カテゴリー「関係書籍等」の記事

二次障害をどうとらえるか

久しぶりに新しいカテゴリー「二次障害について」を追加しました。

二次障害に関しては現場でも話題にのぼるようになってきましたが、その捉え方については「専門家」といわれる人の中でもずいぶん違うように感じています。

まずは書籍の紹介から・・・

8名の執筆者による書籍です。執筆者はそれぞれの専門でのベテランですが、少しずつ捉え方もアプローチの仕方も違うように感じました。
おそらく「発達障害の二次障害」についての初の書籍でしょう。お勧めです。


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「信じること」


「信じることは、見返りを期待せずに、しかし、はらはらと心配し続けることである。」

これも「支援から共生への道」からの言葉です。

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「診断名」について

先日紹介した田中康雄先生の著作「支援から共生の道へ」からの記事です。

田中先生は北海道大学大学院の教授で、児童精神科のドクターでもあります。
その田中先生がちゃんと「診断名」を告げたことがあるのは4例だけだそうです。

その理由を、
「発達障害と診断するということは、発達という前進していく予測不可能な部分をもつ変化を明確に予測するかのようなむずかしさがあります。」と述べさらに、
「だれにでもある特性の一部が、たまたま今生活しているうえで、強く表れているからといって、そこだけ切り取って伝えても、相手の本当の生きにくさにたどり着かないのではないだろうか」と述べています。

特別支援教育や臨床心理のプロといわれている人が、短時間の観察や面接だけでとても安易に「この子はAD/HDですね。」とか「アスペルガーの傾向があります。」などと、あたかも「確定診断」のように話す場面に何回も遭遇します。
そして、その一言が教育現場での子どもの評価に大きく影響していることも巡回訪問で感じることが少なからずあります。

私はそんなときに、
「あなたが読んだ発達障害関連の書籍にのっている『典型的な例』とその子の今の様子が似ていたからと言って、『診断名』をドクターでもないあなたが口にすることは適切ではない。」とストレートに話すこともあれば、「最近AD/HD単独で診断されたケースについては疑うべきだといわれています。」などと少し遠回しに話すこともあります。

田中先生は、
「そうした断定が、これからのかれらの人生を決めつけてしまう危険性をも秘めているように考える。」と締めくくっています。

「ぼくを診断名で呼ばないで・・・」
一人一人のお子さんの今の生きにくさを「診断名」で解決することはできないと思います。


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「支援から共生への道」

「支援から共生への道」 田中康雄著 
     慶応義塾大学出版会 1800円

田中先生のお話を聞いたことがあります。内容ももちろん大変素晴らしいものですが、それだけではなく当事者や家族の立場に寄り添った「想い」がとても感じられるものでした。

その「想い」のルーツをこの本で知ることができたことができました。

私はこの本に関しては、書評を書けるような立場でもありませんし、うまく要約もできません。
ただ、支援の側にいる「プロフェッショナル」である人にはぜひ読んでもらいたいと思います。

田中先生のような「想い」を持てるようなプロでありたいものです。



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「続 発達の芽をみつめて」

「続 発達の芽をみつめて」 ~かけがえのない「心のストーリー」~
    近藤直子著 全障研出版部  1800円

この書籍については「日本福祉大学子ども発達学部教授・副学長の著作です。」なんていう他人行儀な紹介ができません。そういう理由がたくさんあります。

近藤直子ゼミの一期生である私は、一人息子の暁夫さんの誕生から昨年急逝された郁夫先生の温かな「語り口」までを今でもありありと思い起こせます。

この著作は、直子先生ご自身の人生やご家族のことにも触れながら、「発達」と「心のストーリー」についてわかりやすく書かれています。

「できるようになること」が発達なの?

この問いかけにあなたはどう答えますか?

最後のページの御池岳の写真、カラーだとこんなに素敵です!

P1000627

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名古屋でロードショー!

このブログでもリンクさせていただいている
映画「ぼくはうみがみたくなりました」
10/31(土)~11/20(金) 名古屋・シネマスコーレでのモーニングロードショー(朝10:00~)が決まりました。
お近くの方はぜひともごらんくださいね。

全国各地での上映会も取り組まれています。
詳しくはこちらから・・・ぼくうみ

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「うぬぼれる脳」鏡の中の顔と自己意識

「うぬぼれる脳」鏡の中の顔と自己意識  
ジュリアン・ポール・キーナン著 NHKBOOKS 1260円

脳科学は今一番ホットな学問かもしれません。
本書はチンパンジーが鏡の中の自己を意識するという実験の結果からスタートし、
自己認知の発達過程や「心の理論」に話題を展開していきます。
セルフ・アウェアネス(自己への気づき)と脳の機能の関係や人の意識や感情についてまで脳科学としてのアプローチを行っています。(自閉症やアスペルガー症候群についても少し言及していますが、残念ながら本格的なものではありません。 )

最近の発達心理学が脳科学の成果を参考にしたものになりつつあることは歓迎すべきことなのでしょう。


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「楽しい感覚・運動あそび」

「発達障がいの子どものための 楽しい感覚・運動あそび」 森田保徳編著  明治図書 2060円

本書の第一章で、
「指導をするにあたっては、なぜその遊びをするのか。子どもの問題とどのように関係しているのか。を説明できるようにしてください。」という作業療法のスペシャリスト岩崎清隆氏の言葉を引用しています。

具体的な感覚・運動遊びが 
スクーターボードで14
タイヤブランコ、ボールプール、平均台、マットなどよく支援学級にあるもので29
身近な素材(スリッパ・なわ・風船など)で13
小集団の遊びで23
運動協調遊びで7
スポーツへの導入として6     紹介されています。

そして、それぞれの遊びを
揺れ・スピード/感覚/姿勢・バランス/力の調整/左右の協調
身体イメージ/空間近く/運動企画力/視覚・聴覚/人との協調
という10の領域で分かりやすく表わしています。

そのまま活用しなかったとしても、これからの取り組みの参考になるヒントもたくさんあります。
日頃から取り組んでいる遊びや運動も、こうやってきちんとその機能を明らかにしていくことは大切だと思いました。


  
 

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子どもの特性を知るアセスメントと指導・支援

「子どもの特性を知るアセスメントと指導・支援」  中尾繁樹著 明治図書 1800円

巡回相談も行っている大学の先生の著作です。

第2章「学校でよくみられる問題と背景」では、かなりこまかい背景要因が紹介されています。
第3章「学校でできるアセスメント」では、インフォーマルなアセスメント(簡単にいえば観察)として姿勢・聴覚認知・視覚認知・コミュニケーション・身体イメージなどを紹介しています。また、ソフトサイン(神経学的なサイン)を観察やテストバッテリーに利用するということを紹介しています。
それ以降の章では、座席表を利用した児童の観察や担任の先生へのアドバイスなど具体的な事例も書かれています。
巡回相談等の業務をされている方には大変参考になるものですし、校内の特別教育支援体制を一段階レベルアップするためにももってこいの本だと思います。


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「自閉症児の世界をひろげる発達的理解」


「自閉症児の世界をひろげる発達的理解」 白石正久著 かもがわ出版 1800円

このブログへのコメントでTOMさんに教えていただいた書籍です。
白石氏は故田中昌人氏(京都大学名誉教授)のもとで学ばれていたということなので、わりと近くにいる「親戚」のような感覚で本書を読ませていただきました。

内容については自分自身の実践も踏まえた上でいくつかの記事にしていきたいほど示唆に富んでいます。

「理論と実践のずれ」を見抜く
「発達障害として認識することが、人格の自己実現の大切さを見失うことにつながってはいけない」
「それぞれのライフステージの尊重」
見出しの一つ一つでさえ大きなメッセージを伝えてくれています。

発達心理学を学んでいた学生時代、「障害の有無にかかわらず、発達の筋道は変わらない」という仮説のもとに細かい発達段階の分析を行ったものです。

本書は第二部「自閉症児の発達障害と指導」で自閉症児の特性と指導について発達段階ごとにまとめています。
これは、支援に当たっているお子さん1人1人に応じた取り組みを行うときにとても参考になります。
(To相棒さん Mくんの「ぐるぐる~」は「円錯画におけるモデルへの接近ができてる」ってことですよ。)

これは余談かもしれませんが、
現場では「発達保障理論」と「TEACCH」が対立的に捉えられているところがあるようです。
これはとても残念なことだと、私は思います。

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