カテゴリー「臨床発達心理士」の記事

「方向」を示すこと

とても難しいケースでの保護者相談がありました。

10年先を見通した支援の方向性はもちろんのこと、

本人にとっての「幸せ」とは何なのか、

「人生」とは何なのか、も展望できる相談にできたと思うのです。

始めは、とても曇った表情の親ごさんが、

帰るときには笑顔になられたことが、

なによりもうれしかったのです・・・

どこかに「丸投げ」するのでなく、

専門用語で「雲に巻く」のでなく、

本当に大切な「方向」を提示できる心理士に、

これからも努力してなりたいと思った一日なのでした。

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「環境」に働きかけることで「行動」は変容する

先日の「第13回日本臨床発達心理士全国大会」の「還流」です。

今回は記念講演「応用行動分析の活用」で学んだことです。(以下、あくまでも私的な感想です。)

これは前々から思っていることですが、「発達障害」=「不適応」ではありません。
何らかの条件のもとで生まれてくるのです。

環境との相互作用で「行動」が生まれるという考え方をすることによって、「不適応」行動を適切な行動に改善することができるといえるのです。

そのためにはいくつかのアセスメントが必要になります。

①機能的アセスメント
ABC分析を行い、その行動の「機能」を考えます。問題行動であっても、本人にとっては必要不可欠な行動であることも多いのです。

②生態学的アセスメント
行動は環境との相互作用で起こります。行動が起きる物理的・人的な要因を特定することも必要です。ある行動が、いつ・どこで・誰となら起きるのかを特定できると、その子だけへの支援では解決できなかったことが、「環境」への働きかけ(支援)で解決できる・行動を替えることができます。

③好みのアセスメント
その子に応じた強化子を探ることが大切です。その子の「生活自体」が豊かになる強化子を見つけることが大切だと言えます。

④生活様式アセスメント
行動が起きた場面だけでなく、それまでの数時間で何があったのかを振り返る。また、その子の一週間の生活リズムや一日の流れの中に要因があるのかもしれないと探ることも必要です。

⑤生活史(行動の歴史)アセスメント
周りの人にとって「不適応行動」になってきた経緯を明らかにすることで対応策が見つかることもあります。

「不適応行動」に対して、事後的対応(注意する)では改善することは望めません。環境に配慮する(予防的対応)、適切行動を増やす(建設的対応)ことで初めて可能になるといえます。
支援者や周りの環境が「不適応行動」の要因となっている可能性もあると自覚すること、行動の「善悪」ではなくその「機能」に着目することが大切なのだと改めて感じる内容でした。

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第13回日本臨床発達心理士会全国大会

「第13回日本臨床発達心理士会全国大会」の大会プログラムが今日届きました。

9月30日・10月1日の2日間、つくば国際会議場で行われます。

記念講演Ⅰ「応用行動分析の活用」
記念講演Ⅱ「自閉症児の新しいアセスメント」
企画シンポジウム「就学につなげる幼児のアセスメント」

これだけ見ただけでも、今までやってきたことの「ど真ん中」なので、ワクワクしています。

基調講演や実践セミナーにも「アセスメント」の文字がたくさん見られます。
私たち、「臨床発達心理士」の向かっていくところが、一番示されている大会のような気がしています。

もちろん「公認心理師」についてなんていう「説明会」もあります。

三重からつくば行くとなると、前泊しないと間に合わないようで、これが一番の「課題」です・・・

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「今が100点」

「今が100点だと思っています」

就学相談で出会ったお母さんの一言です。

これまで大変なご苦労をされてきた、お母さんのこの一言の重みに、大きくうなずくだけでなく、涙が出そうになったのでした。

この子なりの成長を認め、この子が笑顔でずっといられるようにするために、私たちができることは、とてもたくさんあるのだと、改めて強く感じたのでした。

そして、
どの子も「今が100点」と思ってもらえる資格があるのだ。
とも思ったのでした。

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就学相談のテストバッテリー改訂しました

前回の記事で紹介した、テストバッテリーを就学相談で使ってみました。

このようなフォームがあるとスムーズに検査が行えると実感したのですが、ちょっとマイナーチェンジも必要と感じたので、改訂してみました。

変更点は、以下の2点です。

年長児が図形模写をしやすいサイズに拡大するために、用紙を縦位置に。

今年の相談の「バディ」が採用していた「色の名称」(3:6~4:0才)も入れてみました。

お気づきかもしれませんが、このテストは左右の利き手に対応しています。

「TVV2.xlsx」をダウンロード

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参考にされたい方はメールまたはコメントでご連絡ください。

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「新版K式発達検査」から就学相談時検査のテストバッテリーを作成しました

6月24日から4日間、京都国際福祉センターで「新版K式発達検査技術講習会」に参加してきました。

最終日には幼稚園での検査実習まで行った、大変充実した研修会でした。(研修会の感想は別の機会に。)
就学相談や巡回訪問の隙間をねらっての参加でしたが、収穫がとても多くありました。

まず、最初に考えたのは、就学相談時検査のテストバッテリー作成です。
我が街の就学相談時検査はDAM、PVT-R、園記入の津守式の3つです。
それ以外のバッテリーとして、それぞれの就学相談委員が簡単な描画や数の検査を行っていました。

そこで、「新版K式」の検査項目を参考に簡単なバッテリーを作成しました。
DAMやPVT-Rでは測れない、描画や数の概念を測れるものにしてみました。
もし、参考になるのでしたらご覧ください。

「syugakusoudannTV.xlsx」をダウンロード

↑ブログでのダウンロードを終了しました。ご覧になりたい方はメールまたはコメントでお知らせください。

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〇か×でなく

知り合いのスクールカウンセラーから、WISC4の解釈について相談を受けました。

私も少し関わらせていただいたお子さんの検査結果についてです。
ある下位検査の結果が極端に低いことをどう解釈したらいいかわからないとのことでした。
(もちろん守秘義務等の関係でお子さんのことも、検査項目・内容なども具体的には書けませんが・・・)

彼女の書きこんだ検査用紙には、大変詳しく検査時にお子さんがどのように正答したのか、どんな誤答をしたのかが書かれていました。

問題となった下位検査を一問ずつ2人で見直していくと、単に正答・誤答というレベルではなく、どのような方略で解答を導き出しているのかが明らかになってきました。また、プランニングや注意の「特性」も仮説レベルではあるのですが見えてくるのでした。

その後は、その仮説を踏まえて、お子さんの担任と3人で今後の支援について話をさせていただきました。

検査は〇か×かだけでなく、その子の「認知特性」=「がんばりかた」を見定め、どのようにアシストしていくかを大事にしたいものだと改めて思うのでした。

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どんな支援が「適切」なのか?

今日は巡回相談でした。

特別支援の必要な児童への「支援の方略」をアドバイスすることが私の本来の仕事なですが、
今日は、明らかに「愛着形成」の課題が見えるお子さんでした。

いわゆる、大変困った「問題行動」も、その子にとっては「メリットの法則」に則っていたのでした。それらの「行動」の原因が明らかになれば、対応策も明らかになるものなのです。

どんな支援が必要なのか、家庭環境を、保護者を、「変えられない」のだとしたら、学校が、担任が何ができるのか・・・

先ずは、本人の「自己有用感」を高めていくこと、そのためには「集団学級作り」が必須であること。クラスの友だちや担任に「ありがとう」と言ってもらえるような経験がとても重要であること。そのための仕掛けを意図的に担任が仕掛けることが大切であることなどと、アドバイスさせていただきました。

また、クラスの友だち同士が、丸ごと「認め合える」そんな関係作りが大切であることなどもお話しさせていただきました。
「特別な支援」は実は「個人」に対してよりも、ずっと「集団」に対しての方が有効なのだと考えています。

「自己有用感」は一旦他人を通することを経ないと獲得できないものです。そして「自己有用観」なしには「自己肯定感」は成立しないと考えています。

子どもたちの「しんどい」状況を、しっかりと分析し、できることからこつこつと長い時間をかけながら「支援」することが今求められているといえます。

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とりあず、自らの「愛着形成」を振り帰ってみること

岡田尊司著「発達障害と呼ばないで」(幻冬舎新書)を読みました。

「愛着障害」については、「発達障害」と共にずっと関心を持ってきたキーワードです。

「発達よりも愛着が幸福を左右する」(P92)の見出しに、大いに賛同するのです。

子どもたちの「今の姿」を高いモーメントから「見立て」をするのではなく、自らの「愛着形成」を振り返りながら、子どもの「それ」に寄り添うことができるのか・・・
そこが一番の「支援のスタート」だと思うのです。

本書の内容については読んでいただくのが一番なので要約は省きますが、読後、何よりも自分自身を分析できなければ、「支援」の立場にはまず立てないと思ったのです。

とても私的なことですが、私は年長の年まではきっと誰にも負けないぐらい幸せだったのだと思うのです。その次の年、4才上の兄が白血病の発病し、亡くなるまでの3年とその後の父との別れ・・・
それからの気丈な母の「愛情」が、今の私の「愛着形成」だったと思うのです。

小学1年生の時に50円玉を握って即席ラーメンを1人で買いに行って食べたことも、
兄が亡くなってから、「天才気質」の兄と比べることもなく「不出来」な弟を精一杯愛して女手一つで育ててくれた母がいたことが・・・

これまでの巡回訪問で、母親支援が決定的な解決策になるケースは山ほど経験してきました。

「愛着形成」が「できない親」と、「してもらえない子」への「支援」は高いところからではなく、同じ「幸福や不幸」体験からスタートしたほうがいいのだと思うのでした。

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この秋のテーマ

この秋、取り組みたい「テーマ」は以下の3つです。

その1
11月12・13日に開催される「DN-CAS講習会」のための予習&復習

その2
愛着障害と「回避生」愛着障害

その3
「認知特性」とそのアセスメント

ここで還流できるように頑張ります♪

参考文献はリンクが右にある「BOGEYの本棚」で順次に・・・

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