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2010年3月

「共生教育」以前の問題

阿部利彦先生の著作です。

「発達が気になる子のサポート入門」 学研新書 780円
「クラスで気になる子のサッとツール&ふわっとサポート333」 ほんの森出版 1800円
「クラスで気になる子の支援 ズバッと解決ファイル」 金子書房 1700円

どれもハウツー満載の判りやすい著作です。でも、それだけでなく「やっと『特別』でない特別支援教育が日の目を見るようになったなあ」という感想を持ちました。
私が学校訪問等で言い続けてきたことやブログ仲間たちがコツコツと実践を積み重ねてきたことと同じことが、現場での実践のフィードバックという形で著作に反映されていました。
発達障害を持つ子、や困難を抱える子への支援だけでは問題は解決できないこと。その子を取り巻くクラス全体に対する支援や指導が大変重要であること。などがきちんと紹介されていました。

クラスには
① 問題行動を真似する子
② わざと刺激する子
③ 影でコントロールする子
④ トラブルを期待する子ども集団
がいる。(「サポート入門」P178より)

これらの子たちにもきちんとした対応が必要です。
このことは基本的なクラス作りの視点で行われるべきだと考えています。実際「学級崩壊」はこれらの子どもたちが原因になっていることが多いようです。

「共生教育」をテーマとした研修会でもお話をさせていただいたことがありますが、「障害や障害児を理解する」以前の課題として、「みんなが穏やかに暮らせる」クラス作りがあると思っています。どの子にとっても刺激の少ないやわらかい雰囲気のクラス作りを新学期からはじめて欲しいと願っています。



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「さよなら」の季節

勤務校での修了式と離任式がすみました

全校の子どもたちには
「鉄腕アトムになるのが夢だった」話をしました

教室でBさんは交流学級の友だちと楽しげにふざけています
いつもはすぐに「怒れて」きちゃうのに
今日はとても仲良くずーっとふざけています
このひとときを精一杯楽しんでいるかのようでした
昇降口での最後「さよなら」の時に
彼はずっと下を向いていました
でも、しっかりとした握手をしてくれました
彼なりの「思い」がきちんと伝わってきました

午後は卒業したAさんの引継ぎをしに支援学校に
主任の先生はとても優しそうな先生でした
放課後、引継ぎの報告がてらAさんのお家に
6日ぶりに会うAさんは
とてもうれしそうでした
うんとはしゃいでいました
私が帰ろうとすると
玄関まで来て自分の靴をはこうとしています
「一緒に教室に行っていつもの勉強しようよ」
なんていう声が聞こえてくるような表情でした

勤務校の先生方とも「相棒」とも支援員さん方とも
「さよなら」です

支援学級の子どもたちと
かかわってくれた方たちは
とてもすてきな方ばかりでした

言葉では言い尽くせない
「ありがとう」の思いをずっともちながら

新しいスタートを切りたいと思っています。

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ケース会議

訪問相談担当者と通級指導担当の合同の連絡会議の後に前回のケース検討会議のフォローアップを行いました。

多くの「専門家」を前にお子さんの最近の様子をビデオで紹介するのは今回も支援学級担任1年目の「相棒」です。
今回は就学前施設のOTさんが助言者でした。
12月の時点で課題であった「困った行動」は影をひそめ、こだわっていた行動もより適切な「遊び」の形に変わっていること、このことによって手の動きや体の姿勢に大きく成長している様子が見られるということでした。
毎日直接支援している私たちにとっては見過ごしてしまいがちなお子さんの動きや反応もきちんと見つけて指摘してもらいました。

お子さんの興味のあることをきちんと理解し、充分にそれをさせてあげたからこそ成長が見られたということだと思います。高学年になったらこのような変化を望むことは難しいのではないかという意見もありました。また、今後の課題についてもいくつかの意見をいただきました。

この一年間、迷いながらも子どもの「思い」を大切にしてきた支援の方向は間違っていなかったようです。


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「講座 子どもの心療科」

「講座 子どもの心療科」 杉山登志郎 編著 講談社1500円

発達障害だけでなく情緒障害についても臨床例を含めてわかりやすく書かれている書籍です。
執筆者は「あいち小児保健医療総合センター診療科」のドクターまたはOB・OGです。
子どもの発達に関わる仕事についている人はぜひ一読されることをお勧めします。
また、不登校や摂食障害等の小児心身症のお子さんをお持ちの保護者の方にもお勧めです。

詳しい内容やプレビューはこちらから



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卒業おめでとう


とてもうれしそうな声が聞こえています

大好きなブランコにもいっぱい乗りました


でもその姿は

涙でにじんではっきり見えませんでした

とめどなくなるほど泣いていました


充分なことができなくて「ゴメンね」

「がんばったね、ありがとうね」

今日で「さようなら」だよ・・・

校庭の片隅のブランコに

2人で「さようなら」をいいました


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「代替医療のトリック」

「代替医療のトリック」 サイモン・シン、エツァー・エルンスト著 
                             新潮社 2400円

この書籍は「代替医療」についての検証を丁寧に、できるだけ公平な立場で行おうとしています。このため「代替医療」を完全に否定するものでも肯定するものでもない立場のもと、この書籍自体をエビデンスベース(証拠・根拠にもとずいた)なものにしようとしています。

著者のサイモン・シンは「フェルマーの最終定理」という名作も書いています。
読み始めると興味深い話ばかりですぐに引き込まれていきました。
ジョージ・ワシントンはなぜ死んだか・・・
ナイチンゲールはいかにして兵士の死亡率を20分の1にしたか・・・
2章以降は「鍼の真実」「ホメオパシーの真実」「カイロプラクチックの真実」「ハーブ療法の真実」と続きます。それらの有効性(無効性)を多くの文献から明らかにしようとしています。

発達障害児の療育・医療の周辺にもエビデンスベースではないものが見受けられます。
自分自身の考え方をエビデンスベースにするためには一読の価値があるかもしれません。


詳しいレビューはそらパパさんのブログでどうぞ→ここ


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「振り返り」

学期末にいつも支援員さんや交流学級の担任の先生に子ども一人ひとりの「振り返り」を書いていただいています。
Bさんは不安や緊張が強いお子さんでなかなか集団参加が難しいことがありました。
自分で「いかなきゃ」と思っているのになかなかきっかけがつかめない、その迷いで身動きができないようにも見えました。

そのBさんの交流学級の担任のM先生がその「振り返り」に、
ある教科では「ごめんなさい、ほとんどいてもらえない教科でした。」
また、別の教科では「ごめんなさい、うまく活動にさそいきれませんでした。」
と書いてくださっていました。
(もちろん参加できた教科のことは詳しく書いてもらっています。)

今は通常学級の子どもたちの支援・指導だけでも大変な状況がどこでもあります。そんな中、支援学級の子も自分のクラスの子としてきちんと取り組んでくださっていました。だからこその「ごめんなさい」だなあと本当にありがたい気持ちで読ませてもらいました。

支援学級担任の私たちこそ充分な支援ができずに「ごめんなさい」とBさんやM先生にいわなければならないと思いました。

この「振り返り」をきちんと来年度の取り組みに生かすこと、とても大切です。

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「一期一会」

2年間の相談活動の最後の訪問を終わりました。

「来年もこの子たちをよろしく」との担任の先生の言葉に
ちょっと言葉をなくしてしまいました。

2時間目の算数の途中、計算ゲームを楽しそうにいている間に「さようなら」も言わずに勤務校に戻ったので、後で担任の先生は「あれ○○先生どこいったの?」とみんなにきかれて大変だったそうです。

とても人懐っこい明るいお子さんばかりでした。
休み時間にしたちょっとしたゲームと指遊びがとても気に入ってもらえたようでした。

このクラスにも「しんどい」お子さんがいます。
でも、その子にしっかりと寄り添ってくれている担任の先生がいることをうれしく思います。
年度末に、この子のためにと同学年や校内コーディネターの先生も集まってくれました。
子どもに自信をどのようにつけさせるか
どう次の学年に引き継いでいくか
保護者をどう励まし、支援するのか

とても温かい話し合いになりました。


「一期一会」

ずっと続かない関係だからこそ大切にしたいこと、
たくさんあるのですよね・・・

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行動が形成される過程

どのように行動が形成されるかは観察をすることで、その過程が明らかになります。

混乱、不安や不快から逃れるために、保護者や支援者が困るような行動をすることは「挑戦行動(Challenging behavior)」と呼ばれています。
その行動は周りの人を困らせたいためではなく、混乱、不安や不快から逃れる目的で行われるということをこと常に意識する必要があると思います。

たとえばの例です。

1 「あるところ」へ行くことが不快である。(以前は大丈夫であったが、最近その場での「刺激」が強い。)
2 「あるところ」に行くのが嫌になる。(当然!)
3 「あるところ」に行かずに別のところに立てこもる。(実はこのきっかけは支援者の日常の行動とリンクしていました。)
4 支援者は仕方なく「あるところ」に行かせることを断念する。
5 いつもそこに立てこもるようになる。

この過程はとても納得できます。
ここで行動を変容させるためには

A 無理やり「あるところへ」連れていく
B 「あるところ」へ行かせるのをやめる
C 立てこもれないようにする 
D 「あるところの」環境を変える
E その子の耐性(?)を強める
F その他

あなたの答えはどれですか?
実際に支援の現場でしようとしていることはどれでしょう?

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褒め言葉

あるお子さんの事例です。

重度の自閉症のAさんの発語はほとんどがエコラリアでした。
支援者の話しかけには同じ言葉を返しているのですが、ある種の言葉だけは「スルー」しているのに気が付きました。
その言葉が「褒め言葉」だったのです。
「すごいねえ。」「えらいねえ。」「できたねえ。」・・・
このような言葉のエコラリアはありませんでした。
つまり、このお子さんは「褒め言葉」を選択できており、さらにいえばその「意味」がわかっているのだと思いました。

子どもにとって身近な人の笑顔や褒め言葉はとても大きなご褒美(強化子)になると思います。

(エコラリアについては一概に「意味」がわからない時に発するというわけではなく、「確認」の意味で発する場合もあります。)

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強化子について

水族館への社会見学で偶然アシカのトレーニングを見る機会がありました。
みんなでアシカのショーを観た後、その場所で昼食をとりました。ショーが終わるとすぐに同じステージでアシカのトレーニングがはじまりました。先ほどのショーでは見られなかったより高度な芸の訓練がとても静かに進められていきました。
トレーナーは無表情に細かい指示を手の小さい動きで出します。アシカはその都度大きな動作で反応します。すかさずトレーナーは餌をあげています。トレーニング自体は少しの笑顔もほめる言葉がけもなく、冷たくて機械的な印象を受けるようなものでした。

トレーニングの様子を見ながらカレン・プライアの著作「うまくやるための強化の理論」と一昨年支援学校で行われた絵カードを使ったコミュニケーションの研修会のことを思い出しました。

カレン・プライアはイルカのトレーナーとしても、犬の訓練のための「クリッカー」の発案者としても、行動分析学者としても世界中で知られています。彼女の「叱ることや罰を使わない」方法は教育や療育の現場にも新しいアプローチの仕方を提示してくれたと考えています。

支援学校でのPE○S的な方法の研修会ではどんな内容のコミュニケーションでも強化子にお菓子を使っていました。食べ物を強化子として使うことには賛否両論ありますし、日本の療育とは馴染めないだろうと私自身は思っています。


行動を変容するための「強化子」として何が必要かをもう一度振り返ってみることは大切なことだと思います。
あなたの笑顔やちょっとした一言が最も適切な強化子であることが多いのではないでしょうか?


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