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「どうぞ・ください・すわる」

私自身、自閉症スペクトラム児の言語発達について詳しいわけではありませんが、発語による意思表示が特徴的なことが多いように感じています。(もちろん、これは一般論ではなく個々のケースによっても違いがあると思います。)
以前の「翻訳機はない」の記事では言葉の中にさまざまな意味があり、使われる文脈によって解釈も変わることを書きました。
今回も言葉についてです。
してほしい事全般で「して」、背中を見せて「かけ」、ほしいものを指差して「ちょうだい」、給食で「おかわり」などは機能的でしかも使いやすいフレーズです。
このような要求語をいくつか獲得しているお子さんが、
「どうぞくださいすわる」と早口で一気に支援者に話してきた事がありました。この外国語の直訳風文章。はじめは「すわる」という「命令」ではなく「すわってください」という「お願い」を含めた意思表示なのかもしれないと考えたのです。
しかし、よく考えてみると、「どうぞ」はpleaseの意味ではなく、いつも支援者が子どもさんに「~していいよ。どうぞ」と言って許可を与えていることから、「していいよ」という意味が含まれているのではないかと考えました。
つまり、そこに立っていないで「すわっていいよ」という「許可」の意思表示だったのかもしれないと考えました。(どちらにしても支援者は、せっかくお子さんが発語でのコミュニケーションを取ろうとしたのだからと思い「座る」行動を行うことになるのですが・・・)
これは、いくつかの言葉を組み合わせての発語が可能になってきたということが分かります。
2語文・3語文を獲得させるためにどんな支援が必要なのかをしっかりと探っていきたいと考えています。

また、文法的な問題として、助詞が抜けやすい、語順に誤りがあることなども指摘されています。
以前、語順や助詞をきちんと理解させてから2語文・3語文の指導をしようとした時に、大変お子さんが混乱したことがありました。もともと音声言語が苦手なお子さんに対して、何種類もある助詞を使わそうとしてもう一段ハードルを高くしたことになったのだと反省しました。マカトンをはじめとするハンドサインや絵カードでのコミュニケーション(PECS)などでは、助詞は省略されています。「理解しやすい・表現しやすい」をモットーにした支援内容を作り出していきたいと考えています。


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