学校現場では今、流行の兆しがある「指導」方法です。
通常学級の道徳や人権教育などでよく取り入れられるようになっていますが、指導者側が「アサーティブなコミュニケーション」をどうも勘違いしているようにも見受けられます。「相手を傷つけない言い方」はどのようなものだろうということをメインに「指導」していることが多くあるようです。

本来、「アサーション・トレーニン」は「自己主張トレーニング」と訳されるべきです。
最も大切なことは、まず自分が伝えたいことをはっきりさせるということです。
そして次に、わかりやすく表現すること。相手にきちんと伝わったと思うまで、おだやかに繰り返すことなどがトレーニングの第一段階です。
話す相手が反論なり見解を述べてきたときは、相づちなどをうって相手の考えが伝わっていることを示します。どちらが正しいかに重きを置くのではなく互いの思いを受け止め合うコミュニケーションを大切にします。

まとめると、攻撃的な自己主張ではなく、適切な自己主張を学ぶためのトレーニングといえます。
もちろんこれは、SSTとして有効な方法であると思います。

最後に「自分自身の考えを大切にする。」「そして、それは尊重されるべきものである。」「自分は尊重される価値をもった人間である。」などという自尊感情がベースになければならないということも付け加えておきます。

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「図と地」通常学級編

通常学級での「図と地」についての簡単な考察です。

前を向いていても、黒板に書かれている注目すべき部分を見ている子は多くはないと感じています。
ぼんやりとしている子は教師の声も板書の文字も「地」になっています。
じっとしていられない子は、他の興味がある物を見たり、近くの子どもにちょっかいを出したりしています。これらが「図」になってクローズアップしています。

極力、教室の黒板周りや前面をシンプルなものにして、テレビや棚、予定黒板などをカーテンで隠すなどの環境整備を行っている担任の先生も見えますが、まだ多くはありません。
逆に黒板の中に学級通信や掃除の登板表、子どもの名札磁石などをたくさん貼ったりして、肝心の板書がとても見にくい教室を見かけることが結構あります。

また、大きな声でずっと話し続ける教師の声は、子どもたちが能動的に「聞く」という機会を奪うばかりか、学ぶべき内容さえも伝わらないことがあります。私語が多いのもこのようなクラスです。
穏やかに小さな声で語りかける教師の話を静かに聞いている子どもたちの眼は輝いていることが多いです。

言葉による指示だけでなく、それをわかりやすく板書したり図示したりする。
集中できない子、姿勢が崩れる子、じっとできない子などには「~しなさい。」と注意するより、「○○さん~してるよ。」というコメントをして自分が無意識のうちにしていることを自覚させるようにする。

もちろんこのような配慮も大切ですが、授業内容自体が子どもの「学び」をしっかりと保障しているものであることがバックグラウンドになければいけないと思います。
そして、もしかすると一番大切なことは、教師が一人ひとりの子どもの特性にしっかりと焦点をあてる。
つまり「図」としてとらえることかもしれません・・・


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