カテゴリー「発達相談室」の記事

小児高次脳機能障害について

小児高次脳機能障害のお子さんの支援については、あまり話題になることがありません。
私は通常学級で墜落事故による大きなダメージを脳に受けたお子さんを担任したことがあります。
発達障害児への指導と重なる部分とそうでない部分の見極めが大切だと思うのですが、基本は「今の子どもの姿」を大切にすることです。
もしかすると「折れ線系」のお子さんを指導・支援することと似ているかもしれません。
おやごさんや周りの子どもたちの評価を高めることは本人の自己評価を高めることになります。
「できる・できない」という評価ではなく、「過程」を大切にすること。
本人の意欲と友だちとの関係をどう育んでいくか。
このあたりがとても大切だと考えています。


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「情報交換」

何人かの支援学級の先生と「情報交換」をしました。
通常学級に在籍しているお子さんの入学からの変化について。
中学校に入学してからの卒業生の様子について。
今担任しているお子さんについて。etc・・・

話し合う中で、今の課題が見えてきます。何を話すかによってその先生の「思い」の方向性が見えてきます。
その「思い」に沿って話ができる人は貴重です。
私ならこんな風にするよ・・・こんな教材もあったね・・・ふーんそれは大変だ・・・

常にネットワークを生かして、いろんなアドバイスをもらえるようにすることが、もしかすると一番の近道なのかもしれません。

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新版K式発達検査と田中ビネー知能検査

新版K式発達検査と田中ビネー知能検査の違いについてお尋ねがありました。
K式とWISCについては、検査経験があるので分かるのですが、田中ビネーについてはあまり知識がありません。いい機会なのでまとめてみました。

知能検査と発達検査のちがい
知能検査は、主に知能に焦点をあてて生活年齢(実年齢)と比べてどの程度知能年齢があるか:知能指数(IQ)を調べることを目的としています。
また、発達検査は認知面・社会性・運動面などのいくつかの観点から発達の度合い:発達指数(DQ)を調べることを目的としています。

どちらの検査がどんな場合に適切かは、検査を実施する機関によって判断されているので、統一されているものではありません。
おおむね、発達検査は0歳から、言葉の獲得以前から。知能検査は2歳程度から、言葉の獲得前後から。といえるようですが、実施機関によってはこの通りではありません。
新版K式発達検査は関西で多く利用され、田中ビネーは関東で多いといわれていますし、療育手帳の判断には田中ビネーがよく使われているといわれています。これも一概にはいえませんが。

新版K式発達検査
特徴
1『姿勢・運動』 『認知・適応』 『言語・社会』 の3分野に分け数値を出す。
2 課題が別れているので、何が得意で何が不得意かの問題点も見やすい。
3 発達指数(DQ)=発達年齢(DA)÷生活年齢(CA)×100

適用年齢
0カ月~14歳

内容
形ハメ(○△□・箱に積み木をはめて落とす)
積み木積み上げ
積み木模倣しての作成(車・トンネル)
お絵かき
紙製の形合わせ
指さし(靴はどれ?)
神経衰弱のような物(隠してどこにあるか当てる)
大~小の器を重ねる

田中ビネー知能検査
特徴
1 Ⅴ(第5版)で子どもの変化に対応したものになった。
2 知能の特徴を4つの領域で診断 。
3 発達状態をチェックできる項目を作成:年少児・遅れの子供の発達状態をチェック 。
4 2~13歳は知能年齢(IQ)と精神年齢(MA)を14歳以上は偏差知能指数(DIQ)を算出する。

適応年齢
2歳~成人

内容

1歳から13歳までの問題(96問)、成人の問題(17問)が簡単なものから難しいものへの順に並べられている(年齢尺度)。
問題は、言語、動作、記憶、数量、知覚、推理、構成など様々な内容からなる。
1歳級の下に「発達チェック」(S1~11の11問)という項目がある。
主に1歳級の問題を実施して未発達なところが予測された被検査者について、発達の目安を知るためのものである。

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強迫性障害(OCD)について

本来、このブログの守備範囲ではありませんが、相談業務の一環として調べたことをまとめました。


OCD(Obsessive Compulsive Disorder)は、以前「強迫神経症」と呼ばれていた心の病気である。現在は「強迫性障害」と呼ばれている。この病気のおもな症状は、不要な考えが心の中に繰り返し起こる「強迫観念」と、それを打ち消すために行われるさまざまな「強迫行為」である。

本人も、それが不合理なことだとわかっているが、繰り返し生じる不安な考えやイメージを打ち消すために、さまざまな行為を行わなくてはならない。そのために多くの時間やエネルギーを費やし、時には日常生活を行うのにも支障が出てくることがある。

本人もおかしなことだと自覚しているのに強迫観念から逃れられず、強迫行為をやめることができない。また、どんなに繰り返し強迫行為を行っても、不安や不快感を消し去ることができない。代表的な症状には、手がばい菌などに汚染されていると感じて、何度も手を洗わずにはいられない「洗浄強迫」やドアのカギをかけたかどうか、ガス栓をしめたかどうか何回も確認するという「確認強迫」などがある。

現在、強迫性障害は適切な治療を受けることができれば、ほとんどの人が日常生活を正常に行えるようになるといわれている。
強迫性障害の治療方法としては、行動療法と薬物療法がある。

行動療法の一つのアプローチとして、
エクスポージャー(暴露)と反応妨害を組み合わせた、Exposure and Ritual Prevention(ERP)がある。エクスポージャー(暴露)というのは、恐れている不安や不快感が発生する状況にわざと置くこと。反応妨害というは、不安や不快感が発生しても、それを解消しようとする強迫行為をとらせないという方法である。
(意図的に追い込むことになるので必ず本人の意思確認、専門家による指導、家庭の協力などが必要になる。)
例えば、洗浄強迫の場合。不潔だと思われるものにさわり徐々にその程度を上げて行く。ソファーにさわる→ドアノブ・公衆電話にさわる。→トイレの壁にさわる→トイレ掃除用のゴム手袋にさわる。のようにだんだん強迫刺激を高めていく。
もう一つのアプローチとして、
アルコール依存症の治療と似たような方法がとられることもある。強迫性障害は、一度始めたら本人の意志では止められず、ほどほどということができないことが多い。アルコール依存症の人が禁酒はできたとしても節酒は困難なのと同じように、洗浄強迫の人には普通の人のように、さっと手洗いを済ますということが難しいといわれている。
洗えば洗うほど、洗い残したところなどが気になり、手の皮がむけるほど洗ったり、気の済むまで洗おうとしたりする。そこで行動療法では、いくら手が汚れていて、洗いたくなったとしても、決められた期間は全く手を洗わせないようにする。全く洗わないほうが、むしろ楽にできることが多い。こうして、洗わずにいても何も悪いことが起こらないと気づかせることによって、洗浄脅迫を克服させる方法もある。これがうまくいけば、次に適当に洗う練習をくりかえし、新しい行動を身につけていくようにする。

強迫性障害の薬物療法としては、セロトニン系に作用する抗うつ薬がある。これは強迫観念を抑えることが知られている。セロトニン系の薬の中でもSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、脳内神経伝達物質のうちのセロトニン系だけ選択的に作用するため、セロトニンを正常に近い状態に調整する効果がある。
うつ病の場合は、SSRI以外にもいろいろな種類の抗うつ薬が使用されているが、強迫性障害では、ノルアドレナリンなどよりも、セロトニンを調整する働きが強い薬の効果が大きいため、治療では主にSSRIが使用されてい。

強迫性障害については、行動療法も投薬もできる医療機関に相談することが一番望ましい。


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幼稚園の先生からの電話

日曜日の朝早くから知り合いの幼稚園の先生から電話がありました。

「前年度受け持った子への対応について、それが適切であったかどうか」というような内容でした。巡回訪問で私も関わったことがあるお子さんでしたので、その時の様子も踏まえながら、就学前の段階でのあるべき関わり方を話し合いました。

その先生は丁寧にお母さんにもお父さんにも対応されており、進学先の小学校の管理職や養護教諭とも連絡を取られていたようです。

お子さん自身は小学校に入学してから慣れるまでに大変な困難にぶつかっていましたし、そのクラスの担任の先生もご苦労されていました。

ただ、変化は少しずつですが確実にやって来るものです。現在は、そのお子さんに対して「個別の介助・支援から離脱する方向」での取り組みが行われています。

低・中学年の時は他の子とのトラブルが絶えずに、大人に対しても挑発的な行為が多かった子が、高学年になったら、同じような行動に向かいやすい年下の子の面倒を見たり、落ち着けるように働きかけたりすることができるようになった。というようなケースも身近にあります。

「適切な対応や環境」と「少し長い目で見る」ことが大切なんだと思います。

そのためにも保育園・幼稚園と小学校、小学校と中学校の連携の強化は欠かせないといえます。

保護者に対する支援のあり方については、園・学校と保護者との関係性が大きく影響します。少しずつ信頼関係を築いていく努力をしなければ共同して取り組むことはできません。この子はこんなところで「困っている」からこうしていこうという共通認識・理解をきちんと持てるように園・学校が努力する必要があると思います。

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思春期・青年期の問題

思春期から青年期にかけての相談もいくつか受けるようになりました。

強迫性神経障害・被害妄想・人格障害などについては文献で学んだ程度ですし、「ひきこもり」についてもよく知っている生徒さんに関わったことがあるだけなので、現在はほとんど「臨床」未経験と言えるような状態です。

そのため、適切だと思われる相談機関や医療機関などを紹介することと、できるだけ本人やご家族の方が前向きに毎日をすごせるヒントのようなものをお話させていただくことしかできていません。

そのヒントとは、

本人が怠けているわけではない。

本人の好きなこと・得意なことを認め、伸ばすようにしてあげる。

家庭内に「ひきこもって」いたとしても、家族や他の誰かのためになにかの仕事や家事労働などが少しでもできることは、とても大切である。

ネットに逃げ込んでいる青年もいれば、ネットの中での人間関係をバネにして「力を蓄えて」外にでるようになれた青年もいる。コンピュータも使い方次第である。

家族の方には同じ課題をもつご家庭とつながりが持てると前向きになれる。

NPO法人全国引きこもりKHJ親の会

などです。

私自身がきちんとしたアドバイスができる状態ではないので、申し訳ない気持です。まだまだ勉強不足です。それを少しでも早く解消するために頑張りたいと思っています。

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吃音指導について

吃音の指導について

以下のようなケースを非流暢性発話(吃音)と呼んでいます

単語内の非流暢性発話
a.有声の音の引き伸ばし※ 「おーかし、たべたい」

b.無声の音の引き伸ばし※ 「・・・(「け」の構音動作をする構えのまま口腔内が固定されている)・・・キ食べたい」

c.単語内での発話のとぎれ(broken word)※ 「ぼくも、しー(間)たい」音の引き伸ばしと区別することが困難な場合がある。

d.音や音節のくり返し※ 「ぼ、ぼ、ぼくもしたい。」e.単音節の単語全体のくり返し「か(蚊)、か、かがいるよ」

f.2音節以上の単語の一部分のくり返し「 とん、とんぼとったよ」

単語間の非流暢性発話
a.言い直し 「ぼくが、ぼくにちょうだい」
b.間投詞の挿入 「ぼくが、えーと、したいの」
c.2音節以上の単語全体のくり返し 「ぼく、ぼくが、したいよ」
d.句のくり返し 「ぼくが、ぼくが、したいよ」
※がついている症状は、吃音の中核症状です。

吃音があるかどうかの判断の目安として
1.上記のような繰り返しや引き伸ばし等が100単語中3以上見られる。
2.保護者や周囲の人が吃音の問題があると感じている。
の2点を挙げている文献もあります。

吃音の指導は単にことばの指導としての側面だけでなく心理面からのアプローチも必要になります。
1 環境調整:家庭や学校で心理的なプレッシャーを与えないことや要求水準を下げることなど。
2 吃音症状の軽減を目指した直接的言語指導:本人が「楽に」話せることをすことを目的とした指導が重要。
3 カウンセリング的指導・支援:指導者との信頼関係を作り、吃音のことをオープンに話せる雰囲気を作る。
4 発語・コミュニケーションに関する指導:効果的な発語・コミュニケーションをする指導。ソーシャルスキルトレーニングも有効。

発話速度が極端に遅かったり、発話時の緊張が強いときには、「言語聴覚士」や「ことばの教室」で専門的な指導をお願いすることになると思いますが。もっとも大切なのは本人の自己評価が下がらないように配慮することであると思います。

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聞いてもらえるから、答えられる。

仕事の関係上、いろんな人と話をする機会がうんと増えました。話をしていると、多くの質問も受けます。

「~についてどう思いますか?」とか「~の時はどうしたらいいですか?」とたずねられたり、ダイレクトに「~で困っています」という場合もあります。

こうやっていろんな人に聞いていただけるから、わたしもうんと考えたり、頑張って調べたりしているんだなあ、と最近つくづく感じています。

たずねられたことをきっかけに、自分の今までの実践を振り返ったり、もう一度自分の考えを組み立てなおしたりすることも多くあります。

逆に自分自身が教えられている・育てられていると感じることも多いのです。

(実は、このブログ自体もたずねられたことからスタートしたものです。)

きっと正解は一つではないと思います。

なにかの参考になるのでしたら、お手伝いができるのでしたら、

一声かけてくださいね!

匿名メールでもかまいませんので。

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薬物療法について(3)

薬物療法について(3)

子どもが投薬を受けている保護者の方とその担任の教師から投薬についての相談がありました。基本的には担当医と話をしていくことが大切なのですが、どのような観点で話をしていく、思いを伝えていくとよいのかを考えてみました。

投薬による副作用が気になっている保護者の方の思いや、投薬の必要性がどの程度であるのかを知りたい担任の教師の思いはよくわかります。

薬物療法については今まで「薬物療法について」で2回に分けて記事を書いています。そこで、保護者や担任の教師が日常的な様子を評価して担当医に伝えていくことが大切であると述べました。

しかし、どんなことを評価すればよいのかは不十分でした。。「薬物使用における評価表」を入手しましのでワードにファイルにして紹介します。(出典「ADHDの明日に向かって」田中康雄著 星和書店 2001年)

薬物評価表のダウンロードは下をクリックしてください

「yakubutuhyouka.doc」をダウンロード

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開鼻声について

鼻から息が漏れて不鮮明な音声を「開鼻声」といいます。

この「開鼻声」への指導について質問を受けました。以下はその質問への回答です。

「開鼻声」の音の誤りとしては



1、省略 ex)kasa→  kaa

2、置換 ex)kasa→  kata

3、歪み(上二つに入らない音の誤り)があげられる。



原因として、口蓋に明らかな裂がないにも関わらず鼻咽くう閉鎖不全を起こすものには粘膜下口蓋裂と先天性の鼻咽くう閉鎖不全がある。粘膜では口蓋垂裂とか口蓋帆挙筋の走行不全などが考えられる。



破裂音が開鼻声だと出にくくなる。(口腔内圧が必要なため)破裂音は無声だとp,t,kで省略(子音が抜けて母音だけになることex)kasa→kaa)が起こりやすい。しかし、有声子音(b,d,g)は普通に出る。

言葉の聞き分けに問題があるかを調べる必要もある。構音障害では言葉の聞き分けがきちんとできるかを調べることは重要である。聞き分けができれば、自分の音の誤りもわかるようになる。しかし、発音の誤りを注意しすぎると逆に余計ひどくなったり、話したがらなくなることもあるので配慮が必要である。

構音操作の練習法の一つとして。

ステップ1、目標子音(母音)を作る

ステップ2、単音節を作る。1音のみから連続まで

ステップ3、無意味音節のなかで使う(語頭、語尾、語中)

ステップ4、単語の中で使う(語頭、語尾、語中)があげられる。



構音障害では構音点(どうやって発音するか)を正しく理解させていくことも大切である。STの指導で使うパラトグラムは舌が口蓋のどの部分に当たっているかを視覚的に見ることができるものであり、これを使って構音点を理解させる。

他に有声子音から無声子音へ変えていく方法もある。これは聴覚的なアプローチであり、当然有声音が出ることが条件となる。

ステップ1、指導者がまず、近い誤りを出す。

ステップ2、次にその音より正しい音を出す。それをさら正しいものに近いものに変えて出す。

ステップ3、正しい音を出す。この一連の音を聞かせ、その都度に模倣させる。(漸次接近法)

ステップ4、正しい音を聞かせてその都度、模倣をさせる。

正確な診断や治療に関しては専門医やSTに相談することが望ましい。

これはSTをめざす娘に依頼して書いてもらったものです。感謝してます。



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漢字が苦手

「漢字が大変苦手な子への指導」について質問をいただきました。

そこでこんなお返事を書きました。

漢字を書くことに対して著しく困難な状態を「書字障害」と呼んでいます。これはLDの範疇に入るものです。

日本語の漢字の場合は音韻との関係だけではないので、ディスレクシア以外のディスグラフィア(神経学的に書くことに困難があることで、文字を形よく書く、決められた場所に書くことが困難であること)という障害の場合もあります。

ひらがな以前の指導として

協調運動 (点と点をつなぐ、迷路をする、線をなぞる、ぬり絵をするなど)

 書くことに困難がある場合は、上のような幼児教材をかなりたくさんやっておくとその後の指導の効果が上がることが多いです。

視知覚操作 (模写、図と地の弁別、同じものを選択する、違うものを抹消する)

 見ることに困難がある場合は、見たように書けません。ある程度訓練で意識させることはできるようになります。

 また目の動き、目と手の協応が十分にできない場合も、思うように書けません。ひらがな(書き)の指導

 基本的には小学校の初期指導法で大丈夫だと思います。

漢字の指導は

  読めることできたら、うんとほめることから漢字の指導をお願いします。

  読むことにも困難が多い児童は、別メニューが必要になります。

  社会生活では読めればOKのことが多いので、無理な指導で漢字嫌いになり、「自分は漢字がだめなんだ。」と自己評価を落としてしまうことにならないような配慮が最も大切です。特に高機能自閉症のお子さんは2次障害としての「自尊感情の低下」が大きな問題になりますので、この点はどの学習活動でも細心の配慮をお願いします。(ついでにいうと『パニック』は障害のせいではなく、環境への不適応が原因です。)

よくやる方法としては、

漢字を簡単な部分に分解して、覚える。「へん」や「つくり」よりももっと分解することも多いです。

昔「立つ、木、見る」と「親」を教えてもらった私は「ヒ、マ、矢、で~」と「疑」を自己流で覚えました。

「よこ、くち、たてーちょん」(可の指導)のように音声化することも効果的です。

いろんな方法があると思いますが、子どもの興味のあることに関係する、または役立つような方法で苦手な「漢字」を楽しく学習できるような工夫や手だてが一番だと思います。

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薬物療法について(2)

薬物療法について(2)

薬物療法を行っているときの取り組みについて

パート1で「しっかりと子どもの様子を観察しながら、適切な対応・指導を少しずつ積み重ねていくことがいちばんの近道だ」と書きました。

適切な対応に必要なことを以下に述べます。

1 何をもって投薬終了とするか?投薬の目的を明らかにすること。

2 投薬の効果はきっかけにすぎない。気分に関わる少しの部分を改善するものでしかないことを保護者・指導者が認識すること。

3 本人には、投薬によってなにがよくなるかをきちんと知らせること。

4 本人の発達段階に応じた、IEPを作成し計画的に取り組むこと。

5 行動が改善されたからといって、過剰な課題を与えないようにすること。

6 できるようになったことを認め、本人の自己評価をきちんと上げていくこと。 

7 周囲(クラス等)の本人に対する評価も上がるような、働きかけをすること。

8 保護者・指導者は投薬の効果をきちんと見極め、担当医に知らせること。

教育の現場では、投薬と指導は別物と考えていることが多いようです。決して別物ではない事を指導者は理解して、毎日の取り組みにいかしていって欲しいです。

以下は薬についての参考です。

多動・衝動性=メチルフェニデート・カルマバマゼピン・バルプロ酸ナトリウム・リスペリドン・SSRIs

感覚過敏=リスペリドン

感情の不安定さ=カルマバゼピン・SSRIs・TCAD

自傷=プロプラノール・SSRIs・リスペリドン

攻撃性=プロプラノール・SSRIs・リスペリドン・クロニジン

常同性反復行動=SSRIs・リスペリドン・クロニジン

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薬物療法について(1)

薬物療法については、様々な意見があると思います。

実際に処方する側の「一般臨床医のためのマニュアル」では、

薬物療法の基本

投薬と同時に周囲の理解啓発と本人への働きかけが不可欠。

複数からの評価を定期的におこない、漫然と使い続けることのないように。

本人がその症状を克服する術を身につけたときが薬物療法の終了。

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不登校を考える(補足)

不登校について以前「不登校を考える」で書きましたが、

いくつかの補足をします。

① 不登校の原因は単一のものではなく、いくつかの複合的なものであることが多い。そのため、「だれが」「なにが」不登校を生み出したのかというような単純な「犯人さがし」をしてはいけないし、しても意味が無いことが多い。

どうしても、保護者は「学校での○○が」教師は「家庭で○○だから」と責任の投げ合いをしたり、「この子は○○という診断があるから」としがちですが、結局解決の方向から背を向けることになります。

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爪をかむ癖

「爪をかむ癖をなくしたいのだが」という相談がありました。

爪がどんどんなくなっていって、深爪になっているのを見かねて、ということだと思います。

子どもに「~をやめさせたい」という願いを持つことはよくあることですが、ここで少し考えて欲しいのが以下の数点です。

a なぜその行動をしているのか?

b どんなときにその行動をしているのか?また、していないのか?

c その行動は子どもにとってどんな意味があるのか?

d その行動をなくしたとき子どもはどうなる(と予想される)のか?

e その行動の替わりにどんな行動をさせようとしているのか?             

もちろん、異食や自傷行為のような直接大きなマイナスやダメージが子ども自身に及ぶものはできるだけ早い時期に他の行為に替えていくべきなのは当然です。

では、爪かみではどうでしょう?もしなくしていくのであれば、どのようにしてなくす方法がベストなのでしょうか。

例えば、簡単な方法として爪かみや指しゃぶりをなくすための薬剤を指に塗るという方法について考えて見ましょう。

私は今まで使った事がありませんが、かなりの「にがさ」らしいです。強烈な「嫌子」になります。簡単に爪かみはなくなるでしょう。

これで、おしまいなら苦労はありません。それまで爪かみという行為で「緊張を緩和していたとしたら」「ストレスを発散させていたとしたら」「それ以外にすることが無かったからとしたら」・・・

「爪をかむ」ことよりも大きな「不適応行動」が起こる可能性があります。

では、どのようにしていけばよいのでしょう。

ABA(応用行動分析)では機能分析を簡単なチャートを使って行います。このチャートには、時間と子どもの行動、そして先行条件と後続条件を書き込むだけです。

行動をより詳しく分析することによって、おのずから解決法が見つかるといえます。

ぜひ、試してみてください。

基本的なチャートはこちら 「F.A.chart.xls」

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不登校を考える

HFPDD(高機能広汎性発達障害)児の不登校についての実態調査結果を自閉症スペクトラム学会北陸セミナーで聞きました。

不登校のきっかけとして:

自分の不適切な行動を注意されて自信喪失

通学班の班長の仕事をうまくこなせない

友だちとの関わり方を教師に注意されて

友人関係や学習で自信をなくした    等

どれも毎日のように現場では起きうることだと思います。

高機能の子どもたちにとって自身の特性が集団活動への参加を困難にしている事は多くあります。例えば、感覚情報処理の過敏さ、教科の得手・不得手、こだわりなどが原因になる事が考えられます。

不登校中にこれらの子は、自己評価の低下があったり、登校しなければという焦りから荒れたり、長引いていくうちに身体症状が現われたりすることがあったようです。

不登校を解決するには、なりよりも重要なことは親や教師、周りの子どもたちが本人の特性をきちんと理解して働きかける事だと思います。また、肯定的に、見通しがもてるように、安心・落ち着けるように、支援していく事も大切だと言えます。

もちろん、ただ学校に来ればいいと言う事ではなく、

学校や教師から見ると「不適応としての不登校」も本人からすれば「適応としての不登校」ととらえなおす事も必要だと言えます。学校やカリキュラム、教師自体が変わっていく必要もあるのではないでしょうか。

現在、不登校児童・生徒の中に占める、発達障害児の割合はかなり多いと言われています。きちんとした児童・生徒理解のうえに立った支援をしていく必要があります。

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発達相談室開設

特別支援学級(障害児学級)の担任や通常学級での特別支援等の経験が20数年の現職教員です。できるだけ、子どもの立場・QOLを大切にするスタンスで相談をお受けします。メールでご遠慮なくどうぞ。

基本的には個人情報保護の観点からメールでお願いします。

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