カテゴリー「自閉症スペクトラム児の療育・教育」の記事

「キーパーソンズ」

これは明確なエビデンスがあることではないのですが、以前の自閉症スペクトラムのお子さんと今のお子さんでは「対人行動」に違いがあるのではないかという感想を持っています。
以前は「目が合わない・合わせられない」「人を意識しない」「愛着行動が見られない」とよくいわれていましたが、最近は重度のお子さんでも、「アイコンタクトが可能」「状況によって強い愛着行動がみられる」「人との関係性によって行動の変化がみられる」などのことがあるように感じています。
これは、早期発見・療育の成果ではないかと考えています。私たちはこの成果を学齢期の支援でどのように活かし、さらにのばしていくかをきちんと考慮にいれて行くべきだと考えています。
「キーパーソン」の重要性は多くのところで語られていますが、その範囲を拡げること、複数の支援者が「キーパーソンズ」になるために、支援の場でも「サポートブック」のような「サポートマニュアル」の作製が求められているのではないかと思っています。

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「個別指導」を考える

特別支援教育の方法として「個別指導」があります。
これは、支援学級でも通常学級でも一般的に行われています。最も効果的な方法として位置付けられていることが多いと思うのですが、はたしてそうだと言い切れるかどうか最近疑問に感じています。
1対1の指導の時に「学び」の形はどうしても「教えるー教えられる」の関係になります。
その時に、教師と子どもの関係が「させるーさせられる」になれば、子どもにとって学ぶ「楽しさ」や学びへの「主体性」が損なわる可能性があるのではないかと考えるようになりました。
たとえ少人数でも複数で行うことによって、子どもたち同士の相互作用が生まれ、子どもたちの思考はより拡がる可能性が多いと思います。また実際に「学び」へ向かう姿勢も見違えるように変わる事例もいくつか経験しました。1対1の指導で「やらせすぎ」てしまったことを反省したこともあります。
特性や到達度に応じた指導を考えるときにも、これらのことを考慮しながら取り組みたいと考えています。

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ぼくうみ予告編

「ぼくはうみがみたくなりました」の予告編です。


お近くで上映会がありましたら是非ごらんください。


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あなたとなら・・・


あなたとなら「三項関係」が築ける

あなたとなら「共同注意」が成立する

そんな私になりたいと

いっつも思っていますからね・・・

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「現状維持がしあわせ」

全く畑違いのTVプログラムでのことですが、
ふつうのおばあちゃんが「現状維持がしあわせ」と話していました。

もちろん支援や教育は目的やゴールを意識して行うものですが、えてしてこの「現状維持」の大切さを忘れてしまうことがあるように思います。
大人が思う「あるべき姿」にお子さん本人を引っ張っていくのではなく、より「おだやかで、豊かな」生活を保障するために何をするべきかをつねに考えていきたいです。

得意なこと・すきなことを大切にしながら、「世界」をひろげていくことができるようサポートしていきたいと思っています。

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ちゃんとわかっている

コミュニケーションに「障害」がある。とか、認知に「偏り」がある。
などとよく説明される自閉症スペクトラムの子どもたちです。

しかし、誰が自分のことを理解してくれて、誰がそうでないのかをきちんとわかっていることに気づかされる毎日です。

どんなに混乱していても、この人のそばにいると落ち着くことができる。そんな人がいます。
逆に、とても好きな活動でも、この人と一緒だと逃げ出したくなる。そんな人も残念ながらいます。

相互関係を築きにくいという「特性」はあるものの、きちんと周りの人たちのことを自分なりに位置付けています。
だからこそ、支援の側にいる私たちがどのような働きかけをして、どんな関係を作っていくのかがとても大切になってくると思うのです。


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自立課題 その3 

作業系のつづきです。
こちらは比較的簡単にできるほうです。

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最後は教科的な内容を含んだものです。

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他者からの介入なしに自立課題に取り組むことは、担当しているFさんにとってはなじみやすいものでした。
一日の学習スケジュールの中に「自立課題」を位置付けて取り組むと、Fさんはこの活動を大変気に入って、自分から「自立課題コーナー」に行って課題をやりたいと「要求」する姿も見られました。
学習時間に、自分用の自立課題6~8種類を棚から取り出し、自分で机に用意して課題に取り組み、終わった物は元の棚に戻すことも早い時期にできるようになりました。今後はさらに学習内容とリンクした自立課題にも取り組んで行く予定です。


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自立課題 その2 

次は分類系です。 洗濯バサミははさんで、ボールは丸い入れ物などの指示が文字や視覚で分かるようになっています。

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作業系です。結構複雑なものもあります。恐竜が好きなお子さんのために支援員さんが作ってくれたこの自立課題は他の子にも人気です。

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ここまでが作業系のなかで「組み立て」を主に行うものです。
今日はここまで、その3に続きます。

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自立課題 その1 

私たちの教室で取り組んでいる「自立課題」の紹介です。
紹介する大半は相棒が作ったもので、私と支援員さんが作ったものもあります。

自立課題とは子ども一人ひとりに合わせて、身近な材料で作る教材であり、教材を見ただけでどのように取り組めばよいのかが分かり、一人で取り組めるものです。自立課題に取り組むことで、「自分は一人でもできるんだ」という自信を育てることを目的として取り組んでいます。また、就労などへのスキルを身につけていくこともねらいになると考えています。

まずは「プットイン系」です。一目瞭然ですね。

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次は「1対1対応・マッチング系」です。

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その2に続きます・・・


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「続 発達の芽をみつめて」

「続 発達の芽をみつめて」 ~かけがえのない「心のストーリー」~
    近藤直子著 全障研出版部  1800円

この書籍については「日本福祉大学子ども発達学部教授・副学長の著作です。」なんていう他人行儀な紹介ができません。そういう理由がたくさんあります。

近藤直子ゼミの一期生である私は、一人息子の暁夫さんの誕生から昨年急逝された郁夫先生の温かな「語り口」までを今でもありありと思い起こせます。

この著作は、直子先生ご自身の人生やご家族のことにも触れながら、「発達」と「心のストーリー」についてわかりやすく書かれています。

「できるようになること」が発達なの?

この問いかけにあなたはどう答えますか?

最後のページの御池岳の写真、カラーだとこんなに素敵です!

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「非日常」への対応

この記事は09年9月25日の「いつもと同じ安心感」と関連する話です。

E君の修学旅行に付き添いました。
どの子にも一生に一度の小学校の修学旅行です。
食べるもの、余暇時間にすること、見学内容の調整、視覚支援・・・充分とまではいかないまでも親ごさんと話し合って準備をしてきました。

バスでの移動、慣れない食事、敷居の高い見学先・・・
準備のおかげかどうかは分かりませんが、どれもがんばっているE君の姿がとても印象的でした。

少し機嫌が悪くなっても、すぐにいつもの様子に戻そうとしたのはE君自身でした。

見学先をいくつか回る中で交流学級の友だちがいろんな声かけやサポートをしてくれました。
E君もたくさんの友だちと一緒だからこそがんばれたのだと思いました。

日の落ちた暗い中、学校に帰ってきました。
学校に近づくにつれて、E君の嬉しそうな声がだんだん大きくなっていきました。

帰って真っ先に行ったところはいつもの「遊び場」
非日常の出来事も、その後に「いつもと同じ安心感」があるからこそがんばれるものなんだと思いました。

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「桃色のクレヨン」

世の中はいろんなところで繋がっているようです。

「自閉症児とともに、きままにおさんぽ♪」というブログのリンクから私のブログを訪問された方がみえました。

「くめくめ」さんが書いているこのブログの9月16日の記事は「桃色のクレヨン」(人権啓発ビデオ)がYoutubeで流れているとの内容でした。この作品の原作者と「くめくめ」さんはブログを通してのお知り合いのようです。

私がPCでこの作品を見だしたら、息子がすぐに
「ぼくこれ、去年学校で見たよ・・・」といって、作品の内容を詳しく話してくれました。

ということで
こちらがYoutubeへのリンクです

それから
「自閉症児とともに、きままにおさんぽ♪」
はこちら

これからも
いろんな繋がりが増えていきますように・・・


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いつもと同じ安心感

大リーガーのイチローは、毎朝同じカレーを食べるそうです。
どんなに調子が悪くても、良くても「同じ」カレーを食べるそうです。

毎日の生活を安定したものにするには、「いつもと同じ安心感」がとても大切だと思います。
できるだけ同じことをスケジュールの中でも位置付けるようにしたいものです。

もちろん視覚支援やコミュニケーション支援の手立ても同じです。
今日は失敗をしてしまいました。
運動場に遊びに行くための「要求カード」がいつものカードフォルダーに入っていませんでした。
急いで探しても見つかりませんでした。
いつもカードを支援者に渡しながら「~行ってきます」をいうB君はとても戸惑っていました。
そして混乱気味に「~行ってきます」を大きな声でいってから運動場に出て行きました。

すぐに変わりのカードを作って次の休み時間からはそれを使ってもらおうとしましたが、 一度混乱してしまった「気持ち」はすぐには元に戻らないようでした。

毎日の「いつもと同じ安心感」をきちんと保障してあげようと反省しました。

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「ごめんなさい」という感情


ある朝、A君はとても「おこって」しまいました。理由は、いつも家から出るときの自分の仕事だと思っていることをお母さんがしてしまったからです。

学校についても、「おこれて」きてしまって、昇降口で水筒を投げてしまいました。残念なことに水筒は壊れてお茶がこぼれてしまいました。

朝の遊びから帰ってきた昇降口で、A君は自分がしてしまったことがとても気になって水筒を投げたところを何回も見に行きます。いつもはすぐに上靴に履きかえられるのに、今日はなかなかその場から離れられませんでした。

何時間か勉強したあと、教室の水筒を置くところをみたら水筒が置いてありました。(実はA君のお母さんが新しいのを買ってきて置いてくれていたのでした。)
A君は不思議そうに水筒を縦や横にしてながめます。そして、美味しそうにお茶を飲みました。

お迎えの時間になりました。
でもA君は、なかなかお母さんの車に乗ることができません。
やっと車に近ずいても、また離れてしまいます・・・
朝、自分がしてしまったことをとても後悔している様子です。

たまりかねた先生が「ごめんねってゆって車にのりなよ」と声をかけました。
すぐにA君はお母さんに「ごめんね」といって車に乗りました。
「ごめんね」ということでA君は車に乗れたのだと先生は思いました。


これは「こころねはみんないっしょ」という記事の続編になります。

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「パニック」について

自閉症スペクトラム児の教育に関わっている先生でも、
「自閉症の特性としてパニックはない。」というような話をすると驚かれる人がいます。
どのような条件・状況の時に「パニック」になるのかをきちんと分析すること。
「パニック」の原因が明らかになると、対応の方向性が見えてきます。

周りの環境を整えることが最も大切なことはいうまでもありません。
そのうえで、

スケジュールで対応するのか
視覚支援で対応するのか
コミュニケーションカードで対応するのか
タイムアウトやゴーアウェイで対応するのか・・・etc

対応次第で「パニック」が起きることはなくなり、穏やかに過ごすことができると考えています。

あるお子さんは、一番好きな「遊び」の写真カードで要求ができるようになることによって、一日のスケジュールの見通しが持てるようになり、いわゆる「パニック」がとても減りました。
つまり、この学習が終わったら、好きな「遊び」を要求できる。だからがんばれる。チャイムがなって「遊び」をやめてもまた、次の活動の後に「遊び」を要求しらた、それがかなえられる。だから区切りが付けられる。
日常生活に安心感があると、とても穏やかな生活が送れるようになるといえます。


「パニックは最大の不適応」これも佐々木正美先生の言葉です。

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100均時計を使った「タイムタイマー」の製作その2

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「タイムタイマー」の一応の完成写真です。



この段階で残っている課題は
・電源スイッチ
 絶縁体(プラスチックの板)を電池のマイナス極に抜き差ししてON・OFFをする。
 小さめのスイッチを買ってきて電池ボックスにつける
・ベル
 目覚ましを鳴らす時間を示す針の調整が難しい。
 (家で何回も調整していたら、息子が「それなら、100均のキッチンタイマーでベル代わりにしたら」とナイスアドバイス。それでも200円でできますものね。)
・赤いシートのストッパー
 本物では赤いシートの最後の部分に白いシートに引っかかるような突起物が付いています。

まだまだいろんな工夫ができそうです。

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100均時計を使った「タイムタイマー」の製作  その1

今年の自閉症スペクトラム学会で「タイムタイマー」を販売していました。
大きい方のはY君のおうちのを借りているので支援学級にあるのですが、持ち運び安くどこでも使える小さい方も以前から欲しかったのです。
値段を聞いてびっくり6000円を超えています。構造はそんなに複雑そうには見えません。
「じゃあ作っちゃえ」ってことで100円ショップの時計を使った「タイムタイマー」を作ってみました。

作り方


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ダイソーの目覚まし時計です。
いろんな形がありますが四角が一番いいようです。


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うまい具合に前の透明プラスチックがねじではずせます。
秒針・分針・時針をいったん外します。(抜くだけでOK)

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赤いシートは家にある「暗記シート」を使い、白い方はクリアファイルを使います。
赤い方は丸く、白い方は時計盤の大きさに切ります。
中心は穴をあけます。赤い方はドーナツ状に切って一部だけつないでおきます。
どちらも切り込みを入れます。
それを挟み込むと、ほら「タイムタイマー」ぽくなりました。
私はきちんとシートを動かすために分針を赤いシートに貼りました。この方法の場合は張る位置を実際に動かして確認してください。内側に最後まで残るところがいいようです。

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下に赤いシートを付けます。分針が張ってあると簡単に取り付けられます。
白いシートを赤いシートの上に張るためのスペーサーを四隅につけます。今回は発泡スチールのトレーを切って使いました。

その2に続く・・・


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リセット

「リセット」という言葉を最近よく聞くようになりました。
入院しての療育を行う施設でそれまでの生活習慣や行動様式を「リセット」して適切でない行動を改善しようとするものです。具体的な内容は施設によって異なると思いますが行動分析によるものが多いようです。
ただこの数カ月に及ぶ入院療育は家族にもお子さんにも大きな負担になるものだと思いますし、その後の家庭生活や学校生活への移行も課題が多いと思います。
では、そのような大きな「リセット」以外の方法はないものかとかねてから考えていました。

通常学校に設置されている支援学級で行える「ミニリセット」として以下のようなことを行おうとしています。
・カードを用いたコミュニケーション支援
 まずは、「したいこと」「欲しいもの」「行きたいところ」から
・教室環境を変える。(構造化)
 自立課題を行うスペースを教室に設けました
・カリキュラムの変更・改善(教科重視から活動重視へ)
 国語・算数を「ことば・かず」に、「自立活動」「生活単元」の内容充実
・教材の開発
 1人1人のお子さんに合わせた教材作り
・指導法・支援法の改善
 「三つ組」をターゲットとした指導
・スタッフ間の意思統一

お子さんが日々過ごしやすい教室を作ることを第一にして取り組んでいきたいと考えています。

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自閉症スペクトラム学会にて

8月29・30日の2日間 福井県立大学で行われた「日本自閉症スペクトラム学会第9回研究大会」に参加しました。

神尾陽子さん(国立精神・神経センター)の大会記念講演から、学会企画シンポジュウム、自主シンポジュウム、ポスター発表まで大変内容の深いものが多くありました。
私自身は2年ぶりの大会参加でしたが、支援学級の担任としてより具体的な観点で学べたと思います。またフロアからの質疑にもできるだけ参加しました。
この学会で知り合った秋田県の ふさ子・ボーンさん(人間行動学)にも再会できました。また、在宅支援としての自宅の構造化を発表された、中谷正恵さんからも貴重なアドバイスをいただきました。

最新の自閉症研究や脳科学からLD児への学習指導、通常学級での特別支援まで、このブログで記事にしたいことは山ほどあるのですが・・・
2学期からの取り組みの準備の方が優先です!

「知は力」
そして、知ることによって「勇気」も もらってきました。


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子どもにとっての「社会性」

「社会性」を身につけるために、といういい方はよく教育現場で聴かれます。
そのために交流学級に行かせることが必要だという人もいます。極端な場合は支援学級での指導・支援は行わず交流学級でずっと過ごさせるということもあるようです。また、その逆でまったく交流を行わないこともあるようです。(「交流および共同学習」については地域によってずいぶん違うようです。)

いずれにしても、「社会性」が具体的にはどのようなものなのかを分析する必要があると思います。
なんとなく「このようなもの」ではなく、どの程度身についているのかがきちんと評価できるようにしておくべきだと思います。


このようなサイトが参考になるかもしれません。
「社会性の発達について」


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自立課題の作成

地元の特別支援学校の開催する「自立課題作り」の研修会に支援学級のスタッフ3人で参加しました。
支援学校の先生のお話の中で使われたDVDは朝日新聞厚生文化事業団制作の『わかる・できる!親と教師のための自閉症の子どもの自立課題』でした。(このDVDにはメジホフ教授のお話もあります。)
お話の後は、それぞれの担当するお子さんに応じた「自立課題」を1時間程度で作るワークショップです。
事前に100円ショップで購入したり、校内で集めていただいた役立ちそうな材料がいっぱいありました。
・パッケージングとして使える「コスメセット」
・プットイン用のふた付き容器
・組み立てに使うためのボルトやナット
・事務作業練習の封筒
・マッチング用の画像プリント・・・

私たちが作業している間に講師の先生やお手伝いの先生方は「○○さんにはこれをこうして~」と具体的な話をされています。
具体的に子どもの様子を知っている支援者同士が知恵を出し合いながら教材を作ることはとてもいいことだなあと思いました。それに、なにより楽しいです。
私はボルトやナット、ワッシャーをつかった分類や組み立ての教材を作りました。
相坦さんはカラーマッチングのプットインなど
支援員さんはボードを上手に切ってステゴザウルスの組み立ての教材です。これは恐竜の好きな高機能のお子さん向けです。

他の参加者の作られた自立課題もとても参考になるものがたくさんありました。これからの教材つくりにとても役立つ研修でした。
夏休みはこうしたことがゆっくりできますが、2学期が始めるとなかなか時間が取れません。「一週間に1回ぐらいこうゆう時間があるといいねえ」と話しながら帰ってきました。


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100円ショップで教材作り

100円ショップに、フランクリンモーターの材料(これは息子の自由研究用)買いに行ったついでに、自立教材の材料などもいくつか買ってきました。
先日「相棒」が研修で「200円&10分以内でできる教材」のよさを学んできたそうです。それを教えてくれたので、気楽に作ってみることにしました。


1
まずは、マジックハンド。これは、感覚運動用です。
平均台やスクーターボードなどにのりながら物をこれで取るなんてのはどうでしょう。


Photo

つぎは、レゴ(もどき)。設計図を見て作ります。教材でもあり、遊びでもあります。


3
これは「デルタックス」という知育玩具。レンチやドライバーもついています。部品がかなり小さいので器用な子向きです。


みんな100円!部品を分ける容れ物としてフタ付きのプラスチックカップも買いました。もちろん入れ物の皿も100円です。


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発達における「主体性」

「自らの働きかけで周りが反応する」ことを自閉症スペクトラムのお子さんたちに経験させることは大変重要なことであると考えています。
自分勝手に好きなことをし続けている限り、今以上のコミュニケーションが獲得されていくことはあまり望めません。

なんらかの方法で支援者に「働きかける」ことで支援者が反応することを通して、「やりとり」の実行感を得ることができます。この積み重ねがコミュニケーションへと繋がっていくのだと思います。
その方法は、PECSでも写真でもカードでもVOCAでもハンドサインでもクレーンでも、もちろん音声でもどんな形でもいいと思います。

まずは支援者がそのやり取りを楽しみ、要求はできるだけかなえてあげることからはじめてはいかがでしょうか。

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「非定型発達」という概念について

 ここ数年、自閉症スペクトラムに関わる研究者のほとんどが「非定型発達」という概念を何の疑問もなく使っていますし、自閉症スペクトラムを説明する時も、まずこの言葉を使うことが多いようです。

 これは「哲学」の問題かもしれませんが、私はこの「非定型」という言葉自体に少なからず違和感を感じていました。また、日本で第一人者と呼ばれている教授も、あるセミナーで「歪んだ発達」というような表現をされており、その言葉がひっかかり素直に拝聴できなかったことがあります。
 私の発達心理学との出会いは「発達保障理論」です。そこでは「どのような障害があっても発達の道筋はすべて同じである。」でした。また、昨日の公開シンポジュウムで「精神医療の現場から」として話された高橋先生(豊田市こども発達センターDr)は定型VS非定形という捉え方をするのではなく「発達マイノリティー」として捉えるべきだと話されていました。
 真の「共生・共存」を目指した療育の方向性は「マイナスからのスタート」であってはいけないと思います。言語理解1歳のレベルを獲得することによって当事者の生活自体が落ち着いてくることを考えれば、「プラス」を積み重ねることと、認知特性を理解しながら、ていねいなコミュニケーション獲得の取り組みをすることは不可欠であると思います。
 「こころね」が変わらないのと同じように情動のシステムや発達の道筋も同じであるという認識からスタートする。このような理解のスタンスがあってもいいのではないかと考えています。

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○くんのお母さん

○くんのお母さんは、
○くんが今できることをきちんと知ってみえます。
そして、できることをいつもよりも頑張ったり、すこしでもできることが増えると、
「○くん、すごいねえ!えらいねえ!」と、とても明るい声でうんと褒めてあげてくれます。
そばで聞いていたスタッフも、とてもうれしい気持ちになります。

身近な人の称賛は、子どもにとって最も大きな「ごほうび」だと思います。
おやごさんだけでなく支援者も「認め、励ます」声かけを常に大切にしたいものです。

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「こだわり」をどうとらえるか

各機関の専門家が集まったケース検討会に参加しました。

その中の1ケースで「認知レベル」が高いにもかかわらず、感覚刺激に「こだわり」が強いお子さんのケースがありました。視覚支援やスケジュールが自分の好きな行事や活動がある場合は有効であるが、日常的な学校での活動ではどうしても「こだわり」が強くなかなかやめられないということでした。

参加していたPT(理学療法士)の先生から
「満足しきれていない何か」をその行動を観察することによって見極めていくことが必要だという助言がありました。
たとえば「水遊び」を例にとるとその行動の中の、水の触覚なのか温度なのか、水のキラキラなのか、泥の感触なのか、その子がどの感覚刺激を求めているのかを明らかにすることによって、どの感覚を意図的に「入れて」いくといいかが分かってくる。ということでした。
また、そのような単純で未熟な感覚にむかい続ける原因として、成育歴や感覚歴をみていくことも必要である。また、自分の体をコントロールする力、筋肉の使い方、ボディイメージなどをきちんと身につけていくことも必要である。と話されました。
行動を感覚のレベルでもとらえることは、子どもの全体像をつかむためにも大切であると思いました。


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「普通」のマナーを身につけること

就労をゴールとした時、本当のゴールとは、「職場でもその人らしさをなくさずに、そこでずっと働くことができる。」ことであると思います。

前回の記事で紹介した会議で、就業・生活支援センターの所長さんが「ごく普通のマナーを身につけていることも大切です」と話されました。あいさつをはじめとする日常のマナーが身についていると就労が定着しやすいということです。このことは確かにそうだろうと納得できます。しかし、自閉症スペクトラムやコミュニケーション障害をもった人の場合はどうでしょう。
うまく人と関わることができないからこそ「困っている」人たちはたくさんいます。
作業はきちんとできるのに、職場でのコミュニケーションが苦手という人も多くいます。

職場がその人の特性に応じた工夫や配慮を行うことができれば、就労率や定着率も今以上に上がっていくと思います。かなり前の記事で紹介したことのあるNTNの「夢工房」では、職場全体で視覚支援の配慮がありました。また、本人が作業しやすいようなジグを同じ職場で働くエンジニアが作ってくれたという話も聞きました。そして、本人用のカームダウンスペースまで作ってくれてたとのことでした。
ここまでは望めないとしても、周囲の理解が「そこでずっと働くことができる。」条件を作っていくことは確かだと思います。
もちろん「普通」のマナーを身につけることも大切ですし、コミュニケーションの能力を高めることも必要です。ただこれらを『就労の必要条件』として位置付けることはやめてほしいと思います。

また、この国の経済状況が障害や特性を持った人たちの就労に大きく影響していることは確かです。しかし、「不況だから仕方ない。」とあきらめるのではなく、すべての人が安心して働き、暮らすことができる福祉政策を求めていくことも大切だと思います。


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進路指導・支援について

進路についての会議で

「どんなところに出す(進学・就職させる)か、ではなく学校にいる3年間でどんな力をつけるか、何が好きか、何でその子が充実した毎日を送ることができるのか、が大切なんだ。」
とベテランの先生が話してくれました。
いわゆる「送り先」を目的にした技能教育ではなく、その子の特性を生かし・伸ばしていく教育の中に必要なスキル指導も含めていくといった「トップダウンとボトムアップの融合」のような観点でお話をされていることに気付きました。

また、就業・生活支援センターの所長さんは
「どんなにうまく就労できたとしても課題は必ず生まれてくる。職場や家庭、関連機関のサポートは常に大切です。」と話された後に、「『~したい。』や『~することが大好き。』という気持ちを持てるような支援をすることが学校教育の段階から重要です。」とも話されていました。

毎日の実践の中で
「楽しく取り組めること」をもう一つ増やしてみませんか?


もうひとつ話題になった
「ごく普通のマナーを身につけること」
これは次の機会に・・・


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音楽療法

英語だとミュージックセラピーですね。
このブログでもリンクさせていただいているカリフォルニアのSandieさんのブログにミュージックセラピーのビデオが紹介されていました。(こちら

たくさんの療育法がありますが、音楽や音楽に合わせた動きを利用する方法は大変有効であると実感しています。
音楽やリズム、歌に合わせた、ダンスや手遊び、動作は楽しみながら取り組めるところが一番の利点です。

お家でも、学級でもいろんな「楽しい療育」に挑戦してみてください。

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自閉症児の挑戦!

親ごさんのブログの紹介です。

南カリフォルニアにお住まいのSandieさんは重度自閉症児と高機能自閉症児の2人のお子さんの親ごさんです。
この「自閉症児の挑戦」というサイトには、学校や家庭などでの日常的な取り組みが紹介されています。
日本での取り組みとの違いがよくわかる(ある意味うらやましい!)内容です。

学ぶべきことがたくさんあるなあと思いました。

「自閉症児の挑戦!」


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教材紹介のページ

一人ひとりのお子さんに応じた教材はとても大切です。
しかし、支援学級は支援学校に比べるとスタッフの数も少ないですし、在籍するお子さんたちの課題もより幅が広いことが多く、教材作りに困ることが多いことがあると思います。また、担当者も数年で変わることも多いので教材の蓄積が少ないこともあるようです。

「トミー」のページという教材紹介のサイトを見つけました。
自作の教材やプリントアウトして使える教材など種類も多くすぐ使えるものが多いと思いました。
また、これからの教材づくりの参考にもなると思います。


アドレスはこちら↓
http://homepage2.nifty.com/tomy_s/printindex.htm

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伝わっていると確かめ合うこと

「言葉」は簡単に伝わらない事があっても、「気持ち」が伝わることを実感している親ごさんや支援者の方がみえると思います。
これは論理的なことではなく、直観的なことですが、お子さんの「うれしい」「たのしい」「誇らしい」「褒めて」は言葉で表わさなくても私たちに伝わってきます。
逆に私たちの「頑張ったね」「えらいね」「うれしいよ」も伝わっていると思います。肯定的な気持ちだけでなく「困った」「どうしよう」も伝わっていると感じることがあります。

時計を見ていないのに、周りの状況が分かっていないのに、ちゃんとすべてのことが分かっているかのように行動できるお子さんがいました。
好きなことをずっとしていても、ここぞという時になると、やるべきことにさっと復帰することができるお子さんでした。
きっとこの子は支援者のタイムリミットを何らかの形で感じてそれが理解できていたのだと思います。
ぎりぎりだけど、スムーズにやるべきことに復帰した、こんな時は自然と「ありがとうね、えらいね」という言葉が出てきます。

互いの気持ちが伝わっていることを何らかの形で確かめあうことは、すべてのお子さんにとってとても大切なことだと思います。

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「どうぞ・ください・すわる」

私自身、自閉症スペクトラム児の言語発達について詳しいわけではありませんが、発語による意思表示が特徴的なことが多いように感じています。(もちろん、これは一般論ではなく個々のケースによっても違いがあると思います。)
以前の「翻訳機はない」の記事では言葉の中にさまざまな意味があり、使われる文脈によって解釈も変わることを書きました。
今回も言葉についてです。
してほしい事全般で「して」、背中を見せて「かけ」、ほしいものを指差して「ちょうだい」、給食で「おかわり」などは機能的でしかも使いやすいフレーズです。
このような要求語をいくつか獲得しているお子さんが、
「どうぞくださいすわる」と早口で一気に支援者に話してきた事がありました。この外国語の直訳風文章。はじめは「すわる」という「命令」ではなく「すわってください」という「お願い」を含めた意思表示なのかもしれないと考えたのです。
しかし、よく考えてみると、「どうぞ」はpleaseの意味ではなく、いつも支援者が子どもさんに「~していいよ。どうぞ」と言って許可を与えていることから、「していいよ」という意味が含まれているのではないかと考えました。
つまり、そこに立っていないで「すわっていいよ」という「許可」の意思表示だったのかもしれないと考えました。(どちらにしても支援者は、せっかくお子さんが発語でのコミュニケーションを取ろうとしたのだからと思い「座る」行動を行うことになるのですが・・・)
これは、いくつかの言葉を組み合わせての発語が可能になってきたということが分かります。
2語文・3語文を獲得させるためにどんな支援が必要なのかをしっかりと探っていきたいと考えています。

また、文法的な問題として、助詞が抜けやすい、語順に誤りがあることなども指摘されています。
以前、語順や助詞をきちんと理解させてから2語文・3語文の指導をしようとした時に、大変お子さんが混乱したことがありました。もともと音声言語が苦手なお子さんに対して、何種類もある助詞を使わそうとしてもう一段ハードルを高くしたことになったのだと反省しました。マカトンをはじめとするハンドサインや絵カードでのコミュニケーション(PECS)などでは、助詞は省略されています。「理解しやすい・表現しやすい」をモットーにした支援内容を作り出していきたいと考えています。


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「NOがいえる関係」

支援者が子どもに「NO」を突き付けることは、日常的に頻繁にみられることです。
指導・支援の名の下の「NO」ばかりで、子どもの「NO」は聞かない、子どもの「NO」を読み取ろうとしない。
このようなことがずっと続いたら、子どもはどんな行動特性を持つようになるのかを考えることは大切です。
いわゆる「問題行動」が支援の場で増えるかもしれませんし、活動に対しての意欲がなくなり大変受動的になるかもしれません。
子どもの「NO」を理解しそれを受容できる支援者になることができれば、子どもは支援者に対して信頼感・安心感を持つと思います。
いわゆる「ラポート(親近感・親密感)」は、この信頼関係を基礎に形成されると言えます。
家庭生活の中では「適応」を見せているお子さんが、支援の場では「不適応状態」にあることは多くあります。
原因はどこにあるのかを分析することは大切だと思います。

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ロバース法から思うこと

ローバースらの行った早期集中介入については、さまざまな評価がありますし。私自身そのエビデンスについて疑問を持っています。
ただ、以前何かの機会に、アメリカの家庭でのロバースプログラムを父親が行っているビデオを見たことがあります。
そのビデオでお父さんは、大変元気よく部屋の中を子どもと一緒に駆け回って、「これは~だよ。さあ~を使ってみよう。」などと声かけをしながらお子さんの発語を促していました。お子さんの様子も楽しそうでした。
ロバース法ではなくても、情動的に心地よい状態で発語やサイン言語を獲得させることは有効だと思います。

「こちょこちょして」と要求できる子に、父親(母親)が子どもの手をもってトントンとをたたかせ「お父さん(お母さん)」と言わせ、次に手をもってトントンと子どもをたたかせ「○○(子どもの名前)」と言わせます。その後に「こちょこちょして。」と言わせる練習などを楽しく行ってみるのはいかがでしょう。いろんなことに応用できそうなスキルです。
まだ発語がないお子さんにも指差しやサインで取り組めるのではないかと思います。
どんなことでも楽しいことを一緒にしながらコミュニケーションがとれるといいなあと思います。

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翻訳機はない

自閉症スペクトラム児は音声言語(バーバルコミュニケーション)が苦手です。
比較的発語が多いお子さんの場合、この子は「言うことを理解できている。」とか、「内言語が豊富である。」などということが多くあります。
しかし、本当にそうでしょうか?
「座る」と言われて座ることができるお子さんがいたとします。
このお子さんが、自分がやっていることを止められたり、邪魔されたりしたくないときに支援者に「すわる」と言ったとしたらどうでしょう。このお子さんにとって「すわる」は「邪魔をしないでそこにいろ!」「何もしないでそこにいろ!」という意味だと翻訳できるのではないでしょうか。

また、とても楽しい室内の活動を楽しんでいるとき、「砂場、靴をはく。」と言ったとしたら、どのような翻訳が適切でしょう。
もしかすると「砂場」にも「靴をはく」にもその言葉の意味はなく、「とっても楽しいよ!」と訳せるのかもしれません。

私たちの言葉がけがどのように受け止められているか、そして子どもたちの言葉をどのように訳していけばいいのかは、もしかするととても難しいことなのかもしれません。
もちろんそんなことができる翻訳機はありません。

私たちが言葉に頼り過ぎている。その言葉は共通の意味を持つことが少ない。と認識する必要があるのかもしれません。

だからこそ、視覚支援なのだと思います。
一緒に仕事をしている若い先生がいます。彼女はいつもポケットにメモとペンを入れて、言葉だけでなく絵を描いて子どもたちに話しています。
いつも、このような原則的な取り組みができる支援者でありたいと思っています。

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「支援の失敗」

「パニックは最大の不適応である。」という佐々木正美先生の言葉を以前にも記事にしたことがあります。
これは自戒をこめて言うことですが、「パニックを起こさせた支援は失敗」です。「パニックを起こさせた支援」は実は「支援」ではないのです。
どのような、対応が「パニックを起こさせたか」をきちんと分析して、どのような配慮が必要かを考えることが大事です。

子どもの「思い」を「思いやって」対応する
許容範囲を広げる
スケジュールをわかりやすくする
意志を何らかの形で伝える方法を子どもにつけさせる
・・・・

いくつもの支援を積み重ねることによって、穏やかな毎日がくることを確信して毎日の実践を続けていきたいと思っています。


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自立支援のための課題分析について 

自立支援のための課題分析について

日常的な生活に必要なスキルを身につけさせるためにも課題分析は重要です。
特別難しいものではありません。身につけさせたいスキルを細かい行動に分けていくだけです。

例えば、「立ったままパンツをはく」というスキルを例にとります。

1 パンツの裏と表がわかる
2 パンツの表を上に、はく側を手前に置く
3 パンツの両端を両手で持つ
4 立ったまま右(左)足をパンツの右(左)側に入れる
5 立ったまま左(右)足をパンツの左(右)側に入れる
6 両手でパンツを引き上げる

これでOKです。
スキルをスモールステップに分ける(分析する)ことによって、どの部分はできていて、どの部分が難しいのかが明らかになってきます。難しい部分を克服できれば、ゴールはすぐです。

取り組みの際にはABAでいう「バックワードチェイニング」という方法を使います。これは、簡単に言うとてきあがり直前の状態からの練習です。この方法が優れているのは、常に「できたね!」という言葉かけができ、常に子どもに達成感を味わわせることができるということです。

先ほどの分析を逆に取り組んでいきます

1 立ったまま両足が通ったパンツを立ったまま引き上げる
2 立ったまま片足が通ったパンツに逆の足を通す⇒1へ
3 立ったまま片足をパンツの中に入れる⇒2へ
4 両手でパンツを持つ⇒3へ
5 パンツの表を上に、はく側を手前に置く⇒4へ
6 パンツの裏と表がわかる⇒5へ

2と3が一番難しそうですが、2の練習を左右を変えるなどすると効果的かもしれません。
ケンケン飛びや片足立ちを交互にする運動などが片足バランスの基礎になると思います。
また、目と手の協応やボディイメージから取り組む必要があるケースもあると思います。

支援学校では当たり前のように行われている自立支援の取り組みを、もっと支援学級でも行われるようになることを願っています。


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感覚統合からのアプローチ

大学の卒論は「脳性まひ児の姿勢反射と療育の可能性」でした。もう30年も前のことです。
発達心理学からのアプローチでボイタ法・ボバース法などの可能性とOTの必要性を書きました。当時はNICUなんてものは日本にはほとんどなかったように思いますが、新生児治療の重要性は痛いほど感じていました。また、運動機能と子どもの発達の関係性を大変意識していたようにも覚えています。
しかし、教員となり自閉症スペクトラム児の教育に関わるようになってから、それらの研究のことを全くの過去のことにしていました。

最近まで、エアーズらの「感覚統合」についても名前だけを知っているだけでしたが、支援の一環として「感覚統合」を取り組む必要性が少しずつわかってきたように思います。

詳しくはここでは述べませんが、これからは具体的な実践を積み重ねていこうと考えています。


ちなみにWikipediaでは「感覚統合」を以下のように説明しています。
LDや自閉症を含めた発達障害のある子等へのリハビリテーションの一つ。前庭系、体性感覚系(固有受容覚、触覚)での感覚情報処理が重視される。 感覚統合とは、環境のなかで自分の身体を適応させるための感覚情報処理過程であり、この機能障害は、環境に対する適切な行動、運動、学習などを妨げると考えられている。近年、自閉症者らによって自らの感覚過敏、身体機能の障害(不器用)が語られ話題となっているが、感覚統合療法では、これらの問題を「感覚調整障害」、「行為機能障害」という枠組みにて整理し治療的介入の実践を積み重ねてきている。


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意思表示カード


「いやだ」や「やめてほしい」「そうしたくない」「ここにいたくない」カードを作ることにしました。

ある行動に対して○や×を選択するボードについては、前回述べました。
今回は「NO」の意思を表すカードです。

自閉症スペクトラムの子たちは、NOの表現ができずにとても苦しい思いをしているときがあります。パニックになることも少なくありません。

佐々木正美先生は講演会で
「パニックは最大の不適応である。」ときっぱり言い切られていました。

情緒が不安定だという理由でパニックになっていると分析するのではなく。
今の状態から逃げたい。こういうことはしたくない。こうゆうことをやめて。などの本人の要求がかなえられないときにパニックになると捉え直してみてはいかがでしょうか?

子どもの「NO」をしっかりと受け止めてあげられる支援者でいたいものです。


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Tomさんからのコメント

Tomさんから「最初のコミュニケーションボード」の記事へこのようなコメントをいただきました。

この記事の「命令には使わない。」大事ですよね。どうも我々は言うこときかす道具として視覚媒体を使う傾向があり、気をつけなければなりません。
そういえば今年度、幼児期むけに「支援ツールをつくろう」という研修を数回実施しました。幼児期の支援現場は支援に対するとりくみは熱心になり、かなり面白い支援ツールをつくっている園もありました。
ただ気になったのは、皆、大人がカードをいちいち見せて提示する道具として使用していることです。こどもがそれを見て能動的に、行動的に、選択的に行動するようには用いていなかったのです。まだ「見せればいい」という表面的な理解なのかもしれません。
それからこどもの思いをきくツールとしても使用にもまだなっていない気がします。
このあたりもまだまだ啓蒙期と感じる所以です。
(以上引用)

本当になるほどそうだなあ、と思いました。子どもを主体とした視点からの取り組みが少ないことは残念なことです。
「視覚支援」の言葉の意味は、「視覚媒体を活用して子どものコミュニケーションを支援する。」ということですね。
せっかくの取り組みを意味のあるものにするために、ぜひとも「支援」ツールを活用していただきたいと思いました。


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コミュニケーションの本質

自閉症スペクトラム児の療育を考えるときに、コミュニケーションの指導は中心的課題になります。
ではコミュニケーションとは何だろうと考えました。

情報の伝達、

互いの意思の疎通、

思いを共有すること、共感しあうこと・・・

いろんな答えが出てきそうです。

ひとりの人生においてコミュニケーションの役割は大変大きいものだと思います。

より豊かなコミュニケーションを築けるようにしていきたいものです。これは、子どもさんの課題だけでなく私たち自身の課題でもありますね。

以前にもリンクさせていただいた「エルの引出し」というブログに「コミュニケーションの本質」という記事がありましたので紹介させていただきます。


「コミュニケーションの本質」


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素敵な歯医者さん

こんな素敵な歯医者さんが、

どこの町にもいてくれたらなあと思います。

ふなびき開進橋歯科

住所を見てびっくり「やっぱりなあ、倉敷だ!」

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コミュニケーション・サンプルについて 補足1

コミュニケーション・サンプルについて 補足1

サンプルの機能の説明をします

要求:ある物が欲しい。何かして欲しい。何かをする許可が欲しい。
Ex.絵カードの「トイレ」を示す。「掻いて」と言う。クレーンでして欲しいこと示す。など

注意喚起:自分に注意を向けてもらいたいことを示す。
Ex.教師の肩を叩く。「ママ」と呼ぶ。机をたたく。大きな声を上げる。

拒否:物を拒否する。他の人のすることを拒否する。自分に対する要求を拒否する。
Ex.いらないもの遠ざける・投げる。頭を振る。「いや」という。

説明(コメント):自分や他の人、目の前にある物の状態などを表現すること。相手が知っていること。 
Ex.物を持って誰かに見せる。「終わった」という。人が階段を登っていて「上」という。

情報提供:活動の報告やこれからの活動について言うこと。質問について答えること。相手が知らないこと。
Ex.「きのう家でテレビを見た」という。「本をどこに置いたの?」の質問に指差しで答える。

情報請求:自分が必要な情報を教えてほしいと伝えること。
Ex.「パズルはどこ?」欲しいものを探しながら教師を見る。教師の手を引く。

その他:「好き・嫌い」などの感情表現。「痛い」などの身体表現。「おはよう」「ありがとう」などの社会的習慣。


今できるコミュニケーションをこのような機能別に分析していくことは、次に考える「ゴールの設定」に大きく関連してきます。

まずはいろんな場面でサンプルを採っていきましょう。

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コミュニケーションブック・ボードを作ろう

自閉症スペクトラムのお子さんは音声言語(バーバル)が苦手です。
通常学級に在籍しているお子さんでもずいぶん苦労していることがあります。

この苦手感をすこしでも楽にするためのサポートグッズとして
コミュニケーションブックやコミュニケーションボードがあります。

声かけだけでは伝わらないことが、これらのグッズを使うことによって伝えることができます。
お子さんが望んでいることを具体的に知ることもできるようになります。

発語を目標に取り組むのではなく、その先にある実質的なコミュニケーションを目標にして取り組む方が、子どもにとっても支援者にとってもプラスになると考えています。

一人ひとりのお子さんにぴったりのブックやボードを作っていきたいものです。

参考サイトはこちらから

コミュニケーションブック

コミュニケーションボード


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コミュニケーション・サンプルフォーム

お約束の、
コミュニケーションサンプルフォームをエクセルで作りました。

学校生活や家庭での「ある場面」を2・30分程度観察して記録してみてください。
どんな文脈でどんなコミュニケーションが今成立していることを見極めていくと、
芽生えはじめているコミュニケーションも見えてくると思います。

「csf.pdf」をダウンロード

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実態把握のためのコミュニケーションサンプル

実効的な支援・指導を行うためには、一人ひとりの子どもの実態把握が欠かせません。

特別支援学校では、WISCⅢやPEP‐Rを行うようですが、特別支援学級にはそのような高価な検査はありません。それでは実態把握のために何が有効か考えてみました。
まず、一つはAAPEPです。これは以前に「AAPEPを発達課題に」の記事で書いています。
もうひとつ大変重要になることが、「コミュニケーションサンプル」をとることです。
コミュニケーションサンプルとは、具体的に子どもがどんなやり方で、どんな内容のことを私たちに伝えようとしているのか、また私たちから何かを伝えようとするとき、どのような工夫で正確に伝えることができるのかということを詳しく記録するものです。

評価項目としては、以下の4点があります。
機能(コミュニケーションの目的)
文脈(コミュニケーションが行われた状況)
形態(コミュニケーションの手段)
内容(コミュニケーションの内容)

まずは、実態把握をしっかりと行って具体的な支援につなげていきたいものです。
コミュニケーションサンプルのフォームは今から作るので、明日アップしますね。
それから、安価な「太田ステージ評価」は大変簡単でしかも有効です。太田ステージについては今後、別の記事で紹介していきます。


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LEGO

LEGOは余暇活動の王様だと思っています。

非常に簡単な形から、設計図を見ながらの複雑な形まで、造る側のレベルに応じたものができます。
もちろん創造的な造形もできますし、動力を組み込んだものやパソコンと連動したものまであります。

別にレゴで造ったものを何かに見たてなかったとしても、組み立てたり壊したりすること自体がとても楽しいものであると思います。

また、自立活動の一つとしても活用できます。
使用する部品と組み立て図をわかりやすく提示し、それを見ながら同じように作業をするという活動です。
トップダウンの視点でみると、このレゴの組み立て活動は大変意義のあるものです。
つまり、すべての組み立て活動の原点ともいえます。

これは私の経験談で余談になるかもしれませんが、
オートバイの分解・修理・組み立てをしようとした時、メーカーからでているサービスマニュアルを見ながら作業を行うことになります。この時、小さい時からレゴの設計図やプラモデルの設計図に親しんできたおかげで何の苦もなくマニュアルを理解し無事に修理できたと実感しました。

しかし、こんなレゴにも欠点があります。
一つは値段が高いこと。もう一つは組み立てやすいが分解しにくい。(レゴをはがす道具もあります)


Lego

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パニックについて

パニックになっていたり、泣いている子どもを「情緒が不安定になっている」と表現する先生がいます。
確かに大変興奮していることには違いないのですが、これを「情緒」の問題とすると袋小路に迷い込むことになると思います。
「情緒の安定を図る」というフレーズもまだよく聞かれます。しかし、このような目標の場合に具体的な方策があまり示されていないことも事実です。

パニックの原因として

言われていることが理解できない
自分のしたい行動が制限された
自分の要求が伝えられない
何をすればいいのか分からない
どれだけ続けるのか、いつ終わるのか分からない
予定が理解できない、予定が変わった
聴覚的なノイズ、視覚的なノイズが我慢できない
急に触られたりして不快だった
以前の不快な状況と似ている
 
などが考えられます。

パニックの原因がすぐに分からなくても、仮にこういうことが原因として考えられるという「仮説」を立てて、対策を講じてみることは大変重要なことです。
パニックに対する取り組みは実は、毎日の生活をより分かりやすく、より楽しくすることにつながっていくのです。

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今の姿を認める

子どもの支援を考えるとき、子どもの「今の姿を認める」ところからスタートしてほしいと思います。

「今できること」や「今好きなこと」が今の子どもの姿です。
それを認め、それを生かしていく方向が最も子どもに適した支援方法であると思います。

支援計画を立てるときにどうしても「あれも、これも」と欲張ることがありますが、きちんとしたステップをふまない限り単なる大人の側の期待でしかありません。

発達の道筋は自閉症スペクトラムの特性を持っていてもいなくても同じであると考えています。
今できることを広げること(横の発達)が次のステージへの原動力になる(縦の発達)という発達のスパイラルという考え方です。

マイナスをうめていくという発想でなく、常に今の姿からのスタートというスタンスを堅持してほしいと思います。

「人生にスタートは何度あってもいい」のですから。

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「クレーン」について

自閉症児が何かを要求するときに、「他の人の手を取り、これを操作し、欲しいものをとらせる。」ことを「クレーン現象」と呼んでいます。
このような行動が、なぜ起こるのかについては様々な説がありますが、私は三項関係の成立の難しさが原因であると考えています。他者は認識できていても、他者の目線を読み取れない。つまり、指差しをすることによって相手の注目を対象物に向けることができると認知できない。このため、要求を伝達するために直接相手の手を操作するクレーンを行っていると考えています。

自閉症児の成長記録で「クレーン⇒指差し⇒発語」の順で要求手段が変わっていったことが紹介されているものがありました。このことからもクレーンから次の手段に移行させることは大変重要な取り組みであることが分かります。

特別支援学級で自閉症のお子さんを担任されている知り合いの先生から以下のような実践をお聞きしました。(私はとても素晴らしい取り組みだと思いました。)

意思を伝える手段として、活動の写真カードを子どもの前に提示して、どちらがしたいかを選ばせるように働きかけた。この取り組みで「自ら選ぶ」ということの意味を理解することができ、やりたくないものが目の前にあっても混乱せずに、自分が選んだ活動をスムーズに行うことができるようになった。
またその後、徐々に離れているものを指差して要求することもできるようになってきた。このことにより、自分の意思を伝えやすくなったためか、担任に対するクレーンが減ってきた。しかし、その子どもにあまり接していない教師に対しては、まだ直接クレーンで要求することがある。とのことでした。

より適切な要求手段を獲得することでクレーンが消失し、指差しができるようになったことは、明らかに指導の成果であるといえます。
また、本人とのラポート(親近感・親密感)の程度によって要求手段が異なってくるということも、今後の指導の在り方に大変示唆を与えていると思います。

日々の指導の中で子ども自身の「要求」をよりスムーズに表出できるように働きかけることこそ、大切にするべきだと思います。
そして、その表出をさまざまな場面で般化させることができれば、子どもにとってより豊かな毎日の生活を保障することができたといえるのだと思います。

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「図と地」について

特別支援教育や自閉症スペクトラムについての講演会や研修会でよく紹介される、「図と地」についてです。

よく研修会などでは、有名な「ルビンの盃」や「若い女性=老女」を紹介して見方によって違うものに見えることが紹介されたり、太字で用紙いっぱいに書かれたアルファベットなどを見せて「なにか判りますか」と聞かれたりすることがあります。
確かに、見方によって違うものに見えたり、「図」と「地」が逆転することによって意味が生じるということはよくわかります。
しかし、それが発達障害児や自閉症スペクトラム児の理解や療育にどのように関係していて、どのように取り組みに活かせばいいのかは説明不足のことが多かったように思います。このブログにも「図と地」の検索ワードで訪問していただいている方もみえるので、私なりの解釈を以下にまとめます。

熱心に何かに集中しているときに誰かが名前を呼ばれても、その声が普段なら聞こえるのに聞こえないということを経験した人は多いと思います。また、なにか小さいけれど心地悪い音がどこからか聞こえてそれが気になって物事に集中できなかった経験もあると思います。
前者の場合は、普段なら「図」である呼びかけの声が、関心の強い他の事に集中していることで「地」になる。後者の場合は、「地」になりそうな小さい音も心地悪いということで「図」になるということです。

本人にとって「意味」のあるものは「図」になり、「意味」のないものは「地」になります。

自閉症スペクトラムのお子さんの場合、なにか興味のある活動=「意味」のある活動をしているときにはそれが強力な「図」になります。その子にとっての「意味」があることが少なければ少ないほど、より強烈な「図」になるといえます。「こだわり」とよばれる行動はそのようにとらえることができるといえます。

逆に、何らかの刺激が大変いやなものであるときは、それが「図」となります。視覚刺激の場合は目をそらすことでその「図」を回避できますが。聴覚刺激はそう簡単にはいきません。聞かないでおこうとしても聞こえてきます。これはすべての人に共通していることです。聞きたくないものが聞こえてくるとき、どうしするでしょう。耳を押さえる。大きな声をあげる。その場から離れる。これらの行動を「問題行動」や「逸脱行動」と呼んでいることはないでしょうか。
触覚刺激が敏感なお子さんの場合、友だちがいきなり近づいて肩に手をかけたり、手をつないできたら、どうするでしょう・・・

行動の原因をその子なりの「図と地」に分けて分析することによって、理解が深まると思います。そして、その子にとってどのような環境が最も適切なのかを考えてみるときの参考にしていただきたいと思います。

お子さん一人一人の「意味」あることにより添える理解者であってほしいと思います。


「通常学級における特別支援」のカテゴリーでも別のアプローチで「図と地」について記事を書く予定です。

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「キキミル」

「キキミル」というのは特別支援学校の先生のmiruさんのサイトです。
miruさんに承諾をいただいて、リンクに追加しました。

「キキミル」には、かわいらしいデザインの絵カードや学習用のプリントなどがたくさん紹介されています。

「カードは使いたいけどなかなかうまく描けない」「どんなカードがあると便利なのかを知りたい」というような方にはとても参考になるので、ぜひとも見ていただきたいと思い紹介させていただきました。


それからもうひとつ!
このサイトのデザインの素晴らしさ・かわいらしさは「卓越」しています。
見ているだけでやさしい気持ちになれるようなサイトです。
「キキミル」というネーミングも素敵ですね。


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ハンドサイン(手話)の可能性

ダウン症児に対してよく指導されているマカトン法については以前も書きましたが、ハンドサイン(手話)も全く同様の理由で療育に大変有効であると思っています。

私は社会福祉系の大学で学んでいたこともあって、聴覚障害のある仲間も何人かいました。そのため、手話を覚える機会にも恵まれ、日常会話程度は習得することができました。例えば聴覚障害がない仲間と会話する時も、離れて声が届きにくい時・うるさい地下鉄の中・内緒の話の時などに手話を使って話していました。この時は「世界共通の手話を作れば言葉の壁をなくすことができる。」なんてザメンホフのようなことを考えていたりもしました。

音声言語が苦手な特性のお子さんには、第一言語としての手話があってもいいと思います。まずは要求や意思表示などを表すハンドサインがいくつか使えるようになるといいなあと思います。

「ください」「いやです」「したいです」「まってください」などはとても大切だと思います。

コンピュータソフトの「初音ミク」を使って手話や手遊び歌を視覚的にわかりやすく紹介するムービーを「そらパパ」さんのブログで見つけました。ツールとしてのコンピュータの可能性を実感できるものになっています。

このブログからもリンクさせていただいていますので、一度ご覧ください。

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オーストラリア自閉症早期教育エビデンス・レビュー

NPO法人つみきの会のHPに「オーストラリア自閉症早期教育エビデンス・レビュー」の邦訳版が紹介されています。

エビデンスは「証拠」ですが、「療育の信頼性」と訳せば良いと思います。

ダウンロードしてプリントアウトするとA4で100枚を超えますが、ABAから日本では全く紹介されていない療育法まで網羅されています。

なによりも徹底した「証拠」主義は、そのスタンス自体がお子さんのあるいは教え子の療育の参考になると思います。

どのような療育方法が信頼できるのか、現在の療育の到達点は何かなどを知るための参考にもなると思います。

ダウンロードはこちらから→ 「オーストラリア自閉症早期教育エビデンス・レビュー」

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マカトン法

マカトン法とはダウン症のお子さんなど言語発達に遅れがあるお子さんのためにイギリスで開発されたサイン言語です。

学生時代に聴覚にハンディを持つ仲間や、手話のサークルの仲間がいたこともあって、ある程度手話はできるのですが、先日このマカトン法を調べていたら、ほとんど日本の標準的な手話と同じことを知りました。

これなら、音声言語がまだ難しい自閉症スペクトラムのお子さんとのコミュニケーションにも十分使えると思いました。

先日、特別支援学級への巡回相談で、重い自閉症のお子さんへの、「~ください。」「はい、どうぞ」の音声言語でのやり取りの学習を参観しました。(実はこの時、私は音声言語でのやり取りの練習はこのお子さんにはまだ早すぎると思いながら参観していたのです。)

その学習の後、そのお子さんが絞り出すような声で「ちょうだい」と言いながら両手のひらを上に向けて重ねながら本当に欲しいものを要求したのです。後で担任の先生にこれが学校で「初めての要求」だと知り私は、担任の先生よりも興奮していました。

音声言語はハードルがずいぶん高くてもサイン言語ならそのハードルを低くすることができると思います。

絵カードなどでの視覚支援とともにサイン言語の活用もチャレンジしてみたいと思いました。

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「トレーニング時間」

当然のことですが、人が何かが「できる」ようになるためには、トレーニングが必要です。

ずいぶん前に、何かの記事で「トレーニング時間」の一覧表を見たことがあります。

たしか、自動車の運転は20時間。テニスやコンピュータも20時間・・・外国語1000時間。なんとピアノは10000時間!

だったと思います。もちろんこの時間数以上増えればそれに比例して習熟の度合いが上がっていくということです。

では、自閉症スペクトラム児の指導は?

私は、初めて重度の自閉症のお子さんを持った時に、「司法試験に受かるには自分の身長の本を読んで覚える。」とどこかで聞いたことがあったので、「お子さんの身長分の本を読む」と目標設定したことがありました。

今までにまったく指導経験がなく、現在の指導も場当たり的なものになっている先生には、ぜひたくさんの書籍を読んだりやインターネットで関連サイトを見ることなどをお勧めしています。

たくさんの考え方、たくさんの支援法をまず知ってほしいと思います。その上で支援しているお子さんに最もぴったりくる支援をしてほしいです。

支援内容はいろんなことを試しながら、うまくいったことを保護者の方と情報交換しながら決めていってほしいと思います。

一人ひとりのお子さんのQOLの向上のためにできることは、明日からすぐする姿勢と保護者やお子さんの願いを最優先する謙虚さを持ってほしいです。

その上で、まず「100時間のトレーニング」をお勧めします。

視覚支援のためのサポートグッズを作ったり、スケジュールを作ったりすることが楽しくなってきたら、次の段階に進んでください。

TEACCHの生みの親であるE・ショプラー博士は

「自閉症児の支援者はジェネラリストになる必要がある」と言っています。

スペシャリストになった上でその専門性から脱却していきジェネラリストになることを目指しながら先生ご自身も成長・発達していってほしいです。

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AAPEPを学習課題に Part6

AAPEPを学習課題に Part6

このブログでリンクさせていただいている「エルの引き出し」というブログで、お子さんが受けたAAPEPの結果からこれからの取り組みの方向をまとめている記事がありました。この記事は、大変参考になるものだと思うので紹介させていただきます。

課題の優先順位を決め、スモールステップで取り組むことがとても大事だと思います。

あまりあせらずに、お子さんにも、おやごさんにも無理のない取り組みが成果を生む秘訣だと思います。

記事はこちらからどうぞ→エルの引き出し

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AAPEPを学習課題に Part5

AAPEPを学習課題に Part5

5 機能的コミュニケーション

これは音声言語コミュニケーションに限定しません。サイン言語でも、カードでの意思表示でも、その他のツールを使ってのコミュニケーションでもOKです。

 家庭①③ 学校/作業所①⑦

<基本的な要求を伝えられる>

 他の人から促されなくても、空腹、のどの渇き、痛み、疲れ、排泄などの要求を理解できるように伝えることができる。

AAPEPでは4回に1回できるかどうかを「芽生え反応」の基準にしています。

a) まず、基本的な要求をわかりやすく表現した、写真カードや絵カードをいくつか作る。カードをパウチしてマジックテープも裏につけてボードに張ると便利。

b) 子どもが~をしたい時にボードが置いてあるところへ連れて行き、~のカードを取らせ、渡させる。(ABAやPECSでいうプロンプター)

c) 要求をかなえる。

基本的な指導は簡単です。今までのあいまいなジェスチャーや指導者のカンからより具体的な表現になったら大いに誉めてあげましょう。

もちろん携帯用のカードでもOKですし。文字が使える子は文字のカードでもOKです。音声言語をカードと一緒に指導をすることも可能でしょうが、子どもさんの状況によっては逆にハードルを上げることにもなりますから、十分配慮してください。

<日常会話で用いられる言葉(概念)の理解>

1 人や物の名前 (○○ちゃん、先生、イス、牛乳、など)

2 動作を表す言葉 (座る、着る、話す、泣く、など)

3 位置を表す言葉 (机の中、ロッカーの上、車の中、など)

4 時間の概念 (後で、明日、今、など)

5 理由や原因の表現 (どうして?、~だから、など)

6 話の順序 (はじめに作業をして、その後おやつを食べましょう。など)

この中の概念のうち2~4の項目の中でいくつかは理解できる。目の前にあることは理解できる。いつも理解できるとは限らない。などが「芽生え反応」とされています。

学校/作業所⑦では形・色・文字・数字などが示されています。これは、どこでも取り組まれていることなどで省略します。

子どもにとって簡単なことから取り組んでください。6などはスケジュールの指導としても大切なことになります。

時間の概念については、時間割とカード、カレンダーとカードを一体化したものなどが有効です。また、アナログ時計で残り時間が視覚的に示される物もあります。

日常の会話や非言語コミュニケーションでこれらの言葉を使えるようになるための指導を早い時期から始めていくことは大切だと思います。

私の以前の実践では、お子さんのエコラリアを利用しながら、カードを示して発語も期待した指導を行いました。言葉の理解は非常にたくさん増えましが、残念ながら発語自体はあまり増えませんでした。しかし、ある日の休み時間にのんびりしている時に、教材を私の方にポンとなげて「べんきょうしょ!」といって私を驚かせてくれたことがありました。

 

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AAPEPを学習課題に Part4

AAPEPを学習課題に Part4

4  自立機能 「ひとりで食事ができる」「簡単な食事を自分で用意できる」

  家庭⑤   学校/作業所②

・自分の食事をテーブルまで運ぶ、箸やスプーンを使って食べ、食べ終わったら食器を決められた場所に片付ける。(8種類以上の食べ物を食べることができる)

学校でも日常的な生活指導をもっと大切にしてほしいと思います。家庭でのスキルを前提としたトレーニングを教室でも行ってください。担任や介助の先生がつきっきりでお世話をしていては、その子のスキルは伸びません。

給食のメニューをどれも食べさせたいがために、一連の自分できちんと食べるというスキルを後回しにすることのないようにしたいものです。また、箸が難しいのであれば、スプーンとフォークを使わせて、手で食べることのないようにもしてください。箸のトレーニングにはいろいろな補助具が既に開発されているのでそれを利用するのが賢明です。(箸の間にピンセットのようなばねが入っているものが一番使いやすいです。)

準備や片付けについては、本人の特性に合わせた手順書を用意したり構造化を考えてください。(これも、一つ一つ大人が言葉かけとクレーンで指導するものではありません。)

このような日常的な活動で手順書を使うと、手順書を使うこと自体のトレーニングにもなります。

偏食の指導は行き過ぎないようにしたいものです。無理に食べさせようとすると、不適切な行動が食事場面で多く見られることになります。先に紹介した「自閉症の特性理解と支援」藤岡宏著では、食べたくないメニューを「いりませんX」と書いてあるトレーに自分で乗せるという「ノーという」スキルを紹介しています。

・レトルト食品や冷凍食品をあたためる。サンドイッチを作る。野菜や果物を切る。包丁やレンジ・電子レンジなどを使って簡単な料理を作ることができる。

ここでも手順書が大活躍します。

お子さんがひとりで、何か食べ物を作っている様子を想像してください。なんて素敵な姿でしょう。

これはできるところからスタートです。

食べたいものを選ぶ→まず袋を開ける  などということから始めるといいと思います。

今はレトルト・インスタントでほとんどの物が食べれるありがたい時代です。お気に入りの簡単料理をいくつか作れるようになれるといいと思います。

よく支援学級で調理実習をしますが、これも実際の子どもの生活に般化できるような活動内容であってほしいと思います。

TVで今「自分のペースでいいんじゃない!」ってSMAPが歌ってました。

その通り!お子さんの「自分のペース」を守りながら取り組んであげましょう・・・

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AAPEPを学習課題に Part3

AAPEPを学習課題に Part3

3 余暇活動の具体例

 家庭②④⑥⑦⑧   学校/作業所②⑤⑧

 ・読書をする、クレヨンで絵を描く、ボールで遊ぶ、ブロックを組み立てる

 ・ババ抜き、五目並べ、すごろく、家庭版ゲームなどをほかの人とする

 ・屋外でする趣味(散歩・釣り・水泳・園芸など)を持つ  

などがAAPEPに挙げられています。

適切な余暇活動が定着するということは、不適切な行動が減少することでもあるというポジティブな側面があることを覚えておいてください。

できるだけ、早い時期から余暇活動についての指導を始めてほしいと思います。

歌の指導などは言葉や発語の指導を兼ね備えたものになるので、小学校高学年までのお子さんにはお勧めです。(最近は「手遊び歌」の本がDVD付きで販売されていますので、それを使って楽しい雰囲気の中で指導されることをお勧めします。)

今、家庭で頻繁にしている「こだわり活動」の機能を分析して、適切な余暇活動に代替していくという取り組みも考えていってほしいです。

例えば、

紙を細かくちぎる、散らかす→ちぎった紙を貼り絵にしていく

いろんなものをパンパンたたく→電子ドラムや楽器をたたく

ピョンピョンはねる→縄跳びを楽しむ、バランスボールで遊ぶ

          

 

 AAPEPはこちらから→AAPEP

 遊びの指導について→遊びの指導(1)

 

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AAPEPを学習課題に Part2

AAPEPを学習課題に Part2

2 まずは余暇活動スキルを

AAPEPでは家庭尺度で8つの、学校/作業所質問紙では7つの余暇活動のスキルが挙げられています。

家庭①  学校/作業所①

「自由な時間を直接の指示がなくても30分以上適切に過ごすことができるようにする。」

適切なひとり遊び、何人かでするゲーム、趣味の活動などが挙げられていますが、この趣味の活動の中にパソコンの操作、携帯およびTVゲーム、DVD鑑賞なども入ります。

私の知っているお子さんは、パソコンを上手に操作してネットサーフし大好きな電車の画像を次々と見ることができます。また、青年期になって、パソコンで絵を描いたり、メールをしたりして楽しんでいる教え子もいます。工場で働いている青年が休憩時間にポータブルDVDで好きなアニメを見てリフレッシュしている様子を見せていただいたこともあります。

この自律的な余暇活動は、スケジュールの中に適切に組み込むことによって、生産的な活動や適切な行動についてのご褒美となり、最も有効な強化子ともなるものです。

今、一人でできる余暇活動が大変少なく、適切なものではないことが多いお子さんにとっては最も早急に取り組むべき課題であると言えます。

まず、本人が何に興味を持つかは、おやごさんが一番ご存知ですので、おやごさんと話し合って、これから取り組む2・3の余暇活動を決めてください。(できれば視覚にうったえかけるものが良いと思います。)

マッチングやビーズなどが余暇活動のようになっていることがあります。このことについて私は否定するものではありません。しかし、本人のQOLを考えた時にボトムアップのための発達課題と余暇活動は区別したいと思います。なぜかというと一般的な余暇活動は社会的な広がりを持つからです。

電車が好きなら、旅行が好きになる。模型に興味を持つ。時刻表に興味を持つ。同じ趣味をもった友人と交流するようになる。

アニメが好きなら、本屋さんにアニメを買いに行くようになる。アニメを描くようになる。アニメ映画を見に行くようになる。アニメソングをカラオケで歌うようになる。・・・

ゲームが好きなら、ゲーム雑誌を楽しんで読むようになる。友だちや家族と対戦する。・・・

余暇活動の指導については

1 まず、一緒に楽しむ。

2 本人が全く興味を持たないものをトレーニングする必要はない。

3 機械等の操作が得意な子には操作をきちんと教える。

4 スケジュールの中で位置付ける。はじめ・おわりを意識させる。

 

1日1日を楽しく過ごすことは、どの人生にとっても大切なことだと思います。

余暇活動によって、楽しかった記憶をたくさん作れるような毎日にしていけるといいなあと思っています。

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AAPEPを学習課題に Part1

AAPEPを学習課題に Part1

1 なぜ、AAPEP(青年期・成人期心理教育診断評価法)なのか

TEACCHではPEP-R(自閉症児・発達障害児教育診断検査)という心理教育プロフィールをまず実施し、カリキュラムを組んでいくのが通常の取り組みのようです。

もちろん、PEP-Rの検査項目にある模倣・知覚・微細運動・粗大運動・目と手の協応・言語理解・言語表出は自閉症スペクトラム児の発達にとって大変重要なものです。

以前私が行った実践では、図形のハメ板、パズル、様々なマッチング、ボールを使った粗大運動、ビーズ通し、図形や文字の模写、物の名前などを系統的に指導し、発語や読める文字が飛躍的に伸びたことがありました。

しかし、このボトムアップ中心の指導で、本人のQOLの向上がどの程度あったのかについては、本人や家庭そして学校での労力に比例するほどではなかったという思いがあります。

「うんと頑張った、こんなことも、あんなことも、できるようになった。でも、本人や家族の生活が穏やかで楽しいものになったのか?」

こう問い返してみると、胸をはってこの質問にYESと答えることができませんでした。

このような理由で、何よりも本人のQOLの向上を目指すことが重要であり、AAPEPにある家庭尺度および学校/作業所尺度に挙げられているような、具体的なスキルを早い時期から獲得させるような取り組みが重要であると考えるよになりました。

具体的な取り組みについては次回から述べていきます。

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AAPEPを学習課題に Part0

AAPEPを学習課題に Part0

この記事は、これから始めるシリーズの序章です。

自閉症スペクトラム児に対する特別支援学級での指導内容については、様々な考え方があります。

交流学習を中軸にした指導

TEACCH・構造化を取り入れた指導

通常学級のカリキュラムをなぞった指導

ボトムアップ志向の指導

トップダウン志向の指導

PECSがメインの指導

ABAを応用した指導

コミュニケーションに重きを置いた指導

などなど・・・・

どれがベストかは一概には言えませんが、

いろんな組み合わせの可能性を信じて、

いいとこどりができればいいと考えています。

なによりも、子どもの、そして家族の生活がより穏やかで

毎日が楽しいものになるために、

どのような取り組み・支援・指導が必要か考えていきたいと思います。

AAPEPがキーワードになると私は考えていきます。

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Let's 視覚支援!その3

Let's  視覚支援!その3 「コミュニケーション」

音声言語だけに頼ることの「危うさ」は以前にも書いていますね。

もっと楽に、もっと適切に、もっと穏やかにコミュニケーションをとりあうためには視覚支援は欠かせません。

相手に伝わるという経験を重ねることによって、コミュニケーションに対する意欲が増し、さらなるコミュニケーションにつながっていくと考えています。

コミュニケーションのサポートグッズとして写真や絵カードは有効です。

まずは子どもの好きなおやつや飲み物写真を数枚用意しましょう。

磁石やマジックテープ(ベルクロ)をつけてボードに貼っておくといいと思います。

おやつに時間になったら、ボードからお好みを選ばせます。

はじめは2択からが簡単だと思います。カードの使い方がわからないようであれば家族の誰かに頼んで、後ろからサポートしてもらいます。(PECSではプロンプターなんて言いますが)

おやつの次は遊びだったり、「~ください。~してください」のお願いカード等が適当であると思います。

とにかく子どもの要求が私たちに伝わるカードが一番有効です。

私は以前トイレカードから始めてうまくいかなかった経験があります。その時一番必要だったのは「○○の部屋(支援学級の名前)に帰ろう!」カードでした。

行事や交流の授業で疲れたり混乱した時はこのカードがとても活躍しました。

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Let's 視覚支援!その2

Let's  視覚支援!その2  「トイトレーニング」

まずはトイレのシークエンス(連続カード)をトイレの前に張ったり、ブック(携帯用のカードブック)に入れてみましょう。

イラストは「絵カードのおうち」にある

http://www.geocities.co.jp/NeverLand-Mirai/9569/framepage12.html

がとてもきれいですし、分かりやすいと思います。(女の子用もあります)

次に、記録です!

「ABA」のシリーズでも「通常学級」のシリーズでもおなじみの、1・2週間の記録です。

曜日・時間・場所を分析してみます。投薬や前日に食べたものも参考になるかもしれません。

チャンスタイム(トイレに連れて行って一番出そうなタイミングの時間)にトイレに行って、シークエンスどおりに「うんち」を促します。このとき、焦ってはいけません。「ここでうんちできるといいねえ。」「うーんうーんしようね。」「今度またがんばろうね。」とやさしい声かけを心がけてください。時間はあまり長くならないように気をつけてください。

トイレが怖いところになっては、トレーニングになりません。

私の以前の実践ではチャンスタイムの少し前に軽い下腹マッサージをしていました。

また、トイレ以外でした時は、子どもと一緒にトイレに行って、「ここで、できるといいねえ」といってトイレに「うんち」を捨てて、「じゃー、うんち、ばいばい!」といって流していました。トイレで出なくても水を流すだけでもまずはOKだと思ってください。(ABAのバックワードチェイニングではこのあたりから取り組みます。)お尻をふく場所もトイレが適切です。

便器の中の「うんち」まで描いてある絵カードもどこかのサイトでみたように記憶しています・・・

なんとなく、トイレの意味が理解でき、いやなところではないとわかってきたら、こっちのものです。(とポジティブにとらえてください。)

長い、チャレンジになるかもしれませんし、思いのほか短いかもしれません。

少しでもうまく行きそうだったら、うんとほめてあげてください。(私はトイレに座れただけでもほめてあげていました。)

なにか、特別のごほうびもいいかもしれません。

特別支援教育にかかわってみえる先生方へ

トイレトレーニングは子どものQOLを考える上で最も重要なトレーニングといえます。ぜひとも学校での取り組みを積極的に行ってほしいと思います。家庭との連携を取りながら、専門性を生かした取り組みを行うことは大変重要なことです。

これらの具体的なQOLのための取り組みは、専門の書籍よりも関係者が作られているサイトに多くの情報があります。いろんなところへ「サーフ」してみてください。

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Let's 視覚支援!その1

このブログも参加している「ブログ村:特別支援教育」でいつも上位の「takapyの学習ノート」というブログに大変役に立つ『時計イラストMaker』

というエクセルのファイルが紹介されていました。

アナログ時計の針を任意の時間にしてそれをプリントアウトするものです。

毎日使うようなスケジュール作成やお出かけの時の予定表作りにはもってこいのツールです。

この他にもtakapyさんのブログには視覚支援をサポートする記事がたくさんあります。

一度のぞいてみてください。

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視覚支援で穏やかな生活を!

「視覚支援」で自閉症スペクトラムの子たちがうんと楽になることをたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。

ただ、これさえすれば何でもOKというような万能なツール・支援法というのはありません。

これは、TEACCHについてもABAについてもPECSについても言えることです。

まずは一人ひとりの子どもに応じた「視覚支援」から始めてください。

写真1枚・絵カード1枚でもかまいません。

スタートは「こちらが~させる」というようなこちらの都合に合わせた「視覚支援」ではなく、子どもがそれを使うと楽しくなる・楽になるものから始めてください。

「視覚支援」のいくつかのサイトを紹介します。

クマノミくんのためのイラストカード集 http://otohimev2.hp.infoseek.co.jp/kumanomi.html

「絵カード」サイトへのリンク集 http://www.geocities.jp/leeobaatyan/e-card.htm#1

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トップダウンについて

自閉症スペクトラム児に対しての「漢字の指導」についての質問がありました。

「山」や「石」などの名詞は絵を見せて指導ができるが、「大」や「小」はそのまま教える方が良いのか、それとも「大きい」「小さい」として教えた方がいいのかというようなお尋ねでした。

小学校では当然「ひらがな」の指導が終わったら次は「漢字」の指導です。自閉症スペクトラムの子どもも同様でいいのでしょうか?

その子の認知レベルにあったものでなければ、多大なる教師の努力も本人のがんばりも何も結果を残すことができないことさえあります。

その子に「大小」の概念がまだできていないのに「大小」の漢字を書かせることができたとしてもあまり意味がないこと。概念形成のためのマッチングカードとともに漢字を導入できるのであればひらがなと併記で使うことは可能であることをお話ししました。

でも、なんだかまだ自分の中ではすっきりしていないことがありました。それは、その子のQOLの向上についてです。小学校の教育課程をなぞっていくだけでなく、生活の中でのコミュニケーションスキルをアップすること、本人の自立・将来の就労などに向けてのスキルをアップすることなどをカリキュラムの中で位置づけるという考え方自体が希薄なのではないかということです。これは、特別支援学級全体にあることなのかもしれません。

私が参加している特別支援関連のMLに

”「就労を見越した、子どもたちの小・中・高校時代の過ごし方~発達障害者に関る支援者のために~」という講座への教員の参加が大変少なかった”という記事がありました。

やはり、このテーマに対する教員の関心の低さが原因だといえます。

これからは、地道にトップダウンの必要性を伝えていきたいと思いました。

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母国語が日本語でない自閉症スペクトラム児の指導について

「母国語が日本語でない自閉症児の指導について」

島国「日本」も今や諸外国の方々の労働力なしには成り立たない産業構造になっています。(このこと自体を論ずることはこのブログの目的ではないので割愛します。)

日本で働いている諸外国の方々のお子さんも当然日本の子どもと同様に約6%が発達障害のお子さんです。

私が助言者として参加する障害児保育の研修会のレポートが送られてきました。

「自閉症というハンデと外国語のハンデという二重のハンデがある。母国語だけでなく日本語での発語も期待して指導していく。情緒の安定を図っていく。」というような内容のレポートでした。

できれば、この研修会でこのような話をしようと考えています。

・自閉症スペクトラム児へのコミュニケーション指導は基本的には「非言語」をメインとして「言語」は補助的なものとしてスタートするべきで、母国語・日本語のどちらにしても発語を目的とした指導は更なる混乱を子どもにもたらす可能性がある。

・構造化・視覚化を指導の中に取り入れることで、日本語が話せないという言語のハンデをも克服しうる取り組みができる。

・エコラリアやクレーンでしか表現できないという子どもの「特性」を理解するためには行動観察と分析が欠かせない。

・「情緒の安定」のために必要なことは、子どもが自分自身のおかれている環境を理解するということである。スケジュールを明示したり、活動を細かく説明したりすることで、混乱・混沌の中にいる子どもを安心させることができる。

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展望のある支援・指導とは

音声言語によるコミュニケーションが弱いという特性を持っている児童の指導に音声のみのコミュニケーションでの支援・指導を漫然と続けていることはないでしょうか?

「こちらの言っていることが分かっているのに、言うことを聞かないのは、わがままだから」と「わがまま」のせいにしていることはないでしょうか?

「いつかはできるようになるに違いない。」という根拠のない期待だけで、通常学級での教科指導と同じ方法で指導をしていることはないでしょうか?

きちんと児童の特性と向かい合って、苦手なことではなく、比較的得意であると思われる方向からのアプローチを行ってほしいと思います。

視覚にうったえるカードを作ってみたり、文字でのコミュニケーションを試してみたりすることは大切だと思います。パニックを起こす原因が児童の中ではなく周りの環境にあることをきちんと認識して児童と関わっていってほしいと思います。

また、これからの生活の中で役に立つと考えられるスキルを身につけさせることも大切です。「これは学校の仕事ではない」と言い切れることなどないと思います。

IEPの目標を具体的にできたか・できなかったかで評価できるような項目の積み重ねとして作っていくことが展望のある支援・指導につながると思います。

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般化をめざした取り組み

学校や家庭での取り組みで身につけることができた行動が、他の場面・他の状況ではできないことが多く見られます。

身につけた行動を般化するために必要なことを事前に知っておくことは、指導の計画を立てるときにとても重要なことだといえます。行動分析の考え方をもとに以下にまとめてみます。

1 できるだけ日常的な活動に関する行動を指導目標に設定する

日常的な活動であればあるほど、その行動は周囲の人から強化されます。たとえば「手をふって挨拶する」は毎回必ず相手の人からの強化が期待できます。また、カードを使って自分の要求を表すことなども、自分の要求がかえられるという強化子が常に与えられるので同様です。

2 教材や指導の中にできるだけ日常生活で体験する場面や条件をはじめから組み込む。

ある行動を身につけさせてからそれを般化するのではなく、指導の過程の中に様々な条件を最初から入れておくことによって、多様な場面での般化が容易になります。同一指導者・同一場面での指導を他の指導者・他の場面(家庭)でも指導することに変えることによって効果が期待できます。

3 不適切な行動の改善を日常生活に般化する。

学校で改善された不適切な行動が家庭で出る、あるいはその逆もありがちなことです。不適切な行動が引き続き強化されている環境を改善することが大切です。たとえば、A先生なら指示に従えるが、B先生なら従えない。このような場合は「適切な」一貫した対応・指導法・働きかけを徹底することが求められます。

4 できるだけ広い範囲の反応例を取り上げて指導する。

「~ちょうだい。」という要求を教えるときに。「おかしちょうだい」だけしか教えるのではなく「CDちょうだい」「本ちょうだい」・・・のように多くの反応例を指導することはQOLを高めることに直結しています。

5 いろんな場面で同じ手がかり刺激を組み込む。

自閉症スペクトラム児は複数の手かがり刺激よりも一つの手がかり刺激に注目することが多いので、その刺激を見つけ、般化をねらう場面でその手がかり刺激を活用することは効果的です。たとえば学校で使っている作業や活動のジグを家庭でも使うようにする。教師としている遊びを他の子どもとだけでも遊べるようにしていく。などが考えられます。

「常に般化を意識した取り組みを行うこと。」を日々の療育・教育実践の中で忘れないようにしていきたいものです。

この記事は「般化と維持を促進する戦術」島宗理氏(法政大学)らが作成した研修用教材を参考にしています。

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本当の連携のために

保護者と教師の本当の連携のために

教師は担当している児童に問題行動があると、「誠意」を持って保護者に対応します。

原因とこれからの方針を説明し、保護者に協力を求めます。

ただ、このような教師の側から見た「適切だと考えられる」対応でも、保護者から見ると「追いつめられていたり、否定されている」ように感じたりすることがあります。

それぞれの立場と子どもに対する「思い」の違いをどのように埋めていけばいいのか、子どもを中心にした支援をどのように行っていけばいいのでしょうか。

支援の立場にある教師が保護者の「思い」によりそうことができるかどうかが、キーポイントになると思います。

保護者として同様の経験をしたことがある、つまりどちらの立場にも立ったことがある教師は、「保護者としての疲れや傷ついた感情」を経験し、それを理解することができると思います。また、「指導という支援」の中に学校や教師の都合を感じたこともあるかもしれません。

そういう経験のない教師はぜひ想像してみてください。

発達障害児をもつ保護者の方のブログを参考にするのもいいかもしれません。

現在の学校や教師に対する思いを知ることができると思います。

「相手を尊重する」「疲れをねぎらう」「傷ついた感情を思いやる」

こういうことができる支援者になりたいものです。

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チャレンジング行動

チャレンジング行動(Challenging Behavior)とは

「正しい対応を要求する行動」という意味です。今まで「問題行動」としてとらえていた行動を「環境に適応できないことを訴えている行動」であるととらえなおす必要性があることからこのような呼び方が最近使われるようになりました。

「自閉症児と絵カードでコミュニケーション」(二瓶社)の用語説明では

「障害のある人を支援する専門職は問題行動あるいは行動問題を一つのチャレンジとして受けとめ、障害のある人がそうした行動を起こさなくてもすむような状態に改善していくために最善の努力をしなければならない」

とあります。

「パニックは最大の不適応」として受けとめ、できうるかぎりの取り組みをしていきたいものです。

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果てしない努力

STをめざしている娘のブログの記事です。ここ

解剖学がとんでもない量の課題のようで、弱音を吐いているのは知っていましたが・・・

彼女が書いている教授は実は佐々木正美先生です。

佐々木先生についてはこちらこちらでも書かせていただいていますが、

本当に素敵な人だなあと思います。

いくら研究を極めた人でも、いくら素晴らしい実践をした人でも、その背景にヒューマニズムが根付いていなければ、その人の言葉はなにか冷たく感じる事があります。

佐々木先生の言葉は、人を思いやる、あたたかな感じがいつもします。

プロであるためには「果てしない努力」と共に人間性も高めたいものです。

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地域で穏やかに幸せに・・・

「地域で穏やかに幸せにくらす」

以前にも書きましたが、これが療育や教育の目的であると私も考えています。

今日は、支援活動をしているNPO法人のバザーがありました。

私が以前関わったお子さんたちにも会うことができました。

穏やかな表情の青年・・・

にこやかに接してくれた少年・・・

相変わらずお母さん方はパワフルで笑顔が美しいです・・・

「地域で穏やかに幸せにくらす」

実は、これってすべての人に共通する

みんなのねがいなんですよね。

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「おやごさん」に学ぶ(2)

ハルヤンネさんという「おやごさん」も私の尊敬するおやごさんのお1人です。

「おめめどう」という障害支援サポート会社をたちあげられてご活躍です。

おめめどうショップにはすぐに使えそうなサポートグッズがいっぱいです。

以前このブログで紹介した、アマゾンのリストマニアでもこの方の著書「ダダくんの11の不思議」をお勧めさせていただきました。

「おやごさん」にも「サポーター」にもたいへん参考になると思います。

HPはこちら

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「おやごさん」に学ぶ(1)

「おやごさん」に学ぶ(1)

随分以前から、全国の自閉症スペクトラム児を持つ「おやごさん」に直接または間接的に多くのことを学ばせていただいています。

特別支援学級で担任をさせていただいても、複数の子どもさんを担任するので、残念ながら1人の子どもさんと直接関われるのはあまり多くの時間ではありません。しかし、1人ひとりの子の特性に合わせた対応や指導、教材の作成などに「待った!」はききません。困った事を、昔はニフティの「自閉症フォーラム」の「会議室」で相談にのっていただいたりしました。今はHPやブログを参考にさせていただく事もたくさんあります。

子育てをHPやブログで紹介されている多くの「おやごさん」は、私たち教師以上に多くのことを学ばれ、具体的な取り組みをされている方もたくさんみえます。

最近、「千里の道もどこまでも」というブログに出会うことができました。高機能自閉症児のお父さんja12cさんが作られているブログです。

このブログには、たいへん解りやすい自作の絵カードがたくさん紹介されています。日常生活な様々な場面ですぐに使えるものばかりです。

絵カードが有効なお子さんをおもちの方にはお勧めです。

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YouTube活用法

YouTubeはご存知の通り、世界的な動画サイトです。

自閉症「autism」で検索すると6000あまりの結果が出てきます。

その中にはTEACCHの生みの親、故ショプラー氏のインタビューがあったり、

http://jp.youtube.com/watch?v=D_THeWH0ox4

いろいろな指導法の具体的な実際の指導場面があったり、(そういえば、ロバース法!の実践ビデオもありました)

いろんな学者のレクチャーがあったり、といつまで見ていてもあきません。

なかにはとんでもない!ものもあります。

本当に使えるかどうかは、ご自身で判断してくださいね。

他にも教材に使えそうな動画もたくさんあると思います。

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トップダウン・ボトムアップの教育

発達障害を持つ子どもたちの教育を「ボトムアップ」と「トップダウン」の2種類で分けることができます。

「ボトムアップ」とは、

a 生活・自立スキルの獲得  身辺処理や集団参加など

b コミュニケーションの学習  ことばの理解・表出学習など

c 不適応・不適切行動のコントロール 他者コントロール・セルフマネージメント

d 教科等の学習

簡単に言えば子どもの発達を促す方向での療育・教育です。

「トップダウン」とは、

a 日常生活スキルの学習  買い物・移動・飲食店利用・余暇活動・調理・・・

b 就労スキルの獲得  

などがあります。これは今後のライフステージにを見据えた方向での教育です。

私は以前は、小学校の段階では「ボトムアップ」だけで十分だと考えていたのですが         

最近は、「トップダウン」の観点をもっと重視しなければならないと考えています。

TEACCHでのワークシステムを例にとると、このシステムをできるだけ早い時期から導入する方が、その後のさまざまな取り組みをスムーズにするばかりでなく。学校を出てからの就労場面でも十分応用できるものであると考えたからです。

今年の夏、川崎医療福祉大学で行われたTEACCHオープンレクチャーでNTNのワークショップ 夢工房で働く自閉症の青年のお話を聞きました。青年のがんばりと家族や周りの方サポートに大変感銘を受けました。また、NTNの現場のエンジニアの方が素晴らしいワークシステムやジグを作っておられたことを知りました。

その青年についてのブログはこちら「自閉の北斗星」です。

教育現場だけで通用するスキルを追求するのではなく、将来的に本人のQOLを高める事に役立つスキル、またはそれにつながるスキルをもっと重要視するべきだといえます。

「地域で幸せに暮らすこと」これをゴールにした教育のあり方をこれからしっかりと考えていきたいと思います。

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子どもが見たい構造化

構造化を意図的に行っている教室や家庭はたくさんあると思います。

しかし、教師や保護者が見せたい構造化ばかりで、子どもが見たい構造化になっていない事があるのではないでしょうか?

構造化が「子どもに~をさせるための道具」になってはいないか、構造化された課題が「子どもにとって意味のあるもの」になっているか、「子ども自身が自分で判断し、自分で行動できる」ことを助けるものになっているかどうかを再確認する必要があると思います。

取り組みの成果を確認しながら、「できた」実感を本人が持てるようにし、そのことで自信がもてるように再構造化していくことが大切であると言えます。

あと、やらせすぎには十分に注意したいものです。

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SPELL

S・P・E・L・L

自閉症スペクトラム児に関わる人の合言葉です

今年いろんなところでこの合言葉を耳にしました。

S=Structure   構造化:TEACCHに学びましょう

P=Positive    前向きに:これは普遍です!すべての人にPositiveを

E=Empaty         共感: 案外忘れていませんか?

L=Low arousal   興奮させない:教育現場で重視されていないのでは・・・?

L=Links              連携: 人は繋がる事で強くなれるのだと思います。

今年の夏、岡山の川崎医療福祉大学で行われたTEACCHオープンレクチャーで佐々木正美先生の講演を聴きました。

「うまく見つけて、伸ばしてもらった人は、豊かな能力を発揮して幸せな生活をしている」と穏やかに話される佐々木先生の言葉が今でも耳に残っています。

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重度の自閉症児の反芻行動について

重度の自閉症児の問題行動の改善については、文献等でもそれほど実践が広く紹介されていないようです。

具体的な例として重度の自閉症児の食後の反芻行動への取り組みを考えてみます。

まず、以下のような情報を分析する必要があると思います。

①反芻行動の時間・回数・内容物

②食事内容との関連(特定のものを食べた時だけか、量はどうだったか、食べ方は)

③他の条件との関連(パニックとの関連etc)

情報を集めて分析したら次は作戦を考えましょう!

学校給食後の20分間程度の間にかなり頻繁に、パンのみを反芻しているケースがありました。ある意味、大変器用なことだなあと感心したものです。

問題行動といってもこの場合、自分にも、誰かにも迷惑をかけるわけではないので、できるだけストレスのないような方法を考えました。

パンの食べ方が、一度にたくさん口の中に入れて固めるような食べ方だったので、パンを細かくちぎった形で出し、少しずつたべるように促しました。途中で牛乳などの水分を取ることも促しました。この方法にすぐに慣れてくれたのが結果的には幸いしました。

このような食べ方だと今までのようにうまく反芻できないので、始めのうちは液体状のものをくちゃくちゃしていたのですが、そのうちに反芻自体がなくなりました。

子どもによって事例も対応の仕方も千差万別ですが、しっかり情報を集めて分析する事が大切だと思います。

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