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2009年8月

「やりとり」の学習

学会に参加すると普段は簡単に手に入らないような書籍が買えます。
「自閉症課題百選」 東京IEP研究会(財団法人明治安田こころの健康財団 1500円)もその一冊です。

この本は自閉症の「三つ組」の改善に向けた課題をきちんと機能別に紹介しています。
単に認知課題を行わせるというありがちな支援を、認知課題を活用した「やりとり」の学習として捉えなおすことで、自閉症の中核的な「障害」に対するアプローチにしています。

人と共同で行う活動を嫌がるお子さんには、
「レゴを見本を見ながら積んでいく課題を、支援者と1個ずつ交代で積んでいく。」
イマジネーション共有の機会を作るために、
「相手の行動を見て手順書を作り、実行する。」
など、これまでの課題を紹介する書籍とは根本的に違ったアプローチを行っています。

取り組みはとても簡単で、しかも支援者に特別なスキルを必要としないものになっています。
お子さんの特徴に合わせて対応できるものなので、2学期から早速取り入れたいと考えています。

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自閉症スペクトラム学会にて

8月29・30日の2日間 福井県立大学で行われた「日本自閉症スペクトラム学会第9回研究大会」に参加しました。

神尾陽子さん(国立精神・神経センター)の大会記念講演から、学会企画シンポジュウム、自主シンポジュウム、ポスター発表まで大変内容の深いものが多くありました。
私自身は2年ぶりの大会参加でしたが、支援学級の担任としてより具体的な観点で学べたと思います。またフロアからの質疑にもできるだけ参加しました。
この学会で知り合った秋田県の ふさ子・ボーンさん(人間行動学)にも再会できました。また、在宅支援としての自宅の構造化を発表された、中谷正恵さんからも貴重なアドバイスをいただきました。

最新の自閉症研究や脳科学からLD児への学習指導、通常学級での特別支援まで、このブログで記事にしたいことは山ほどあるのですが・・・
2学期からの取り組みの準備の方が優先です!

「知は力」
そして、知ることによって「勇気」も もらってきました。


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子どもにとっての「社会性」

「社会性」を身につけるために、といういい方はよく教育現場で聴かれます。
そのために交流学級に行かせることが必要だという人もいます。極端な場合は支援学級での指導・支援は行わず交流学級でずっと過ごさせるということもあるようです。また、その逆でまったく交流を行わないこともあるようです。(「交流および共同学習」については地域によってずいぶん違うようです。)

いずれにしても、「社会性」が具体的にはどのようなものなのかを分析する必要があると思います。
なんとなく「このようなもの」ではなく、どの程度身についているのかがきちんと評価できるようにしておくべきだと思います。


このようなサイトが参考になるかもしれません。
「社会性の発達について」


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自立課題の作成

地元の特別支援学校の開催する「自立課題作り」の研修会に支援学級のスタッフ3人で参加しました。
支援学校の先生のお話の中で使われたDVDは朝日新聞厚生文化事業団制作の『わかる・できる!親と教師のための自閉症の子どもの自立課題』でした。(このDVDにはメジホフ教授のお話もあります。)
お話の後は、それぞれの担当するお子さんに応じた「自立課題」を1時間程度で作るワークショップです。
事前に100円ショップで購入したり、校内で集めていただいた役立ちそうな材料がいっぱいありました。
・パッケージングとして使える「コスメセット」
・プットイン用のふた付き容器
・組み立てに使うためのボルトやナット
・事務作業練習の封筒
・マッチング用の画像プリント・・・

私たちが作業している間に講師の先生やお手伝いの先生方は「○○さんにはこれをこうして~」と具体的な話をされています。
具体的に子どもの様子を知っている支援者同士が知恵を出し合いながら教材を作ることはとてもいいことだなあと思いました。それに、なにより楽しいです。
私はボルトやナット、ワッシャーをつかった分類や組み立ての教材を作りました。
相坦さんはカラーマッチングのプットインなど
支援員さんはボードを上手に切ってステゴザウルスの組み立ての教材です。これは恐竜の好きな高機能のお子さん向けです。

他の参加者の作られた自立課題もとても参考になるものがたくさんありました。これからの教材つくりにとても役立つ研修でした。
夏休みはこうしたことがゆっくりできますが、2学期が始めるとなかなか時間が取れません。「一週間に1回ぐらいこうゆう時間があるといいねえ」と話しながら帰ってきました。


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就学までに・・・

保・幼の特別支援保育の研修会に参加しました。
レポート発表の後、支援内容や保護者支援のありかたについての話し合いが行われました。
年長児を担当されている先生方が一番気になっていることは、「就学までにどのような力を付けていくべきか」ということでした。
私は、「小学校に向けてどのような力を付けるかという観点ではなく、その子の発達段階に応じた活動を豊かに行うことが就学までに必要だと思う。」というようなお話をさせていただきました。
「ここまでできていないといけない」というようなボーダーラインを作ることは、お子さんにとっても、支援者にとってもしんどいことですし、本来の育ちを保障するものではないと思います。

また、支援の工夫についても話がされました。どの園でもとてもていねいな声かけや配慮がされていることは分かりましたが、まだまだ「声かけ」が中心のようでした。そこで視覚による支援の方法についても紹介させていただきました。

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「教師冥利」

教師という職業は「ありがたいなあ」と思うことがある仕事です。

お盆休み家でゆっくりしていたら、来訪者。
「覚えていますか?」といわれて即答はできませんでした。
22年ぶりの再会。
奥さんとかわいらしい3人のお嬢さんも一緒でした。
小学校の5年生で担任して、次の年に急に家の事情で転校していったYくん。

「このあたりだと思って探してきました。」
彼は22年前の私との会話を覚えていたとのことです。

そのころの家庭での様子やその後の様子を初めて聞かせてもらいました。
とても、しんどい思いをしていたようです。
でも、今の幸せそうな様子がなによりです。

彼の国語の「大造じいさんとガン」書き込みノートは、私が預かりそれ以降の子どもたちに参考として見てもらっていました。
やっと、持ち主の手に戻りました。
その時と同じ年の娘さんも「すごいなあ」といってノートをうれしそうに見ていました。

「またこっちに来ることがあったらおいでよ!」
と、いちばん下の娘さんに「じいじ」のように話していました。


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保育園・幼稚園特別支援研修会

17日に開催される「保育園・幼稚園特別支援研修会」
業務の関係で研修会の分科会の助言者になっています。昨年度は自閉症の分科会でしたが、今年は知的障害の分科会に参加してきます。
就学相談で保育の現場にもたくさんおじゃましていますが、感心することがたくさんあります。
活動の場の設定はもちろんのこと、先生方の関わり方や声かけもたいへん目的意識的に行われていると感じました。
個別支援を前提とした「特別支援」ではない支援保育の在り方を参加された先生方と考えていけたらと、準備をしています。


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100円ショップで教材作り

100円ショップに、フランクリンモーターの材料(これは息子の自由研究用)買いに行ったついでに、自立教材の材料などもいくつか買ってきました。
先日「相棒」が研修で「200円&10分以内でできる教材」のよさを学んできたそうです。それを教えてくれたので、気楽に作ってみることにしました。


1
まずは、マジックハンド。これは、感覚運動用です。
平均台やスクーターボードなどにのりながら物をこれで取るなんてのはどうでしょう。


Photo

つぎは、レゴ(もどき)。設計図を見て作ります。教材でもあり、遊びでもあります。


3
これは「デルタックス」という知育玩具。レンチやドライバーもついています。部品がかなり小さいので器用な子向きです。


みんな100円!部品を分ける容れ物としてフタ付きのプラスチックカップも買いました。もちろん入れ物の皿も100円です。


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「うぬぼれる脳」鏡の中の顔と自己意識

「うぬぼれる脳」鏡の中の顔と自己意識  
ジュリアン・ポール・キーナン著 NHKBOOKS 1260円

脳科学は今一番ホットな学問かもしれません。
本書はチンパンジーが鏡の中の自己を意識するという実験の結果からスタートし、
自己認知の発達過程や「心の理論」に話題を展開していきます。
セルフ・アウェアネス(自己への気づき)と脳の機能の関係や人の意識や感情についてまで脳科学としてのアプローチを行っています。(自閉症やアスペルガー症候群についても少し言及していますが、残念ながら本格的なものではありません。 )

最近の発達心理学が脳科学の成果を参考にしたものになりつつあることは歓迎すべきことなのでしょう。


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発達における「主体性」

「自らの働きかけで周りが反応する」ことを自閉症スペクトラムのお子さんたちに経験させることは大変重要なことであると考えています。
自分勝手に好きなことをし続けている限り、今以上のコミュニケーションが獲得されていくことはあまり望めません。

なんらかの方法で支援者に「働きかける」ことで支援者が反応することを通して、「やりとり」の実行感を得ることができます。この積み重ねがコミュニケーションへと繋がっていくのだと思います。
その方法は、PECSでも写真でもカードでもVOCAでもハンドサインでもクレーンでも、もちろん音声でもどんな形でもいいと思います。

まずは支援者がそのやり取りを楽しみ、要求はできるだけかなえてあげることからはじめてはいかがでしょうか。

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「非定型発達」という概念について

 ここ数年、自閉症スペクトラムに関わる研究者のほとんどが「非定型発達」という概念を何の疑問もなく使っていますし、自閉症スペクトラムを説明する時も、まずこの言葉を使うことが多いようです。

 これは「哲学」の問題かもしれませんが、私はこの「非定型」という言葉自体に少なからず違和感を感じていました。また、日本で第一人者と呼ばれている教授も、あるセミナーで「歪んだ発達」というような表現をされており、その言葉がひっかかり素直に拝聴できなかったことがあります。
 私の発達心理学との出会いは「発達保障理論」です。そこでは「どのような障害があっても発達の道筋はすべて同じである。」でした。また、昨日の公開シンポジュウムで「精神医療の現場から」として話された高橋先生(豊田市こども発達センターDr)は定型VS非定形という捉え方をするのではなく「発達マイノリティー」として捉えるべきだと話されていました。
 真の「共生・共存」を目指した療育の方向性は「マイナスからのスタート」であってはいけないと思います。言語理解1歳のレベルを獲得することによって当事者の生活自体が落ち着いてくることを考えれば、「プラス」を積み重ねることと、認知特性を理解しながら、ていねいなコミュニケーション獲得の取り組みをすることは不可欠であると思います。
 「こころね」が変わらないのと同じように情動のシステムや発達の道筋も同じであるという認識からスタートする。このような理解のスタンスがあってもいいのではないかと考えています。

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全国大会2日目


2日目は、
午前中は現場支援に関わる実践研究発表でした。特に滋賀県の心の教育センターの堀居先生の発表が参考になりました。
ここで紹介された、「巡回訪問における観察記録シート」は完成度の高いもので、2学期からの学校訪問にとても役立つと思いました。また、WISCの説明用シートも視覚的にお子さんの特徴がよくわかるものなので大変参考になりました。
午後は、実践交流会「特別支援教育」分科会です。6名ずつのグループに分かれて話し合いました。東京の橋場隆先生や愛知菜の花教室の河野功一先生(資格取得の時にもお世話になった先生です)など「臨床発達心理士」として活動されて見える方とも直接お話しができて光栄でした。
最後は、公開シンポジュウムでした。ドクター2人と小学校校長の3人のパネリストのお話でした。

「発達臨床:発達の現場」で働く心理士としての役割は、まだまだ明確にはなっていません。だからこそ「他でない私たち」を求めて毎日の実践を積み重ねていくしかないのかもしれないと思いました。


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全国大会1日目

日本臨床発達心理士会 全国大会 1日目

初めての参加です。
学会ごとに大会の雰囲気は違うものですが、
研究者・教育者・行政関係者がバランスよく参加し、
発表していたていたような印象を受けました。

実践研究発表・基調講演・シンポジュウムのそれぞれに、大変興味深い内容がありました。
個人的な研究テーマとしてもいくつかのヒントが見つかりました。

それらのキーワード

「他でない私たち」:臨床発達心理士の役割
マルチライセンスであるからこそ
最新の発達心理学
SCERTSモデル
情動の役割
障害スペクトラム概念
支援のユニバーサルデザイン化(これはTOMさんの発表です)
学級の「許容度」の向上
災害・社会的トラブル対応・・・

いくつかは今後の記事にしていく予定です。

あしたもがんばろっと!

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「楽しい感覚・運動あそび」

「発達障がいの子どものための 楽しい感覚・運動あそび」 森田保徳編著  明治図書 2060円

本書の第一章で、
「指導をするにあたっては、なぜその遊びをするのか。子どもの問題とどのように関係しているのか。を説明できるようにしてください。」という作業療法のスペシャリスト岩崎清隆氏の言葉を引用しています。

具体的な感覚・運動遊びが 
スクーターボードで14
タイヤブランコ、ボールプール、平均台、マットなどよく支援学級にあるもので29
身近な素材(スリッパ・なわ・風船など)で13
小集団の遊びで23
運動協調遊びで7
スポーツへの導入として6     紹介されています。

そして、それぞれの遊びを
揺れ・スピード/感覚/姿勢・バランス/力の調整/左右の協調
身体イメージ/空間近く/運動企画力/視覚・聴覚/人との協調
という10の領域で分かりやすく表わしています。

そのまま活用しなかったとしても、これからの取り組みの参考になるヒントもたくさんあります。
日頃から取り組んでいる遊びや運動も、こうやってきちんとその機能を明らかにしていくことは大切だと思いました。


  
 

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子どもの特性を知るアセスメントと指導・支援

「子どもの特性を知るアセスメントと指導・支援」  中尾繁樹著 明治図書 1800円

巡回相談も行っている大学の先生の著作です。

第2章「学校でよくみられる問題と背景」では、かなりこまかい背景要因が紹介されています。
第3章「学校でできるアセスメント」では、インフォーマルなアセスメント(簡単にいえば観察)として姿勢・聴覚認知・視覚認知・コミュニケーション・身体イメージなどを紹介しています。また、ソフトサイン(神経学的なサイン)を観察やテストバッテリーに利用するということを紹介しています。
それ以降の章では、座席表を利用した児童の観察や担任の先生へのアドバイスなど具体的な事例も書かれています。
巡回相談等の業務をされている方には大変参考になるものですし、校内の特別教育支援体制を一段階レベルアップするためにももってこいの本だと思います。


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