作業療法士から学ぶこと
今年最後の出張は、巡回訪問担当者と通級指導担当者の研修会でした。
お子さんの様子をビデオで撮ったものを見ながら「感覚統合」についてお隣の県にある大きな療育・医療施設のOTを招いて事例検討を行うという内容でした。
私たちが日常的に見ているお子さんたちの行動も、講師のOTからみるとずいぶん違ったものに見えるようです。
「なんとなく困った行動だ。」と感じていた行動も、きちんとその機能を分析していきます。
「こだわり」が「物に対する」ものなのか「人に対する」ものなのか。
「定位」(自分はどこにいるのか、自分の身体はどこにあるのか)させるのための行動としてとらえる。
「あいまいなもの」をはっきりさせるために間接的操作を経験させる。
「パニック」は人間でおさめる。事前に関わり未然に防ぐ。
「自閉症」を「様子の障害」としてとらえる。
「視覚的刺激が強い自己刺激」にどう介入し、方向を変えていくか。
「感触の偏食」という偏食のパターンについて。
排泄のコントロールについて。
「行動」をなくすのか、なくさないのか、代わりに何をさせるのか。
カードやタイマーの「功罪」について。
詳しく書けば膨大な量になりそうです。
もっとも必要なことは、「ピンポイント支援」ということでした。
教育の現場ではあれもこれもと思うばかりで、きちんとしたターゲットを設定できずにいることが多いように思います。行動を観察して、それをカテゴリー化していくことでどんな支援が必要かが見えてくるということでした。また、なんのために「その活動」をさせているのかという根本も問い直されていると感じました。
OTといえば「感覚統合」オンリーという先入観があったのですが、きちんとした行動分析をしながら治療にきちんと取り組んでいる臨床家の助言は、これからの取り組みの方向性を示してくれたと思いました。
(特別に相棒も参加させてもらった研修会でした。彼女にも大きな宿題になったかもしれません。)
「運動が(運動として)必要なのはオリンピックの選手だけだ。」けだし名言です。
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