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「見える学力」と「見えない学力」

就学支援関係のケース会議で、あるお子さんのWISC-Ⅲの結果や学習状況の分析を行いました。
客観的な数値データと共に、国語のノートや算数プリントなどのコピーも資料として提出されました。
数値データは境界域を下回っているのですが、ノートやプリントは書字には課題があるものの、そこそこできているのです。一応、学年相当の漢字や計算ができているように見えるのです。

通常学級でこのお子さんの到達度よりも厳しい状況のお子さんは確かにいます。このことから安易に「まだ、(通常級で)大丈夫なのではないか。」と考えてしまいそうになります。
しかし、関連機関からの情報やWISC-Ⅲの「理解」「類似」などのスコアから、どうも学校でも家庭でも「漢字」「計算」などといった「見える学力」を重点的に指導した(=かなり強引に詰め込んだ)結果であるということが明らかになってきました。漢字は書けても意味理解が不十分。計算はできても定着や応用は不確実。このような状況であることが判ってきたのです。

WISCのスコアからは就学前までに獲得しておくべき「カテゴリー分類」や「語彙」が十分でないことがはっきりしていました。
本来なら、このあたりの「見えない学力(基礎的な力)」をしっかりと身に付けていくための支援が必要なのです。しかし、家庭でも学校でもどうしても「見える学力」偏重になりがちになります。その結果、学ぶ側も学ばせる側も大変なストレスを抱えることになっていたのです。

ケース会議の結果、今後の支援の方向性は明らかになりました。親ごさんとの連携を強めながらお子さんの「困り感」について理解していただくこと。基礎的な力を付けていくために個別の支援を行っていく必要性などが確認されました。

また、親ごさんや担任が陥りがちな「見える学力」偏重は通常学級に限ったことではありません。支援学級での支援でも同様のことが少なからずあることを反省しなければいけないと思いました。


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