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2012年10月

取り出しによる個別の支援について

LDやMDが疑われたり、学習面での課題が大きいお子さんを対象にした、校内での「取り出し授業」(1人または少人数の個別授業)は効果的であると考えています。このため、巡回訪問でも「取り出し授業」を勧めることがあります。

私の所属する自治体にはLD児対象の通級教室はまだありません。そのため、校内での支援体制をより多様なものにしていく必要があると考えています。

校内で「取り出し授業」をどのように行っていくのかは試行錯誤の段階ですが。

以下のような取り組みが必要だと考えています。

・書字に課題のあるお子さんは、書きとりのトレーニングの前に、線なぞり、点つなぎ、図形の模倣などの基本的な練習が必要です。つまずいている原因が図形認識の弱さであったり手指の巧緻性の不十分さだったりすることがよくあるからです。ビジュアルトレーニングが必要なお子さんもたくさんいるようです。

・計算が苦手なお子さんにも、同学年や下学年の教材を反復練習する前に、10までの数・10の補数・10進法などの基本的な事項の定着を図ることが大切です。「百二十八」を「100208」と書いている子は案外多いのです。

つまずいている部分をきちんと見極めて、その部分からていねいに指導していくことがそれ以降の学力の定着に大きく影響するといえます。

・音読を大切にすること。国語だけでなくどの教科でも必要な力です。かんたんな絵本や短い文章から読むことに慣れさせることが大切です。書くことよりも読むことを優先させてもいいと思います。

・また、「取り出し授業」の目的やゴールをはっきりさせて、期間を定めて計画的に行うことが必要だといえます。

そして、なによりも大切にしてほしいのは、子どもたちに「勉強してよかった、わかった、できた」という達成感や自信を身につけさせてあげることだと思います。子どもたちにとって一番うれしいのは「できたね」「がんばったね」「いいよ」という声かけなのだと思います。

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「支援体制」について

行政の関係機関が勢揃いの会議で、

「本市の今後の支援体制について」なんていう大きなテーマでのディスカッションがありました。「早期からの途切れのない支援」をどう構築するかは、かなり成功している自治体なので、話題は参加者のそれぞれの持ち場からの問題提起になります。

年々増加する就学相談や支援学級籍児童数、転籍をどのようにとらえるのか。

保護者支援のあり方について。

病院・保健所・児童相談所・家庭児童相談室・発達支援室・支援課などの連携について。

学校システムやカリキュラムへの提言。

私は、学校現場にいるものとして、通常学級や支援学級で行っている「支援」の質的な向上を図るための取り組みの必要性を話しました。

関連機関と連携しながらも、学級担任の日々の取り組みが最も効果的で効率的であると考えているからです。「まるなげ」する担任は減ってきたものの、もっと教師が「支援力」を向上させなければいけないと感じることも多いからです。

また、子ども支援は保護者支援とセットでなければ意味がないし、移行支援についてはまず保護者の「思いや願い」を最優先したものであるべきと話しました。(トレーニングすべきは「ティーチャー」であって「ペアレント」ではないと皮肉めいたことも言っちゃいました。)

それぞれの参加者の意見をどのように支援システムに生かしていくのかは、これからの課題です。具体的な施策として予算をきちんと付けてスピーディーに対応していって欲しいと思いました。

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DSMの功罪

読売新聞の医療サイトに「DSM」の功罪という記事がありました。

DSMⅣが出されてから、

・注意欠陥障害  3倍
・自閉症 20倍
・小児双極性障害 20倍

になったとのことです。診断基準の記述の変更で「まるで新たな感染症が爆発的に流行したかのような激増ぶり」になるのは何故なのか、という問題提起の記事です。

AD/HDや双極性障害に関しては、製薬会社の動向も関係しているとのこと・・・

記事はこちらから読めます。






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「Aさんの4年間」

緊急の訪問要請で4年前にであったAさん

最初に出会った時は「最も困難なケース」の子でした。

自分勝手な言動だけでなく、他傷行為や危険行為が頻繁にあったお子さんです。
家庭環境も複雑で、しっかりとした校内体制を組んで取り組む必要がありました。

はじめの1年間は担任を支えることで精一杯でしたが、2年目からはクラス作りや本人へのアプローチも軌道に乗せることができました。
担任や周りの子がAさんの素敵なところを認めてくれるようになると、生き生きと活躍できる場が増えてきました。
時々失敗をすることがあっても、あたたかく見守ってくれる環境がさらに自信を付けさせてくれたのだと思います。

半年ぶりに訪問したAさんの学校の中央昇降口には、
児童会役員選挙に当選したAさんの名前が大きく貼りだされていました。
Aさんに「おめでとう」と言うと、とてもうれしそうな笑顔を見せてくれました。
Aさんとの出会いは、この学校のスタッフにとっても大変貴重な経験になったといえます。支援を引継ぎ、さらに確かなものにしていくことで、こんなにも晴れやかで素敵な「笑顔」に出会えたのですから。

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先生、親の目線でお願いします!

知的障害のお子さんを持つお母さんが書かれた本です。
帯には、「保護者に信頼されるための必読書!これを読まないで特別支援教育ができますか?」と書かれています。
内容は、今の特別支援教育に対する保護者からの正直な思いがたくさん詰まっています。
・子どもの「できないこと」ばかりを連絡帳にあげつらねる教師。
・人権感覚を疑われるような指導を行っている教師。
・電話の応対もろくにできない教師。
・子どもの社会参加を支援しない学校。
これを「教師批判・学校批判」と片づけてしまう人に教育を語る資格はないと思います。ただ、どれだけの教師がこの本を手にするのだろうか・・・とも思ってしまうのです。
もっと謙虚な姿勢を持つことが教師に必要だと思うのです。
保護者と支援者が力を合わせて、子どもを見守り育てていく信頼関係を作り上げていくことがもっと大切な支援なのだと改めて思わされるのでした。
そのスタートは教師が切るべきだとも思うのです。

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電話対応

仕事が一段落した
午後5時からの
電話対応ラッシュ
日本語・翻訳対応
移行支援×2
関連機関への連絡
保護者支援
雑務×2
一番ハードだったのは雑務の2軒
業種が違う所との交渉ごとは
神経を使います
とりあえず
全て
前向きに
終了ということで・・・
無事に週末が迎えられます♪

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買い物学習1 簡単な買い物ごっこ

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生活単元の時間に「簡単な買い物ごっこ」をしました。

手持ちのお金は10円玉で100円。

30円のラムネ菓子

50円のトランプ

70円のちっちゃい絵本

お店やさんとお客さんを交代しながら、買い物をしました。

お店やさん役の子からは、自然と「ありがとうございました」の元気な声が聞こえてきます。

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 10円玉を一枚一枚ていねいに数える熱心な姿がたくさんみられました。

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「至高体験」

これまで、マズローやコリン・ウィルソンらのいう「至高体験」は、私にとっては「心理学」の中でも最も遠い位置にあるものでした。

「トランスパーソナル心理学」を、ユングのように「オカルト」だとは思いませんが、エビデンスがないということで同系列に位置されていることが多いのも事実です。
人生の意味を教えてくれる「至高体験」も、その背景に必ず存在する「死」についても、もう一度きちんと、捉えなおしていきたいと思いました。
QOLを考えるときにもこの視点はとても大切だと思うのです。
私たちにとっても、子どもたちにとっても、本当に意味のある「体験」を教育の現場でも追及していきたいと思うのでした。

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「安全ピンをはずす・はめる」

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自分の名札を苦も無く、はめたり外したりすることができる子もいますが、細かい力加減が難しい子もたくさんいます。

最初から小さいピンではなく、さまざまな大きさの安全ピンを用意することで、難易度を下げて取り組みやすくしています。

また、バックワードチェイニング(動作の最後の部分からスモールステップで取り組んでいくこと)はとても有効でした。

具体的には、以下のような逆の順序です。

止めが外れているピンを服から抜くことができる→止めを外すことができる⇒止めをとめることができる→針を服にさすことができる→止めを外すことができる

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「ホッチキスを使う」

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試してみないと、わからないことがたくさんあります。
ハサミは日常的に使うことが多いため、ほとんどの子が上手に使えるようになっていますが、ホッチキスは勝手が違うようでした。
Bさんはとても上手にホッチキス本体の先の方を親指と人差し指で挿んで紙をとめることができました。
紙の枚数を16枚まで増やしてみても、左の親指と人差し指をそれぞれ重ねて、しっかりと力を込めて綴じることができました。

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Cさんはホッチキス自体を閉じることができずに2枚の紙でも最初はこんな感じでした。
こんな時は「半分の力で綴じられる」ユニバーサルデザインのステープラー(ラッチキス:コクヨ)の登場です。
使いやすい道具を使うというのも「生活スキル」の一つだと思っています。

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「自動販売機で品物を買う」

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支援学級での休み時間の一コマです。

子どもたちが、私の作った自動販売機のおもちゃで遊んでいます。

きちんとお金を入れると、ラムネ菓子が入っていた、ちっちゃな「缶ジュース」を取り出し口から友だちが出してくれます。

硬貨を片手で持って、それを片手だけで投入口に入れることは結構難しいようです。(写真のAさんは両手を使っていますね。)

調べてみると粗大運動が得意なお子さんでも、この片手投入は結構難しいようでした。また、片手だけで硬貨を何枚か拾い上げるという動作も同じように難しいようです。

手前にちょっと写っているのは電車の券売機のおもちゃです。(こちらは投入口が縦に空いています。)

単なる訓練だとちょっと「やだなあ」と感じることも、遊び感覚で楽しみながら取り組んでくれています。

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新カテゴリー:「生活スキル」学習

新カテゴリーを作りました。「生活スキル」学習という名前です。

今私たちの支援学級で取り組んでいることをまとめていきます。以前の記事で関連するものもこちらにまとめていく予定です。
また、今までのカテゴリーで記事数が少ないものは順次、他のカテゴリーに編入してより見やすいものにしていこうとも思っています。
これからも、よろしく!

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家庭・社会生活のためのABA指導プログラム

購入したのは1年以上前ですが、今私たちが支援学級で取り組んでいる「生活スキル」学習のベースになっているものです。

これはアメリカの家庭療育のベストセラーだそうです。

確かに、スキル獲得のためのスモールステップと理論がきちんと示されています。

取り組みで大切なことは、ここに書かれている内容をどのように1人1人の子ども用にカスタマイズするか、と言うことです。

チェックリストだけでなく教材・教具作りにも工夫がいりそうです。

教室で取り組めることもあれば、家庭で取り組んだ方が効率的な項目もあります、それぞれが協力し合いながら少しずつ取り組んでいきたいと考えています。

この書籍は2回目のレビューです。前回の記事はこちら

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現場の対応力

就学支援委員会の活動は大詰めを迎えています。

2次観察後の審議や追加のケースについての話し合いを行っています。
時間をいとわずに真摯にそれぞれのケースについてきちんと論議しています。

通常学級判定とした後も、どのようなリソースがその子にとって必要なのか、入学先の学校に配慮してほしいこと、取り組んでほしいこと、などより具体的なことについても明らかにしています。

もっとも大切なのは「現場の対応力」を向上させることです。
どんなに配慮が必要な子だったとしても、
「ようこそ○○小学校へ」と笑顔で迎えられる現場であってほしいと思うのです。





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プラセボ8:少量11:多量12

最近、コンサータからストラテラに投薬が変わったお子さんが増えています。
そこで、少し調べて見ました。

ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)について「お薬110」では、
”注意欠陥・多動性障害に有効です。詳しい作用機序はよく分かっていませんが、脳の神経で働いている神経伝達物質のノルアドレナリンの増加が、集中力や注意力を高めるなど諸症状の改善に関係していると考えられています。”
とあります。つまりコンサータ(メチルフェニデート徐放剤)と同様、どうして作用するのかは明らかにされていません。どちらも結果的にノルアドレナリンだけでなくドーパミンも増やすことでは似ています。

”脳の前頭前野の神経終末にあるノルアドレナリントランスポーターを選択的に阻害し、ノルアドレナリンあるいはドパミンの再取り込みを阻止することで、これらの神経伝達物質の濃度を上昇させます。なお、線条体と依存形成にかかわる側座核ではドパミン濃度は上昇せず、依存・乱用につながる危険性は極めて低いとされます。”
とも書かれています。これは、リタニン(メチルフェニデート)が乱用され社会問題になったことが行間に読み取れます。

ストラテラの臨床試験のデータとしては、
”注意欠陥・多動性障害をもつ子供を対象とした臨床試験がおこなわれています。58人はこの薬を少な目(1.2mg/kg)に、別の60人は多め目(1.8mg/kg)に服用し、また別の61人はプラセボ(にせ薬)を服用してもらい、それぞれの効果を比較する試験です。効果の判定は、学校生活での不注意や多動・衝動性に関する行動を18項目ごとに4段階(0点~3点)で評価し、その合計点の変化量で比較します。
服薬2ヶ月後の試験結果は、この薬を少な目に飲んでいた子供達は平均11点低下(33点→22点)、多めに飲んでいた子供達は平均12点低下(32点→20点)、プラセボの子供達は8点低下(32点→24点)しました。期待ほどの差はでませんでしたが、この薬のほうが下げ幅が大きく、プラセボよりも症状が軽くなる傾向が示されたわけです(少な目の服用量では統計学的な有意差は認めらませんでした)”
とあります。
国内の臨床データがこの程度で認可されることに、すこし驚いているのですが、
「プラセボ8:少量11:多量12」の臨床結果を、担当医だけでなく、親ごさんや当事者本人もきちんと知っておいて服用するべきだと思いました。
平均差3では有意差はなく、平均差4では有意差があるとされ認可された薬を「治療薬」というのはどうなんだろうと「素人」の私は思ったのです。

支援の現場では、「医療につなげれば、薬を飲めば」と安易な「丸投げ」がなくなったわけではありません。
私たちの支援には、プラセボ薬の原料の「乳糖やデンプン」以上の効果があると自覚しておかなければいけないと考えたのでした。

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