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「非定型発達」という概念について

 ここ数年、自閉症スペクトラムに関わる研究者のほとんどが「非定型発達」という概念を何の疑問もなく使っていますし、自閉症スペクトラムを説明する時も、まずこの言葉を使うことが多いようです。

 これは「哲学」の問題かもしれませんが、私はこの「非定型」という言葉自体に少なからず違和感を感じていました。また、日本で第一人者と呼ばれている教授も、あるセミナーで「歪んだ発達」というような表現をされており、その言葉がひっかかり素直に拝聴できなかったことがあります。
 私の発達心理学との出会いは「発達保障理論」です。そこでは「どのような障害があっても発達の道筋はすべて同じである。」でした。また、昨日の公開シンポジュウムで「精神医療の現場から」として話された高橋先生(豊田市こども発達センターDr)は定型VS非定形という捉え方をするのではなく「発達マイノリティー」として捉えるべきだと話されていました。
 真の「共生・共存」を目指した療育の方向性は「マイナスからのスタート」であってはいけないと思います。言語理解1歳のレベルを獲得することによって当事者の生活自体が落ち着いてくることを考えれば、「プラス」を積み重ねることと、認知特性を理解しながら、ていねいなコミュニケーション獲得の取り組みをすることは不可欠であると思います。
 「こころね」が変わらないのと同じように情動のシステムや発達の道筋も同じであるという認識からスタートする。このような理解のスタンスがあってもいいのではないかと考えています。

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自閉症スペクトラム児の療育・教育」カテゴリの記事

コメント

いつもうまく言えない考えを、こちらのブログでは専門知識を加えてきれいにまとめていらっしゃるので、本当に勉強になります。

発達障害は障害じゃなくて少数派、という考えは全く同じです。定型のコミットが言葉以外の方法に大きく依存するのに対し、自閉圏は書かれたものや論理性に注目するという。どちらだって正しいのでは?とわが子を育てているとつくづく感じます。

今後も楽しみにしています。

投稿: discover-xxx | 2009年8月10日 (月) 23時46分

コメントありがとうございました。
「発達障害は障害じゃなくて少数派」そうですね。
「障害」という言葉はバリアとして存在する外的な要因と考えた方がいいかもしれませんね。(これは昨日の公開シンポでもうお一人のドクターも同じようなことを話されていました。)

これからもよろしくお願いしますね。

 

投稿: BOGEY | 2009年8月10日 (月) 23時57分

最近思ったことです。
注目すべきは発達障害という存在が決して「少数派」ではなくなってきているということに意味があるということです。少数であればそこに目や手が届きかねる傾向がありますが、そうでもない程いらっしゃることがわかってきた。
 それから、我々の中にそれぞれアンバランスがあることもわかってきた。定型、健常なんてモデルは実はないのではないか?アクシデントやトラブルのない発達なんてないのではないか?だから個人のエピソードや物語を大切にしようという動向もあります。
 みんなみんな発達障害の方が教えてくれたこと
なのだと思います。

投稿: Tom | 2009年8月11日 (火) 04時41分

TOMさんコメントありがとうございます。TOMさんのブログでの大会報告もとても参考になります。
これはWISC-Ⅲを実施していて感じることなのですが、下位検査や軍指数で凸凹があるのが当たり前だということです。つまりすべて平均値というのは理論上でしかありえないのではないかということです。
「しんどさ」を感じる「アンバランス」をどのように支援していくかがわたしたちの仕事ですね。

投稿: BOGEY | 2009年8月11日 (火) 07時48分

すいません、またです。
非定型、みんなとはちがうかもしれないけど
変わっていくよというニュアンスは障害より
悪くないと思っていました。
 でも、言われてみると「非」がよろしくな
いですね。
今日もとっても不器用な子にあいました。
でも凄い好きだなこの子と思いました。
あの子に「非」なんて部分はないです。
やっぱり。

投稿: Tom | 2009年8月11日 (火) 22時18分

なるほどですね!
私は今日「相棒」と話していて、「非定型」と「スペクトラム」は相反する概念だと気付いたのです。
自閉症スペクトラムという言葉を使いながら非定型を使うのであれば、「じゃあどっからが非定型だ」とツッコミを入れたくなります。
「自閉症文化」という概念も同じツッコミが必要かもしれません。
ちょっと今日は過激ですね・・・

投稿: BOGEY | 2009年8月11日 (火) 22時30分

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