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診断名について

巡回訪問では繰り返し、「障害名・診断名に振り回されないように」と話してきました。
お子さんに何らかの特性を感じたら、とたんに「アスペルガー傾向がある」とか、確定診断がないのに「この子はAD/HDなので」という独断が行われていることに大きな危惧を感じていました。
これは特別支援教育のキャンペーンが「このような状態は○○という発達障害だ」からスタートしたことに起因しているといえるのですが、背後にあるのは「切断操作」という責任転嫁であると思っています。

今まで、いくつかの「診断名」には違和感を持っていましたが、一つの答えが出たようです。
障害名・診断名は世界標準としてWHOのICDとAPAのDSMがあります。そのDSMがⅣからⅤへの改訂作業が進んでいます。
そこでは「自閉性障害・小児期崩壊性障害・アスペルガー障害・特定不能の広汎性発達障害(PDDNOS)」を「自閉症スペクトラム障害」にまとめることが提案されています。
つまり、「アスペルガー障害」「PDDNOS」などの障害名が消えるということになります。これにともない広汎性発達障害(PDD)という障害名もなくなることになります。

これまでPDDとアスペルガー症候群の違いを判ったように解説していた書籍は姿を消すことになると思いますが、現場での対応に必要なことには本質的な変化はないと思っています。
教師も保護者も「障害名・診断名」にとらわれることなく「この子の今とこれから」をきちんと見据えられるいいチャンスにしてほしいと思いました。

またMR(精神遅滞)という用語はなくなりID(知的障害)という表記になります。

これは今回の改定には含まれていないようですが「AD/HD」単独の存在の可能性について臨床的にはっきりさせてほしいと思っています。


DSM-Ⅴの詳しくは
http://www.dsm5.org/Pages/Default.aspx
でどうぞ

日本語では
http://homepage3.nifty.com/afcp/B408387254/C819714657/E20100212224725/index.html
http://d.hatena.ne.jp/bem21st/20100215/p1
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/141224996.html#more
などを参考にしてください。


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コメント

自閉症傾向
広範性発達障害かも

このような診断を医師以外の福祉関係者が安易に行っている事に違和感を覚えます。
DSMを親に説明しろとまでは言いませんが、診断できるのは医師です。
児童相談員、心理士レベルで診断を行う事は法的にいかがなものでしょうか。

投稿: きになる | 2010年3月 4日 (木) 11時52分

コメントありがとうございます。
「~的傾向」や「~の疑い」という言葉をよく聞きます。私はその都度「それは確定診断ですか?」と必ず聞いています。ほとんどが「専門家」と呼ばれる職種の(医者ではない)人がそう言っていたからということでした。
断定した言い方ではないので「法的」には問題はないのでしょうが、現場での対応がそのことによって逆にマイナスになることもあると感じています。診断名で判断するのではなく、1人1人の子どもの特性をきちんと見て対応が行われることを願っています。

投稿: BOGEY | 2010年3月 4日 (木) 20時34分

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