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発達障害としての自閉症

今日(1月6日)の新聞記事にPETの画像分析で、ある程度セロトニン仮説が検証されたということが載っていました。

概要は以下の通りです。(読売オンラインより)
自閉症患者の脳では、感情などに関係する神経がうまく働いていないことを、厚生労働省研究班(主任研究者=森則夫浜松医大教授)が明らかにした。
 脳内の特定のたんぱく質が健常な人に比べ3割程度少ないという。自閉症の新しい診断や治療法に結びつく成果で、米専門誌に5日掲載された。
 自閉症は脳内の神経伝達物質であるセロトニンとの関係を指摘する「セロトニン仮説」が有力視されてきたが、証明されていなかった。研究班は、18~26歳の自閉症患者20人の脳を陽電子放射断層撮影(PET)で計測。
 感情などをつかさどるセロトニン神経の表面にあり、セロトニンを回収する働きを持つたんぱく質が、脳全体で減っていることを初めて示した。また、脳の帯状回という部位でこのたんぱく質が少ないと「相手の気持ちが分からない」という症状が、視床という部位で少ないと「こだわり」の症状がそれぞれ強まることもわかった。

医療科学が進むことが、障害を根本的な部分からなくしていくことにつながることは明らかです。一日も早く適切な治療法がうまれることを願っています。
ただ、「相手の気持ちがわからない」や「こだわり」の原因を単にセロトニンを回収するたんぱく質の減少だけに求めることがかなり短絡的ではないかと感じています。
まず、自閉症を「3つ組の障害」だけでとらえていること自体がそれで充分なのかということです。自閉症スペクトラム学会でも最近のヨーロッパでの研究が取り上げられていました。そこでも「教科書的な”自閉症”」をもう一度検証し直す必要性があるということでした。
もうひとつは「発達障害としての自閉症」をとらえるということです。スタートがセロトニンに関わる障害であると仮定しても、それが周産期からの知的発達や認知発達にどのように影響しあっているのかを発達心理学と医療科学の両面から検証していかなければ、療育の新しい方向性を見出すことはできないといえます。
このことは、それぞれの発達段階にある「自閉症スペクトラム」児の療育がパッケージで対応できるものではなく「今ある姿」をスタート地点としなければいけないことと似ています。


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自閉症スペクトラム児の療育・教育」カテゴリの記事

コメント

 こんにちは。
器質的な問題を理解し、脳の機能不全としての発達障害について理解しておくこと。
実は、「おだやかな明日の保障」のためには重要なのではと感じています。
 彼らに対する理解は徐々にですが広がっており、診断名の独り歩きや説明概念だけで理解しようとすることはちょっとだけ減じてきているように感じています。支援のノウハウはたくさんたくさん提供されています。本屋に行けば類書は山のよう…
ただ、今度は「対処」がひとり歩きしています。
障害の抱える限界性や困難性はちゃんと見つめておいてあげたい。教えればできる、対処する方法を探せばできるものではない部分をちゃんとおさえていたいと思っています。
そのために脳の機能不全をしっかり知りたい。
そんなことを記事を拝見して確認しました。
ありがとうございます。

投稿: Tom | 2010年1月 9日 (土) 06時09分

Tomさん、こちらこそありがとうございます。
私の記事の「舌足らず」の部分をきちんと補っていただいてとてもうれしいです。

>障害の抱える限界性や困難性はちゃんと見つめておいてあげたい。教えればできる、対処する方法を探せばできるものではない部分をちゃんとおさえていたいと思っています。

「~ができる」が最優先される療育は子どもをしんどいところに追いやっているのかもしれませんものね。


投稿: BOGEY | 2010年1月 9日 (土) 20時56分

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