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「診断名」について

先日紹介した田中康雄先生の著作「支援から共生の道へ」からの記事です。

田中先生は北海道大学大学院の教授で、児童精神科のドクターでもあります。
その田中先生がちゃんと「診断名」を告げたことがあるのは4例だけだそうです。

その理由を、
「発達障害と診断するということは、発達という前進していく予測不可能な部分をもつ変化を明確に予測するかのようなむずかしさがあります。」と述べさらに、
「だれにでもある特性の一部が、たまたま今生活しているうえで、強く表れているからといって、そこだけ切り取って伝えても、相手の本当の生きにくさにたどり着かないのではないだろうか」と述べています。

特別支援教育や臨床心理のプロといわれている人が、短時間の観察や面接だけでとても安易に「この子はAD/HDですね。」とか「アスペルガーの傾向があります。」などと、あたかも「確定診断」のように話す場面に何回も遭遇します。
そして、その一言が教育現場での子どもの評価に大きく影響していることも巡回訪問で感じることが少なからずあります。

私はそんなときに、
「あなたが読んだ発達障害関連の書籍にのっている『典型的な例』とその子の今の様子が似ていたからと言って、『診断名』をドクターでもないあなたが口にすることは適切ではない。」とストレートに話すこともあれば、「最近AD/HD単独で診断されたケースについては疑うべきだといわれています。」などと少し遠回しに話すこともあります。

田中先生は、
「そうした断定が、これからのかれらの人生を決めつけてしまう危険性をも秘めているように考える。」と締めくくっています。

「ぼくを診断名で呼ばないで・・・」
一人一人のお子さんの今の生きにくさを「診断名」で解決することはできないと思います。


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コメント

本当にそう思います。個々の個性…と言いながらも、診断名が一人歩きしてしまっていると思います。
私のような図太い親でも診断名に心惑わされてしまうのに、“普通”の親御さんだったらどうなるのか…。
ズバズバ申し訳ないですが、「先生」のお仕事をしている方、いた方って余計に色眼鏡で子供を見ているような気がします。勝手に診断名つけたりして。自分の子供だけは健常だわとでも思っているのでしょうか。それとも先生だった方は自分の育児に自信がないのでしょうか。
先生のお友達はちょっと付き合いづらくなってしまった私。

でも本当のプロの支援学級の先生は尊敬です。うちの子供と1日遊んだだけで何ヵ月もかけて病院通いした診断やテスト結果をその日に言い当てていましたのでね。

投稿: 苺 | 2009年11月23日 (月) 09時03分

苺さんコメントありがとうございます。

私も「診断名がひとり歩き」しないように、より具体的な支援の在り方をたくさんの先生方と考えていきたいと思っています。

投稿: BOGEY | 2009年11月23日 (月) 16時07分

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