カテゴリー「通常学級における発達支援」の記事

「個別指導」を考える

特別支援教育の方法として「個別指導」があります。
これは、支援学級でも通常学級でも一般的に行われています。最も効果的な方法として位置付けられていることが多いと思うのですが、はたしてそうだと言い切れるかどうか最近疑問に感じています。
1対1の指導の時に「学び」の形はどうしても「教えるー教えられる」の関係になります。
その時に、教師と子どもの関係が「させるーさせられる」になれば、子どもにとって学ぶ「楽しさ」や学びへの「主体性」が損なわる可能性があるのではないかと考えるようになりました。
たとえ少人数でも複数で行うことによって、子どもたち同士の相互作用が生まれ、子どもたちの思考はより拡がる可能性が多いと思います。また実際に「学び」へ向かう姿勢も見違えるように変わる事例もいくつか経験しました。1対1の指導で「やらせすぎ」てしまったことを反省したこともあります。
特性や到達度に応じた指導を考えるときにも、これらのことを考慮しながら取り組みたいと考えています。

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特別支援が必要なお子さんなのか?

WISC-Ⅲの結果説明のために親ごさんや担任の先生とお話をしました。
これからの支援の在り方などを話すことが目的でしたが、検査結果といまのお子さんの状況にかなりの差があることが話題の中心になりました。
つまり、小学校に入ってから今までの到達度が検査の結果をかなり下回っていること、そしてその原因がそれまでの学年でのいわゆる「落ちこぼし」であることが明らかになったのです。
今後は低学年で習得すべきものからていねいに学校でも家庭度でも、もう一度取り組んでいくことを確認しあいました。
これは「通常学級での学習指導のあり方」の問題であり、「子どもの学力や生活をどうとらえ、どう指導するか」という学級担任の基本姿勢の問題でもあります。
このお子さんの場合、特別支援が必要なお子さんではなく、基礎的な学力の定着を図っていく必要のあるお子さんであるということです。
幸いこのケースでは、今の担任の先生がきちんとお子さんの課題を見極めて取り組みをはじめてみえたので、これからの展望も持ちやすいと思いました。
お子さんの教育に関わる者は、常にお子さんの「今」をきちんと見極め、自らの仕事をきちんとこなしていくことを怠ってはいけないと思いました。


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何を伝え、何を共有するのか

巡回訪問で保護者の方とも現場のスタッフ(担任・支援員・校内CO・管理職)とも話し合う機会が多い毎日です。
先日は、スタッフがお子さんの学校での様子を話す内容に思わず「ストップ」をかけてしまいました。
確かにお子さんの様子には違いはないのですが、そのどれもがお子さんの行動の「問題点」をあげつらねているだけのものでした。
「どんな時に・なぜその行動をしたのか」そして「どんな対応をしたのか・事前にどんな対応が必要だったのか」教師としての対応がどうであったのかを振り返ることなしに、これからの支援を語ることはできません。
保護者の方への伝え方も、これからの支援をどのようにするかということを含めたものでなければ思いを共有することはできません。
保護者や教師が下降スパイラルを描くことのないようにしたいものです。


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あんたがそれをいっちゃあ~

これは「相棒」へのメッセージです。
あなたの感じたこときっと「正解」です。

リンクしている「発達が教えてくれること」というブログにこうゆう記事があります。
一度読んでみてくださいね。

http://keyakidou.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-f009.html

以前「診断名と切断操作」という記事で書いたこととも繋がります。
一度またしっかりこのあたりのことまとめてみますね。


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「特別」ではない「特別支援教育」

通常学級で行う「特別支援教育」は実は「特別」ではない事が多いと考えています。ブログ仲間には「ユニバーサル教育」を謳っている先生もいます。

あるクラスの「研究授業」を参観しました。
とても落ち着いた静かな雰囲気で授業はすすみます。
挙手をして発言する子どもはそんなに多くないのに、たくさんの子が自分の考えを述べています。
子どもたちに信頼されている担任は、丁寧に子どもを観察しながら指名します。指名された子どもは穏やかな口調で自分なりの考えを発表しています。
これは、担任と子どもたちの「信頼関係」のなせる技です。

一人一人の立場や考え方を大切にする担任の姿勢がきちんと子どもたちに伝わっています。
このようなクラスでは、少しばかりの「特性」を持っていても、「困難さ」を持っていても楽に過ごすことができると言えます。
「許容度の高い教室」を目指した取り組みをどの学級でも取り組まれるようになることを願っています。


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「発達障害児の不登校について」

「発達障害児の不登校について」 という検索ワードでこのブログを訪問される方がみえます。
原因は「障害」であるのか、登校すべき「教室」であるのかをきちんと分析してみる必要があると思います。私は「発達障害」が原因の不登校はないと考えています。
学齢期を過ごす「教室」がそのお子さんにとってどのような意味を持つのか、お子さんの立場から考えることが大切だと思います。
おかれている環境でお子さんの「言動」や「こころもち」が全く違うと感じた経験されたことはないでしょうか?
ある場所ではとても穏やかで素直であるのに、別の場所では大変衝動的な言動が見られることはまれではありません。
「2次障害」と呼ばれたり「誤学習」と呼ばれていることは本人には責任はなく、支援する側の「建前」や「都合」がお子さんをそのような状況に追いやっていることはないかと、支援者自らが振り返ってみることが求められているといえます。
現在の状況よりも少しでもお子さんにとって「意味」のある学校・教室にすることが教師・支援者の本来の仕事だと思います。


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あなたはいったい何がわかっているのか

このブログでリンクさせていただいている。けやき堂さんの「発達が教えてくれること」の記事の紹介です。

担当しているお子さんのご家族の話になった時に、
「家族がわかってくれないというけれど、あなたは一体何をわかっているのか。」
という「ひとこと」が結論だということです。

そしていくつかの大切なことを挙げられているのですが、そのひとつに
「支援のない評価をしないこと」がありました。
残念ながら子どもの「できないこと」をあげつらえる教師がいます。
評価は自分自身に帰ってくることを自覚して子どもたちと一緒に過ごしてほしいと考えています。

元の記事はこちらからどうぞ
http://keyakidou.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-c744.html


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「見る・聴く」力

ある通常学級での普段の授業風景です。
分数の足し算の「考え方」を黒板の前に出て子どもが「自分なり」の説明の図をていねいに描いています。
クラスの他の子たちはそれを黙って見つめています。教室には扇風機の音しか聞こえません。黒板に描かれている図を見ながら、きっと子どもたちはその子の説明がどのようなものであるかを「自分なり」に考え、予想していたのだと思います。当然その子の説明も同様に「聴く」ことができでいました。
分数の足し算の学習だけでなく、1人1人の「考え」を大切にできる雰囲気があるからこそ「見る・聴く」力が育っているのだと思いました。
教師が子どもたちにつけるべき力は何であるのか考える時、この「見る・聴く」力がベースにならなければいけないと改めて感じました。
通常学級での「特別支援教育」を考える場合もこのことはとても大切だと思っています。

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WISC-Ⅲの解釈

今年の夏は1学期に巡回訪問で観察させていただいたお子さんの検査が多く入っています。
初めて検査を受けるお子さんもいれば、何回目かのお子さんもいます。
その中で2年ほどの前のデータと比べると驚くほど変化のあるお子さんがいました。
2つのデータだけをみたときにそれが同じお子さんだと判断するのは無理ではないかと思われるほどです。

言語性検査のSS差が10が4に減って大きな凸凹が少なくなっています。
8歳で問題がBに変わる符号ではSSで6下がっており、当然処理速度の値も大きく下がります。しかし、この動作性検査でも折れ線グラフの凸凹は少なくなっています。
そして、言語性と動作性のIQの差は縮まり、FIQも上がっています。

ここで詳しい分析はしませんが、このお子さんの場合、小学校に入ってからの学習や生活の積み重ねの結果がデーターとしてあらわれているようにも思われます。まだまだ「困難な課題」はありますが、本人やおやごさんを励ましながら支援する方向でこの結果を活用していきたいと考えています。

一部でWISC-Ⅲの結果を固定的にとらえたり、データから「~という発達障害の傾向がある。」と早計に判断することがあるようです。これは現場での本当の支援には結びつかないのではないかと思っています。

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巡回相談で

巡回相談や就学相談でたくさんのお子さんの様子を観察させていただいています。
ゆっくりと一日かけて観察をすることもあれば、2校時(90分)で4クラスを駆け足で回ることもあります。
どんな場合も、可能な限りお子さんの様子を客観的に把握するよう努めています。また「障害名」はもちろんのこと「~傾向」という言葉を使うこともできるだけ避け、具体的なお子さんの様子をもとに今後の支援の方向を助言させていただいてます。

しかし「みたてちがい」をしそうになることがあります。
それは、活動場面によって、お子さんが全くちがう反応を示すことが少なからずあるからです。
特に幼稚園や保育園では、該当のお子さんの得意な活動とそうでない活動のときでは大きな差があります。
「好きな活動の時は、集団の中で元気に楽しみながら取り組め、他の子とのコミュニケーションも成立している。」というように見えるお子さんが、「苦手な活動の時は、泣いて参加しようとせず、支援者から離れようとしない。」ということもあります。

お子さんにとって必要な支援を計画する時、アセスメントは必須です。
アセスメントをより正確にするために、お子さんにとっての活動の「意味」に配慮することを忘れないでおこうと思いました。


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集団の力

特別支援教育の広がりとともに、どの学校でも通常の学級外での個別指導が行われるようになってきました。
加配がなく、今いる教員の時間割を工夫・調整して人的な配置を行い対応している学校も多くみられます。

1対1の指導も行われていることもあります。
条件的には文句のつけようのないように見えますが、このような場合は気をつけないといけない事があるように考えています。

教師は今の子どもの力を把握し、適切な教材を与えて十分に理解できるように支援していると思います。実際に学力が定着していくことも自らの経験で実感しています。

ただ、このような「家庭教師のような個別指導」は、子どもの内にある「学びに対する意欲」を十分に生かしていないのではないかという疑問を持つようになりました。

それまで1対1での指導を行っていた子どもが、複数名の指導に変わった途端に表情が柔らかくなり、それまで指示待ちであった態度も自主的なものになってきた様子にであいました。
友だちの学んでいる様子や他の子どもへの支援を見ながら、自分自身がするべきことを自覚し主体的に取り組めるようになる。数名の小集団でもそのようなことが可能である。・・・

もっとも効果的だと思われる支援・指導形態はオンリーワンではないのですね。

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校内委員会

特別支援教育の校内委員会はどの学校でも定期的に行われていると思います。
具体的なケース検討をしている場合もあれば、校内での支援体制をどのようにしていくかを論議している場合もあると思います。
校内委員会の最も大きな強みは、支援の対象となる「一人の子ども」にそれまで関わってきた教師がその子の成長を含めた多くの観点から意見を述べられることだと思います。
巡回相談やカウンセラーが関わる時間は限られています。ごく限られた情報から判断されるいわゆる「専門家」の意見も参考にしながらも、校内の先生方の総合的な見方・意見を大切にしていってほしいと思います。
その時に大切なことは、共通の「子ども観・発達観」ではないだろうかと最近感じています。
校内の特別支援教育コーディネーターがリードして子どもの「困り感」を中心に据えた方向で支援が行われるような話し合いを行っていくことが大切だと思います。

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「ちょっとひとやすみ」させてあげること

通常学級の中で毎日の学校生活が「しんどく」なってくる子がいます。
教室にいることができなくなったり、体調の不調を訴えることもあるかもしれません。家庭で「登校しぶり」としてあらわれる場合もあれば、学校で不適応としてあらわれる場合もあります。
教師や保護者は、「大丈夫、がんばれ」と子どもに頑張ることを要求します。
でも子どもの不適応は「いままで精一杯頑張ってきたけれど、これ以上は無理だ。」という心の叫びであることが多いと考えてください。そんな子たちには無理をさせないで、「ちょっとひとやすみ」させてあげることが大切であると思います。不適応の原因を「子どもの中」に求めないでください。その「ひとやすみ」の間に、保護者として、担任として、学校として「何ができるか」を考えることが大切なのだと思います。

勉強についていけなくて困っている子には、ていねいな個別指導が必要です。友だち関係がうまくいかずに不安定になっている子には、周りの子どもへの指導も必要です。家庭で困難な状況に置かれている子には、関連機関との連携が必要です。落ち着かない学級が苦痛な子には、担任や学級自体が変わることが必要になります。
「ひとやすみ」している間に、周りの環境が少しでもその子にとって楽なものに変わっていれば、きっとその子は戻ってこれると思います。

子どもの「しんどさ」を受け止めて、周りの環境を変えてあげられる親や教師でありたいものです。

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「変わる」ことができるのか?

「子どもが変わるのではなく、自分が変わった。」と話してくれた担任の先生がいました。
今、自分の学級のことで「困っている」担任の先生にこのことを話したら、真剣に受け止めてもらえました。
成長していくのは子どもだけでなく、先生も同様なのだと思います。
もっとも必要なことは「きっかけ」ではないかと思っています。そのきっかけが「困っている」子どもたちから発されるSOSの場合もあります。そのSOSは「助けて」という言葉ではなく、勝手なことをしたり、エスケープをしたり、授業を妨害したりすることで表現されることの方が多いのかもしれません。
SOSを受け止めて、きちんと子どもの言動を教師が理解してあげることが大切なのだと思います。

教室に居ずらい子どもに対して、「私が認めることで、教室に居やすくさせてあげる。」と明快に話してくれた先生もみえました。自らの支援を振り返ることができる先生がもっとも求められている先生なんだと思います。

今までの自分を「変える」ことが適切な支援の第一歩だといえると思います。


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いわゆる「困った行動」にどう対応するか

いわゆる「困った行動」にどう対応したらよいのでしょう。
「注意・しかる」ことでやめさせようとするのが一般的ですが、これは最終的に行動をやめさせることにはならなりません。
「注意・しかる」ことがその行動の強化子になるからです。(このことについてはABAのカテゴリーの過去の記事を参考にしてください)
その行動に対して、なんのレスポンスもなければその行動は消えていくというのがABAの考え方です。
さらに、「強制反復法」というアプローチがあります。
支援者が同じことを「一緒にしようね」といいながらもその行動を「邪魔する」方法です。
子どもの行動を直接「妨害」すれば別のさらなる「困った行動」に移行していくことは目に見えています。
直接ではなく「同じことをする」という子どもの行動にシンクロしながらも「妨害」するという方法は、ある意味とても「穏やかで優しい」支援であると思います。

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本人が「困っている」こと

巡回相談で、担任の先生に「この子が困っていることは何だと思いますか?」と聞くことがあります。
そういうときに、多い答えが「この子は困ってないと思います。」です。
理由は指示を聞こうとしていないし、授業中に好き勝手なことをしているから。

それらの子は本当に「困っていない」のでしょうか。
子どもの得意なこと、不得意なことをきちんと見分ける。
周りの子との関係をどのように調整していくか。
学校生活のなかでの課題はなにか。
自己評価はどの程度であるか。

一つ一つ確かめていくと、その子の課題が見えてきます。
課題をきちんと明らかにするところから、取り組みは始まります。


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自己決定・選択するということ  通常学級編

学校教育では「自分で自分のことを決められる力」をあまり重視していないように思います。
通常学級でも子どもたちの意見を聞くのは「学級会:学級活動」だけで、学習場面でも生活の様々な場面でも子どもに自己決定権や選択権を与えている先生は少ないように思います。

子どもの自己決定権や選択権を尊重している担任の先生は、とても子どもたちから信頼されています。
「どうしますか?」「どっちにする?」と聞かれた時、子どもたちの目は輝きます。
今までの経験では、自己決定権や選択権が与えられた子どもたちは、好き勝手をするのではなく、自らの責任を自覚することの方が多いです。

以前、6年生全員で修学旅行の目的地を決める話し合いが2時間にわたったことがあります。
1日は京都で、これは決定。もう一日を「大阪城&USJ」か「奈良公園班別行動」のどちらにするかです。
単純にお寺の見学よりもUSJで遊びたいから、なんて意見の子どもは一人もいませんでした。
「USJなら家族でもいける。せっかく歴史を学んだのだから・・・」という子の意見に、
「このクラスのみんなでUSJに行ったら、今までの一番の思い出になる・・・」と胸を張って反対する子がいます。
ほとんどの子どもが自分の意見をしっかりと言うことができました。

結果どうなったかは、TVドラマのようでした・・・学校長への直談判

この年の子どもたちは
東大寺戒壇院の国宝四天王像を見ることも、
USJで仲間と最も幸せそうな笑顔の写真をとることもできました。

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月刊生徒指導 7月号

月刊生徒指導 7月号(学事出版) ”特別支援教育特集”

4ページの短い原稿ですが、
「通常学級の先生のための環境調整」
というテーマで依頼があったので書きました。

このブログの「通常学級における発達支援」がベースになっています。

6月の中旬になったら本屋さんで立ち読みでもしてくださいね。


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今、求められているもの

出版社の編集の方と電話で30分ほどお話をしました。
今現場でもっとも必要とされているのは、
「困ったときにどうするか、というすぐに役立つ解決策。」
確かにそのとおりです。私が訪問要請を受ける場合でも、多くの場合そのことが要求されます。
「このような困った事例にはどのように対応したらよいか」というマニュアルのニーズが多くあることは確かです。

しかし、本当の解決策に即効薬のようなものはないのでは、というようなお話をしました。
担任の教師と子どもたちで作り上げていく、学級の雰囲気や文化のようなものが問題を克服していくカギになると考えています。
「特性」を持っていたり、厳しい状況におかれていたりする子も、そうでない子も同じように生き生きとすごせる教室を少しずつ創り上げていくことが、もっとも効果的な取り組みであると考えています。
もちろん短期間で達成することはできません、年度末の学級の雰囲気をイメージしながら少しずつ積み上げていくことが大切だと思います。

問題がある場合、その原因を子どもに求めない。
子どもを変えるというスタンスからの脱却。
ここからスタートしてほしいと思います。

環境との相互作用の中で子どもの行動は起きると考えてみることは大切です。
応用行動分析については、ABAカテゴリー記事を参考にしてください。
教師がどのような働きかけをしていけばよいかについての定石はありません。
子どもだけでなく、教師自身も自分らしく生き生きと活躍できる教室にしていってください。

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保健室からの支援 その2

巡回訪問で観察をさせていただいたり、保護者の方との相談をさせていただいたりしています。
その中で、標準よりもかなり身長の低いお子さんと出会いました。お母さんと話し合っていると、お母さんも気にはなっているとのこと。「1年間で4cmの身長の伸びが必要である。」ぐらいの知識しかなかったので、学校に帰ったらさっそく養護の先生に相談しました。そうしたらすぐに「成長曲線」の資料を出してきてくれました。「-2SD(低成長3パーセンタイル以下)」が成長障害の一つの基準だそうです。
また、色覚障害のお子さんのことでも、学校教育での配慮についての資料を用意してくれました。
以前の記事でかいた「視覚機能」についても同様です。学校全体の子どもの視力の状況を把握している養護の先生と連携をとって検査を行うなどの取り組みは大切です。

それぞれの専門性を生かしたチームとして、子どもの持つ課題にアプローチしていってほしいと思います。

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保健室からの支援

チームとしての支援を考えるとき「保健室からの支援」も欠かせません。

通常学級に在籍する子どもたちが、
友だちとの関係でつらくなったとき
授業の中でしんどくなったとき
家庭で十分な安心感が持てずに不安定になったとき・・・

「体調の不良を訴える」という形で保健室に逃げ込むことがあります。そんなときに養護の先生(養護教諭)が担任と連携を取りながら適切な対応をすることができると、子どもたちが楽にすごせるようになります。

「荒れた学級」を学年途中から担任した先生が学年末に、「ここまでやってこれたのは○○先生(養護教諭)がいてくれたからです。」と話してくれたことがありました。
教室にいることができなくなって、一日に何回も保健室に行っていた子どもがいた。その子の対応を養護の先生と一緒に話し合い、子どもの立場に立った対応をすることができ、徐々に教室にいることができるようになった。
「心から、しっかり話を聞いてあげる」ことが保健室でも教室でもできたことがキーポイントだった。とのことでした。

また、「毎日数分でも、その子のことについて話し合うことがとても大切だった。」ということを教えてもらいました。

チームとしての支援は通常学級でも大変重要になってきています。同じ方向をむいて一緒に取り組める職場の仲間を大切にしていきたいものです。

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ダブルスタンダード

以前通常学級でお母さんがフィリピン人のお子さんを担任をしたことがあります。
宗教上の理由でピアスを空けていた彼女、とてもしっかりしていた子でした。
お母さんは大統領を輩出したアキノ一族の令嬢だったそうですが、明るく元気な親しみやすい方でした。
そのときいろんなお話をさせていただいたのですが、一番印象に残ったのは、
「今の日本の母親は、ここまでは許すがここからは許さないというラインをきちんと子どもに示すことが出来ずに、その基準が日によって違う。見ていてハラハラする。」というお話でした。

子どもの支援を考えたときスタンダードが複数あることは子どもに大きな混乱をもたらすと思います。
学級全体がアンダーコントロール状態になったとき、支援のために支援員や他の教員が配置されることが多いのですが、このとき陥りやすいのが「ダブルスタンダード」による混乱です。
片方の指導者は許可するが、もう一方は許可しないなどの対応のちがいがあるという状態では、子どもたちの混乱は解消されません。

ある先生の授業では落ち着いているのに、違う先生の授業では不安定な状態になる場合も同様だと思います。
この「ダブルスタンダード」を解消するためには、教師間の相互理解と対応の統一が必要です。
話し合いだけでなく、できればマニュアル風に文書化しておくと他の教師が入る場合にも参考になると思います。
これは特別支援学級でも同様だと思います。
必要なのはチームとしての対応だと思います。

ここからは余談です・・・
その母さんの英語はとても美しく、
私が好きだったEmily Dickinsonの朗読を
聞かせてもらったことがありました。

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教室からの「エスケープ」を考える

教室からの「エスケープ」を考える

通常学級で最も大きな逸脱行動の一つに教室からの飛び出し「エスケープ」があります。

教室からの「エスケープ」について、何人かの先生と話しました。

どんな時に「エスケープ」があるのか
 友だちとケンカやトラブルがあって興奮状態のとき。
 自分の感情を抑えられないとき。
 周りの子が自分の言うことを聞いてくれないとき。
 自分の主張がクラスで受け入れてもらえないとき。
 周りの子に批判されたとき。
 教師に注意されたとき。
 自分がやりたくないとき。うまくできないとき。
 クラス全体が騒がしいとき。
 みんなが静かにしているときに、自分が静かにできないとき。
これらはいくつかのパターンに分けることができそうです。

飛び出すことのメリットとしては
 先生の注目が得られる。
 追いかけてもらえる。
 先生になんとかしてもらえる。
 教室にいることが不快、その不快から逃げられる。
 興奮を鎮めることができる。

教師の側から見ると大変「困った行動」ですが、「エスケープ」せざるを得なかった子どもにとっては、「助けて」という大きな心の叫びであることが多いと気づき合いました。

このような大きな逸脱行動が起こる前に、どのような支援・配慮が必要なのかは一人ひとりの子どもによって違うことも見えてきました。
また、自己評価の低下がその引き金になることが多いことも見えてきました。


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自己評価を上げるために

昨日の「ココログ」の記事に
「学校で“自尊感情”は教えられるのか」というものがありました。

東京都教育委員会が、都内の小中高生に自尊感情や自己肯定感についてのアンケートを実施したところ、中高生の5~6割が自分を否定的にとらえていることがわかった。都教育委員会は自尊感情の大切さを認識し、小学校1校で試験的に“自尊教育”を実施する予定を決めた。

という内容です。

学校や家庭での評価が一方的、一面的な時に子どもの自己評価は下がっていくと思います。
小学生の中学年の男の子が「ぼくはよく叱られるから、自分なんていなくてもいいと思う。」といった時、同じクラスの女の子が「私も、そう思っていた。」と話した場面にであったことがあります。
また、小学校の時に学習面では今一歩だったけれど、みんなをまとめたり、引っ張っていく力をたくさん持っていた子どもが、中学校になってから勉強と部活になじめずに非行に走って行った。というようなケースもよく聞きます。

今の日本では、大人が毎日の生活の中で子どもに向けている言葉が、そのつもりはなくても子どもの自己評価をどんどん下げていく結果になっているように思います。子どもは比べられて大きくなっていくものではないと思います。

小さなことでも進歩を認めてあげること。
存在自体が大切なのだという実感を持たせてあげること。
このようなことを大人が意識することが大切だと思います。


また、あなた自身の「自己評価」もしっかり上げていってくださいね。

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短く・ゆっくり・わかりやすく

子どもに話すときも

会議で同僚に話すときも

センテンスが短く

ゆっくりとしたスピードで

とてもわかりやすく話す先生がいます。


一つ一つの言葉を

自分自身にフィードバックしているようにも思えます。


このような話し方の先生を

すべての子どもたちが望んでいると思います。

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「陽気のせい」にしない

同じような状態の子どもの行動をどのように分析するのかは人によって違います。

4月からの取り組みでずいぶん落ち着いてきていたのに、
年度末のこの頃、落着きがない。気になる行動がまたみられるようになった。

そのことをある先生は
「陽気がよくなるとこの子は調子が悪くなるんです。」
といい、

違う学校のある先生は
「学期末は行事も多く、どうしてもあれもこれもとやらせることが多くなったから。」
と話してくれました。

困難さを抱える子どもにどのような支援が必要かを考えるときに、
どちらの分析が仮説として適切かは明白です。

応用行動分析では
「行動はその前と後の出来事によって決まる」
としています。

きちんと子どもの行動を分析することで
適切な対応が見えてくると思います。

子どもの行動を「陽気のせい」にしないでほしいと思います。

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環境調整(通常学級編)その2「関わる側が変わること」

環境調整(通常学級編)その2「関わる側が変わること」

通常学級担任の先生のお話をうかがいました。

「クラスの子ですぐに教室を飛び出す子がいた。その子は保健室や「心の教室」(相談員の先生が週に2回来る部屋)に長い時間いることが多かった。でも最近大変落着きをみせ、教室にいることができる時間が多くなった。」
とのことでした。

「どうして、そのような変化があったのですか?」と聞くと。
とてもすっきりした表情で「その子じゃなくて、私自信が変わったから。」と話してくれました。

今まで、その子に対する取り組みについては、及ばずながら私も助言をし、その担任の先生もできる限りのことをされていたのですが、変化は少しずつという感じでした。

でも、その先生自身が「もっともっと、しっかりとその子の思いを受け止めてあげよう。」としたことが、その子を変えることができたのだそうです。
その子の頑張りを周りの子も認め、トラブルも減ってきたということでした。

その子を変えようとするのではなく、関わる側が変わることによって状況が変わるということ。
もしかすると支援の基本はここにあるのかもしれないと思いました。

「環境調整」のはじめの一歩、

明日からはじめてみませんか?

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ケース会議の進め方

短時間で効率的なケース会議の進め方について

校内の特別支援委員会等において「ケース会議」を行うことは、単にそのケースについての対応を検討するということだけにとどまりません。学校として「困り感」のある子どもに対してどのように取り組んでいくのかという意志統一の場でもあり、このような取り組みの積み重ねによる教師のスキルアップの場でもあるのです。

ただ、現場は多忙を極めています。できるだけ短時間に効率的なケース会議について以下にまとめます。

1 インシデントプロセスの採用
 「インシデント」とは出来事ということで、「アクシデント」と違う点は「起きるべきして起きた」という観点でケースを扱うということである。また、どこに問題があるのかという「問題発見」を目的とするものではなく、どうすればいいのかという「問題解決」を目的としたものである。

2 同僚性の発揮
 子どもへの指導・支援に「困っている」同僚に対して、「非難・批判・指摘」をするのではなく、これまでの努力を認めつつ、「自分だったらどう関わるか」という観点で具体的なアイデアを出し合う場にする。また、協力して支援を行うというスタンスで取り組む。

3 エピソード主義からデータ主義への転換
 「意欲的に」であるとか「がんばっている」などのような主観的・抽象的なエピソードで子どもの行動を分析するのではなく、「ケンカが週に2回以下になった。水曜日以降には起こらないようになった。」というように具体的に分析することとする。また目標も「教室から出てもよい回数を1日に1回にして、時間も30分以内にする。」といった客観的なものにする。このことによって取り組みを、教師の間でも、保護者とも、子どもとも、共有することができるようになる。

4 進め方
 a 提案  5分
 報告者が解決したい出来事(インシデント)を提案する。
 出来事をありのままに報告する。思いや抽象的なことは避ける。

 b 質疑  5分
 参加者がアイディアを考えるために知りたい情報を質問する。
    
 c 協議  15分
 自分のアイディアを付箋に書く。 数分
 発言者は1人一回早い者順とする。
 記録者は付箋を項目別に画用紙に貼る。
 同じアイディアが出たときは他のアイディアを付箋に書く。
        
 d まとめ 5分 
 記録者は画用紙を使ってまとめを発表する。
 報告者がまず取り組んでみようと思うアイディアを発表する。
 学年・学校全体として取り組むことも確認する。

5 評価
 取り組みの成果は定期的に行われている校内委員会で報告する。成果を共有し、ねぎらい合えるような会議になるようにする。課題が残った場合は、別のアイディアで取り組むか、再度ケース会議を開くかを確認する。


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環境調整(通常学級編)その1


「環境」を子どもの発達支援の視点から考えると、
子どもの内的・外的なものすべてが「環境」であるといえます。これは以前の記事「ICFの生物・心理・社会モデル」でも紹介しています。

子どもの特性なり、障害なりを個人の枠組みから環境(個人的環境・公的サービス・民間のサービス・制度・法律・文化)の方向へ広げ、その中に位置づけることが重要になります。
このことにより、環境を調整(coordinate)することこそが、もっとも有効な支援・取り組みになりえるといえます。

子どもの特性に応じた
・教室環境の調整
・教材の調整
・支援内容の調整

教師がこれらのことを主体的に適確に行うことが重要です。
具体的にはこれから何回かのシリーズで紹介していきます。


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「キレる子」にはわけがある

大阪医大LDセンターでの研修と教育研究集会(基調講演は「競争やめたら世界一」の都留文科大学教授・福田誠治さん)の日程が重なったため。分科会のレポート参加だけになりました。せっかくなのでこのブログでも紹介します。

「キレる子」にはわけがある            

一般的にはこのように「キレる子」を分析しているようです。

国立教育政策研究所の報告書では、「キレる子」を「『突発性攻撃的行動及び衝動』を示す子どもと規定しています。なお、この研究では一応発達障害の子どもを対象とはしていません。
「キレた」子どもの基準として。
①「キレた」ことによる行動(暴力行為)が常識的な判断として了解されるものではない。
②「キレた」ことによる行動(暴力行為)に、情動を制御する力が認められない。
「キレた」子どもの分析(概要)
(1)「キレた」子どもの性格的傾向分類
①「キレた」子どもの性別は、男子が87・8%、女子が12・2%。
②性格的傾向の分類では、多い順に「耐性欠如型」70・3%、「不満型」30・1%。
③「耐性欠如型」と「攻撃型」は男子に多く、「不満型」は女子にやや多い。
(2)「キレた」子どもの成育歴に関する要因の分類
①「キレた」子どもの成育歴に関連する要因として、最も多く指摘されるのは、「家庭での不適切な養育態度(75・8%)」、「家庭内での緊張状態(63・8%)」である。
②「家庭内の不適切な養育態度」としては、「過度の統制(18・8%)」「過保護(甘やかし)
(13・6%)」「過干渉(11・3%)」「過度の要求(10・9%)」及びこれらと対峙すると思われる「放任(14・8%)」「言いなり(9・5%)」という両極にある養育態度が「キレた」ことの要因となっていると推察される。 
③家庭内で子どもに心理的な緊張感や不安感をもたらす「家庭内の緊張状態」としては、両親の「離婚(24・5%)」やそれと関連した事項として「夫婦不仲(12・5%)」、「貧困(11・5%)」、「再婚(7・8%)」が認められた。これらの事項は、子どもに心理的な不安や緊張状態を引き起こし、子どもを「イライラ」させ、両親に反抗的な態度を形成することに、少なからず関与しているものと思われる。そして、これらのことは、「キレる」ことに直接的というよりも、むしろ間接的な影響を与えているのではないかと推察される。
④「父不在(14・5%)」「母不在(9・2%)」も要因として指摘できるが、これは両親が不在がちであることにより、子どもに対する養育態度として「過保護」「放任」につながるのではないかと考えられる。
⑤「キレた」子どもの4分の1前後は「問題行動(非行等)(27・4%)」を起こしたり、「家庭内で暴力・体罰(24・0%)」を受けたり、「友人関係の問題(23・9%)」があったことが指摘できる。
⑥子どもの「問題行動(非行等)」(27・4%)」に対して、「家庭の適切な対処が欠如」していることが認められた(「問題行動(非行等)」が認められた事例の73・0%)。「問題行動(非行等)」に対して、養育者が毅然とした態度対応をとることの必要性が指摘される。                               
 なお、学校要因としては、①友人からのいじめ、②教師の不適切な対応、③学業面の問題、④友人関係の問題、及び⑤問題行動(非行等)に分類される――としているが、結論的には「以上のことから『キレる』子どもの発生においては、家庭の状況は否定しがたい影響力を持っており、それに比較し、学校等の影響は相対的に小さい」としている。

 いかにも国立教育政策研究所らしい調査研究報告です。この報告はデータとして参考にする程度でよいのではないかと思っています。もともとこの調査は家庭状況の分析を中心的なものとして行われているので、このような「家庭の問題」「性格の問題」という結果になったと思います。
 私は「家庭の問題」などは、本当の原因ではなく背景・要因であり、本当の原因は「自己評価の低下」であると考えています。
 「キレる子」への支援を進めるためには、自己評価が低下している原因を明らかにすることと、「キレる」行動の前後の文脈をきちんと分析することが大事だと思います。

自己評価低下の原因として考えられること。
 ・学校で「学力中心の評価」にさらされているため、学校生活に適応できない。
 ・成功体験が少ない。ほめられた経験が少ない。
 ・他の人のために役立っているという自己有用感が少ない
 ・教師やクラスメイトに認められていない。
 ・ストレスにうまく対処することができない。
 ・友人関係をうまく作ることができない。
 ・アンガーコントロールがむずかしい。
 ・キレた後に「どうしてあんなことをしてしまったのか」と後悔することが多く、さらに自己評価を下げることが多い。         
   
「キレる」子の行動分析で大切なこと。
 ・事前にどのようなやり取りがあったか。
 ・事後にどのような状態になったか。
 ・事前にどのように対応すれば「キレる」ことがなかったか。
 ・事後にどのように対応すればクールダウンがスムーズにいくか。                          

「キレる子」への支援として考えられること。
・アンガーマネージメント
・他者の感情をどのように理解するとよいのか。
・コミュニケーションスキルを身につける。
・ロールプレイング
・「キレ」た後でお互いの気持ちを吹き出しに書いてみるなどして振り返る。               
  「キレる子」は少なからず「発達障害スペクトラム」の範疇に入ると考えられます。しかし、発達障害であるからといって特別の対応や投薬などで問題が解決するわけではありません。これまで述べた対応を、継続的に、丁寧に、子どもにより添う形で進めることが最も大切であると考えています。また、行動が変容していくために大きな手助けとなるのは、いつも近くにいて本人を理解してくれている友だちです。

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先生への2つの質問

この週末数冊の書籍を読みました。

その中の1冊に「カウンセリング心理学入門」(國分康孝著)という本があります。私はこの著者の主張すべてに賛成するわけではありません。しかし、とても参考になる記述がありました。

「模倣の対象になれる親や教師に」という項で、
「模倣の対象のある先生はある状況に置かれた場合に、自分が見習った教師と同じような処置を迷わずとれるから、事態が動く。」とありました。また、「模倣の対象となる先生がいるか。」と聞いた時、「いない。」と答えた先生に、「学校って何だ。言ってみろ。」と尋ねたということが書かれていました。
私は、教師として独り立ちをするためには、この2点はとても重要なことであると感じました。

これからは、私が関わるたくさんの若い先生たちに、

「学校とはどういうところだと思いますか?」
「あの先生みたいになりたいという先生がいますか?それはなぜですか?」

という2点を聞いてみようと思います。

この2つの質問を自分なりに考えることは、「教師はこうあるべきだ」などという押しつけよりも、ずっと多くのことを彼らに与えてくれると思います。


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大切なのは「友だち」

発達障害といわれる特性をもった子どもたちにとって最も大切な存在は、毎日の生活を共にして、その子の最大の理解者である「友だち」だと最近実感しています。

これまで「アスペルガー症候群」や「AD/HD」と診断された多くの子たちの成長を振り返ってみると、
低学年で大きな不適応や逸脱行動が頻繁にあった子が、中学年・高学年と成長するにつれて、
言動がとてもマイルドになっていたり、学校生活の中で活躍する場面が多くなっていることに気づかされます。

職員室でも「ホントにあの子成長したねえ・・・」と元担任や現担任がその成長に感心することがあります。
もちろん先生方の適切な支援の成果でもあるのですが、もっとも大きな力になったのは、常にその子に
よりそい、その子の良いところを大切にしながら仲よくしてくれた「友だち」だったと思います。

仲の良い「友だち」との日々の出来事を通して積み重なった体験は本当の意味でのソーシャルスキルトレーニングだったと思います。
自らが傷つくほど大きなパニックになった後でも、何事もなかったようにいつものように話しかけてくれる、一緒に遊んでくれる「友だち」がいます。
この「友だち」の存在が、本人にとって大きな支えになっている、励ましになっている、自己評価を低下させないお守りになっている、といえます。

教師の役割は、いろんな課題を抱えながらも頑張っている一人ひとりの子どもを孤立させるのではなく、互いに認め合えるような学級集団作りをていねいに進めていくことであると思います。
そして、その中ではぐくまれた「友だち」関係を大切にすることを応援してあげることだと思います。

低学年の時に投薬を受けていた男の子が、パニックになって運動場の隅に「固まって」いる下級生の男の子のそばについてあげて、優しい声かけをしてくれているシーンに出会いました。
彼はきっと誰よりも、その子の気持によりそってあげることができていたのだと思います。

「特性」とよばれていたものを「性格」とよばれる範疇にやわらげてくれるのは、「友だち」と「自己有用感」ではないだろうかと思っています。


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アサーション・トレーニング

学校現場では今、流行の兆しがある「指導」方法です。
通常学級の道徳や人権教育などでよく取り入れられるようになっていますが、指導者側が「アサーティブなコミュニケーション」をどうも勘違いしているようにも見受けられます。「相手を傷つけない言い方」はどのようなものだろうということをメインに「指導」していることが多くあるようです。

本来、「アサーション・トレーニン」は「自己主張トレーニング」と訳されるべきです。
最も大切なことは、まず自分が伝えたいことをはっきりさせるということです。
そして次に、わかりやすく表現すること。相手にきちんと伝わったと思うまで、おだやかに繰り返すことなどがトレーニングの第一段階です。
話す相手が反論なり見解を述べてきたときは、相づちなどをうって相手の考えが伝わっていることを示します。どちらが正しいかに重きを置くのではなく互いの思いを受け止め合うコミュニケーションを大切にします。

まとめると、攻撃的な自己主張ではなく、適切な自己主張を学ぶためのトレーニングといえます。
もちろんこれは、SSTとして有効な方法であると思います。

最後に「自分自身の考えを大切にする。」「そして、それは尊重されるべきものである。」「自分は尊重される価値をもった人間である。」などという自尊感情がベースになければならないということも付け加えておきます。

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「図と地」通常学級編

通常学級での「図と地」についての簡単な考察です。

前を向いていても、黒板に書かれている注目すべき部分を見ている子は多くはないと感じています。
ぼんやりとしている子は教師の声も板書の文字も「地」になっています。
じっとしていられない子は、他の興味がある物を見たり、近くの子どもにちょっかいを出したりしています。これらが「図」になってクローズアップしています。

極力、教室の黒板周りや前面をシンプルなものにして、テレビや棚、予定黒板などをカーテンで隠すなどの環境整備を行っている担任の先生も見えますが、まだ多くはありません。
逆に黒板の中に学級通信や掃除の登板表、子どもの名札磁石などをたくさん貼ったりして、肝心の板書がとても見にくい教室を見かけることが結構あります。

また、大きな声でずっと話し続ける教師の声は、子どもたちが能動的に「聞く」という機会を奪うばかりか、学ぶべき内容さえも伝わらないことがあります。私語が多いのもこのようなクラスです。
穏やかに小さな声で語りかける教師の話を静かに聞いている子どもたちの眼は輝いていることが多いです。

言葉による指示だけでなく、それをわかりやすく板書したり図示したりする。
集中できない子、姿勢が崩れる子、じっとできない子などには「~しなさい。」と注意するより、「○○さん~してるよ。」というコメントをして自分が無意識のうちにしていることを自覚させるようにする。

もちろんこのような配慮も大切ですが、授業内容自体が子どもの「学び」をしっかりと保障しているものであることがバックグラウンドになければいけないと思います。
そして、もしかすると一番大切なことは、教師が一人ひとりの子どもの特性にしっかりと焦点をあてる。
つまり「図」としてとらえることかもしれません・・・


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視覚化シート「こうしたら大丈夫」

ひとつ前の記事「自己解決の指導法」の資料です。

書き込み式のシートを使い問題過程や解決方法を視覚化する。

視覚化用シートとして「こうしたら大丈夫」シートを作ってみました。
サンプルとして「いやな事を言われてけんかになった」ケースを書いてみましたので参考にしてください。

これは教師と子どもが、後日落ち着いた雰囲気で
「いっしょにどうしたらいいか考えようね」というスタンスで話し合って書き込んでほしいと思います。
何より大切なことは子どもと教師の信頼関係だと思います。

問題がある子だから何とかするためにこのシートを使うということではなく、この子が楽に暮らしていけるためにこのシートを使うというスタンスで使ってほしいと思っています。
うまくいかなくても、これを材料に子どもを責めるようなことは逆効果であると思います。

また、ABAのカテゴリーで紹介している「ストラテジーシート」も教師側の手立てとして作成しておいてください。

「こうしたら大丈夫」シート:「sikakuka.pdf」をダウンロード

「こうしたら大丈夫」シートサンプル:「sikakukasample.pdf」をダウンロード


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自己解決の指導法「5つの”S”」

ソーシャルトレーニングについて調べていたら、「認知行動療法」をもとにした取り組みを見つけました。「認知行動療法」についてはペアレントトレーニングの手法としても使われているため、自分の理解を整理するためにまとめてみました。

アスペルガー症候群の子どもの自己解決の指導法について

友だちとのトラブルが多い子やすぐに感情的になる子の指導として「5つの"S"」がある。
1 気持ちの受容 Sympathaize
2 問題の客観的認知 See
3 目標の自己選択 Self-Detemination
4 自己評価・強化 Self-Evaluation
5 目標のステップアップ Step up

具体的には、
1 気持ちの受容:周りの子が刺激しないように配慮する。場所を変えたり、時間を置くなどしてクールダウンさせる。「なぜ泣いたのか」「なぜ暴れたりしたのか」などのわけをよく聞く。落ち着くことができるようにする。
2 問題の客観認識:問題過程の視覚化(認知行動療法)を行う。問題解釈の比較をする。
3 目標の自己選択:できそうな目標をいくつか提案する。無理なくできる目標の自己選択。
4 自己評価・強化:できたかどうか記録し、自分で評価する。トークン(シール表など)を活用する。
5 目標のステップアップ:できたことを認識し、さらなる目標を考える。 

上記の1~5を認知行動療法に対応させると

認知行動療法:視覚化(上の2に該当します。)
書き込み式のシートを使い問題過程や解決方法を視覚化する。
視覚化用シートは次の機会にアップします。

自己管理・自己解決の指導方法(上の1・3・4に該当します)
a 気持ちの受容 「どんな気持ちになったの」「それで怒ったんだね」
b 問題の認識と解決への意欲 「これからどうしたらいいと思う?」「どうしたらよかったと思う?」
c 目標設定  「どういうことだったらできるかな」
d 方法の選択 ロールプレイング(好ましい行動の練習)
e 評価   自己評価・教師の肯定的評価


実際にトラブルがあった子どもに対応するときには、上記のような段階を踏んで指導されていることも多いと思いますが、きちんとした手順やフォームを用意して対応すると、次のレベルの課題もきちんと明らかにすることができると思います。


上記の記事は新潟大学の長澤先生の「発達障害の指導 ソーシャルスキルトレーニング」を参考にさせていただきました。


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遊びのSST(3) 「ルールズ」   

遊びのSST(3) 「ルールズ」   

順番のルールズ

遊びの順番にもTPOがあります。遊びや活動の内容によって順番が変えられることは非常に民主的・社会的な配慮ができるということです。

早いもの順でいい遊び:ある意味やりたいもの順で問題のない遊び。「長縄」「タイヤとび」・・・

大きいもの順がいい遊び:やり方を小さい子に見せてあげる方がよい遊び

小さいもの順がいい遊び:スキルの未熟なものからの方が長続きする遊び

じゃんけん順がいい遊び:みんなが我先にしたがるかみんなが尻込みする遊び

特別の順番がいい遊び:スキルが高い子が低い子を間に入れる遊び。

「けんか」になるか「遊び」になるかを分けるルール

相手が「やめた」といったら、やめる。

相手が逃げ腰になったら、やめる。

相手が泣きそうになったら、やめる。

相手が困っているようだったら、やめる。

一方的になってきたら、やめる。・・・・

このようにすれば「ケンカ」になる前の遊びの状態で終えることができます。

このスキルは、特性を持った子だけでなく学級のすべての子に身につけさせて始めて有効になるものだと思います。

今回の「遊びのSST」シリーズは家本芳郎著「遊びの達人」を参考にしています。

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遊びのSST(2) 「いれて・いいよ」スキル   

遊びのSST(2) 

「いれて・いいよ」スキル   

友だちと一緒に遊ぶためには、遊びに「入れてもらう」スキルと「誘う・入れてあげる」スキルが必要です。

友だちと遊ぼうとするとき、自分たちの遊びに誘うときには 「あそぼう!」「~しよう。」「はいって。」が言えれば十分です。

また、友だちに誘われたとき、遊べる時は問題なく「うん、あそぼう!」でOKです。

でも、遊べない時・遊びたくない時は、「あとでね。」「またこんどね。」「今、~してるから。」などの上手に断るスキルも身に付けておきたいものです。

誘われて断ることができないために無理をしている子。上手に断れなくてうまく友だちができない子、友だちとケンカをしてしまう子もみかけられます。

できるだけ相手の気持ちを思いやった言い方で断れるようにトレーニングをすることはとても大切です。

(これは、思春期・青年期になっても必要なスキルです。私はたくさんの「ヤンチャ君」たちに逸脱行為・違法行為に友だちから誘われた時には「無理、無理、オレ、これ無理!」と言ってその場から逃げるスキルを教えてあげていました。)

友だちの遊びに加わりたいときは、「いれて」「まぜて」と言えればいいですが、その時に「順番は最後にする。」「鬼になる。」「守備からはじめる。」などのひかえめな態度で参加することができるようにしたいです。

遊びからぬける時は「ばいばい」だけでなく「時間になったから、悪いけど先に帰るね。」「とっても楽しかった。」「また、あそぼうね。」などと言えるようになってほしいです。

遊びのSST(3) 「ルールズ」スキルに続く

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遊びのSST(1)  「ひとり遊び」からの出発 

遊びのSST(1)

 「ひとり遊び」からの出発 

「ひとり遊び」は文字通り「遊び」(楽しみ)をひとりで組織する力によって獲得されます。

まずはこの「ひとりで遊ぶ力」を育てることに取り組むことが必要です。熱中・集中してひとりで遊ぶことができるようになることは、保護者や教師、他の友だちばかりに頼るのではなく、「自分で何かしよう」という自主性や自立心を育むことになります。

何もすることがない時に、不適切なこだわり行動が見られるお子さんの場合は、特にこの「ひとり遊び」の指導は大切です。具体的指導については以前のABAカテゴリーでの記事「遊びの指導(1)(2)」を参照してください。

通常学級ではよく、ひとりで教室で遊んでいる子に対して「外に行ってみんなと遊びなさい」といって運動場へ出すことが多いですが、その子の行動は外に行っても大きく変わることはありません。

まずはしっかりとその子の行動を認めてあげてることも大切です。

「お絵描き」「読書」「折り紙」「迷路」「お話作り」「パズル」「ブロック」・・・

教室の中でそれぞれの子が「ひとり遊び」をする時間をとってあげることも、低学年では有効だと思います。

その後、それぞれの遊びを学級クラブ活動に発展させていったり、得意な遊びの「ミニ先生」になって、他の子に教えてあげたりする活動に広げていくことは学級集団活動としても価値のあることだと思います。

遊びのSST(2)に続く

 

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支援・介助・介入からの離脱

通常学級でのさまざまな課題を解決するために担任以外の人的な支援・介助・介入を行うことが最近増えていますが。最終の目的はそれらからの離脱です。

支援・介助・介入をどのような手順で離脱していくかはケースによって違いますが、スタート時点からそれを見越した計画が本当は必要です。

しかし、事の緊急性から、それらがはっきりしないまま人的な支援等を行うことが多いのは仕方がないことです。

ある程度課題が解決した段階で、どのように離していき、どの段階で離脱するのかをチームで話し合ってください。

当然徐々に離していくことになりますが、「消去バースト」と同様に揺り戻しのような問題が起こることも予想しておいてください。もちろんその時の対応も考えておくと万全です。

支援等の対象となるメインの活動や教科で対象の子どもの様子を見ながら、支援等の時間を減らしていく、短時間で効果的な支援法に変えていくことが大事だと思います。

離脱を考える必要が生まれてきたことは、実は支援等の8割がたの成功を意味します。しっかりとチーム内でそれぞれの活躍や頑張りを認め合い、ねぎらい合いながら、ポジティブに話し合ってください。ゴールはすぐ目の前ですから。

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ちょっと気になる子の指導について

「ちょっと気になる子」をどうとらえるか

問題行動・逸脱行動がある子どもは見過ごすことはありませんが、目立たない子や本人の「困り感」が見えにくい子は見過ごしやすいことが多いのは事実です。

小学校では大きな問題は出ていなくても、中学校へ進学してから不登校等の問題が起こることがあります。

例えばこのようなお子さんがあなたのクラスにも何人かいるかもしれません。

     
教師や友だちに「いじられがちな子」
どの場面でも目立たない地味な子
極端に反応が遅い子
困った様子が見えにくい子
集団行動や・友達関係でちょっと雰囲気が違う子、浮く子(周りの雰囲気・空気が読めない子)
相手の目を見て話さない子
会話がきちんと成立しない子
活動や物事にこだわりが見られる子
「~博士」と言われている子
  
このような「ちょっと気になる子」をまず、友だちとの関係やクラス全体でどのような位置にあるのかを見直してください。次に学校生活の中での活動の様子を観察してください。 

その子がほかの子との関係で困っていることはないか。学習でつまずいていることはないか。自分自身をうまく表現できているか。生き生きと活動できるものがあるか。etc・・・

チームで取り組む必要性があると思われる子については、同学年の先生や校内のコーディネーターと連携をとって観察をして具体的な対応を進めてください。

その子の居場所や、活躍できる活動を与え、がんばったことを教師やクラスの友だちが認めること。互いの個性や特性の違いを認めながら支え合えるようなクラスを作っていくことが最も大切であると思います。もちろん自己評価を下げないような取り組みも大切です。

日々の教育活動の中ですべての子が生き生きとできる活動を保障することは、「特別支援教育」でもあり、「ユニバーサル教育」でもあり、実は「教育本来の姿」なんだと思います。

もちろん、しっかりと次の学年や進学先に申し送りをすることも忘れないでください。

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授業配慮と共に基礎トレーニングを Part2

授業配慮と共に基礎トレーニングを Part2

前回は、姿勢・集中・眼球運動などについて述べました。

今回は「聞く」力のトレーニングについてです。

小学校の低学年でも、「聞く力」をつけるために、教師が文章を読んで、それをノートに書かせる「聴写」や次の日の予定を予定黒板に書かずに教師が言ったことを予定帳に書かせるなど、意図的に毎日取り組んでいるクラスがあります。

また、集中が難しい授業の中で、教師が言った数字をノートに書くという単純な作業を取り入れている先生もみえました。

友だちの朝の「スピーチ」をメモを取らせて聞かせるという取り組みも以前行ったことがあります。

「聞く」という活動は外から見えにくい静的なものですので、何らかの確認が必要になります。一般的には「書く」「話す」といったことで確認することが多いのですが、「書く」「話す」に困難さを示す子どもにとってはどれもがつらい活動になりやすいです。
そのような子どもが何人かいるクラスでは、確認のための活動の難易度を下げるなどの配慮が必要です。

また、ゲームの中で「聞く」力をつけるような種類のもの(サイモンセッズなど)を学級レクで行うことも、楽しみながら力をつけることになると思います。

授業中の話し合いの中で互いに「聞き合う」ことは、互いの考え方を知り合い・認め合うという点でも大変重要なことです。
学校での学習の最も基本的な力として位置づけ、授業の中で「聞けている」ということをしっかりと認めることが教師に求められていると思います。

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授業配慮と共に基礎トレーニングを Part1

授業配慮と共に基礎トレーニングを Part1

さまざまな課題を持った子どもを通常学級で指導する場合に、多くの配慮が必要となってきます。これらのことについては、以前の記事(授業配慮確認シート)等で書いてきました。

このような教師側の配慮によって、より楽に授業に参加できるようになることはとても大切なことです。学習環境が整うことによって子どもの「困り感」は減っていきます。
しかし、本来の子どもが抱える課題を解決したことにはなっていないといえます。
次に必要なことは、具体的に子どもに力をつけるための基礎トレーニングだと思います。つまり運動前のストレッチや軽いジョギングにあたるものです。

具体的にどのようなトレーニングかというと
・正しい姿勢ですわる
・集中する
・先生や友だちの話を聞く
・提示されたものや教科書・プリントなどを読む
などです。
当たり前といえば、当たり前ですが、これらの基礎的なことが苦手なために、じっとしていられない・教室から飛び出す・勝手な発言を繰り返すなどの問題行動が起きることも多いのです。

以下のようなトレーニングを毎日少しずつ行うことで、子どもたちが変わってきます。

着席姿勢の確認 足やおしりの位置、背すじなどを確認します。「いい姿勢!」の一言や決まった合図でそれができるようにさせます。

正しい着席姿勢を確認し、手はひざに置かせて、目をつぶらせて30秒から1分程度全員が静かにじっとしている。(黙想のようなものです)
実はこれをやってみるとクラスに1・2名数秒しか持たない子がいます。すぐに笑ってごまかそうとする子、黙ってはいてもとても苦しそうな顔つきになる子などです。これらの子はほとんど、授業中集中できずに手遊びをしていたり、勝手な言動がある子です。
毎日続け徐々に時間を延ばしていくようにしてみましょう。無言で本を読む「朝の読書」も有効であると思います。(余談ですがANAの整備士は、始業時に集中力を高めミスをなくすために30秒の黙想をしています。)

黒板の前で教師が長い指示棒などをゆっくりと動かしそれを、子どもたちは顔を動かさずに目だけで追う。(「眼球運動」の記事で書いたものの教室バージョンです。)
もちろん1対1のほうが効果的ですが、想像以上にクラスで行っても苦手な子を発見することができます。
目標を目で追うことを辛そうにしている子、あらぬ方向を向いている子など、やはりクラスで何人か見つけることがあります。
縦方向はクラス全体では難しいのですが、気になる子には1対1で試してみてください。学習面で大きな困難を抱えている子が、縦がうんと苦手であった経験があります。
眼球運動は板書をノートに写したり、本を読んだりするときに大きく影響します。
この眼球運動についても毎日の少しずつのトレーニングは有効です。

Part2に続く

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不登校・登校渋りへの対応

不登校・登校渋りへの対応は本来コーディネーターの仕事ではないという人もいますが、私はそう考えていません。発達障害だけを専門にしているわけでも、特別支援教育だけを専門にしているわけでもないからです。

子どもの「困り感」を何とかしたいという先生方の力になればと学校訪問を行っています。

登校渋りの子どもに対してどのように取り組んでいくか先生方と話し合いました。

「登校を渋る」という行動がどんな機能を持っているか。

保護者との関係、兄弟との関係、担任との関係、クラスの友達との関係

いろいろな面から考えてみることが必要です。

関心や注目を得ることができる。家庭での位置関係や力関係をコントロールできる。学校での苦手な活動から逃避できる。・・・

不安定になっている原因を仮に「○○ではないか」と絞ってみます。

もちろん、どんな時にどれぐらいの「登校渋り」が起こっているかを記録を取って分析することも忘れてはいけません。

本人や保護者が自己評価を行えるようにする。

教室に入ったら何事もなかったようにふるまえる場合は、子どもが担任と一緒に自己評価できるようなチェックシートを使って評価し、それを家庭へ持ち帰って保護者からもほめてもらう。(これは行動改善のどのケースでも使うことです。)

家庭での関わりが問題であると考えられた時も、このようなフィードバックは大変重要であるといえます。

家庭での家族関係を本人がどのようにとらえているのかを知るために、「家族関係模式図」を書かせてみることも参考になると思います。なんとなく気になる子が気になる「模式図」を描いていることはかなり多くありました。

  

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単位行動に対するIEP

単位行動に対するIEP

 特別支援教育の広がりとともに、IEPは近年どこの小学校でも作成していますが、毎日の取り組みの中でそれを生かしていることはあまり多くないように感じています。
それは、小学校ではIEP自体が年間の目標を大まかに書いたようなものが多いためで、日々の教育実践とリンクしたものが少ないといえるからです。

 「単位行動に対するIEP」の必要性は特別支援学級だけでなく通常学級でも高まっていると思います。

以下に具体的な「単位行動に対するIEP」について述べます。

まずは、本人にとって最優先課題(問題行動等)に対してIEPを作ってみましょう。

「教室からの飛び出し」をターゲット行動例としてIEPをつくってます。

アセスメント
1 行動が起きる条件はなにか。
2 いつその行動がどの程度起きるか。
3 その行動の機能はなにか。(その行動によって得られるものは何か)

教室から飛び出す頻度を記録します。何曜日の何時間目であるとか、飛び出す前の状況を記録します。
2週間程度記録するのがベストです。(これをベースラインといいます。ベースラインからの改善状況がIEPの評価となります。)

IEPの作成
以前に掲載したストラテジーシートなどを利用して具体的な支援計画を立てます。
飛び出す事前の条件として「その授業ですること(できること)がない」「勉強がわからない」「教室でじっとしていられない」が考えられたとすれば、事前対応として「学習内容・課題を減らす」「個別の支援・指導を行う」「声をかけ励ます」などが考えられます。もちろん事前の条件が「注目を得たい」であれば対応は変わってきます。この場合は事後の対応として「無視」が適切であると考えられます。
タイムアウトも効果をあげることはありますが、基本的には「ほめる」ことで行動は強化されます。「ほめる」方策として「トークン・エコノミー法」があります。ABAの本場アメリカでは直接的なごほうびが主流ですが、日本人の私たちにはあまりなじめません。自己評価のチェックカードを使ってできたらシールを貼ってあげ家庭でもほめてもらうなどのごほうびが適当であると考えています。

具体的な支援
支援加配当等の教師の協力を得て支援を行います。毎日自己評価チェックカードを使って子どもと一緒に評価し1週間たったら家庭にもそれを知らせます。週ごとの到達度を振り返り、指導する側の方策もそれに対応できるような柔軟性が求められます。

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学級の「荒れ」を回復する その3

学級の「荒れ」を回復する その3

「だるまさんがころんだ」の応用

ゲームを通じて、ある程度教室という場のフィールドコントロールができるようになったら、今度は学習場面で「だるまさんがころんだ」を応用していきます。

私は黒板を黒板消しの角で「コンコン」と2回たたくサインをします。子どもたちは話し合いをしていても、作業をしていても即座に聞く姿勢をします。先に気がついた子が同じ班の子に声をかけるから、ほんの数秒でできるのです。これが徹底していくと黒板消しを持って手を挙げるだけで話を聞く姿勢になります。もちろんこんなサインを出さなくても、教師が「ハイ」というだけでもできるようになると思います。

担任が大きな声を出さなくても、話が聞けるようになると、学習場面で子どもたちをほめてあげることができるようになります。このことが、重要であるということを覚えておいてください。

学習場面でほめられることを経験した子どもは、授業に集中できるようになります。授業との向き合い方を知っていきます。それまで、立ち歩きや私語があったり、教師に対して反抗していた子たちの目が輝いていく瞬間に立ち会えることは教師冥利に尽きるものです。

もちろん、授業の内容は子どもたちの興味や発達段階・レディネスに応じたものでなくてはなりません。いたずらにドリルなどの反復練習を繰り返していることも慎まなければなりません。

子どもの学びを「習熟度」別で分断することや、一部の子どもを対象とした高度な内容の授業をすることも慎むべきだと思います。

子どもたちはそれぞれの考え方をぶつけ合う中で学んでいくものです。未熟でも「ああじゃないのかなあ、こうじゃないのかなあ」と話し合いながら、学びを「共同化」していきます。

そこには「習熟度」別では経験することができないダイナミックスがあります。

インクルージョンの発想もこのような「学びの共同」が基盤にあると思います。

学級の「荒れ」を子どものせいにしない教師の姿勢こそが、今求められていることだと思います。

授業配慮&基礎トレーニングのミニシリーズに続きます。

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学級の「荒れ」を回復する その2

今回のシリーズは以前に書いたSTOP THE 学級崩壊のシリーズとはアプローチの方向が違います。前回はABAやPBSを参考にしていましたが、今回は生活指導的な要素を含んだ「学級集団遊び」的なアプローチです。

では最も深刻なクラス全体がアンダーコントロール状態になる段階(phase3)でどのようなことから始めたらよいかを述べます。

キーワードは「だるまさんがころんだ」です。

レクの時間や休み時間に、担任の先生が鬼になって「だるまさんがころんだ」をするということです。

先生の「だるまさんがころんだ」の「だ」で子どもたちがピタッと止まる。このことからスタートします。ゲームなどの楽しい場面での教師のフィールドコントロール権を確立することから回復・再生がスタートできると考えています。

レクなどの楽しい場面で、教師のコントロールが可能になったら、授業や学級活動などの場面でゲーム的な要素を含んだ「指導」を行っていきます。

例えば、班別対抗の「聞く姿勢」競争。具体的にはどの班が一番はやく「手はお膝」ができたかを競わせ、黒板に班の順位を書く。という簡単なものです。子どもは競争が好きです。それを利用して班で互いに注意し合いながら正しい行動を習慣化させるということです。もちろん早くできた班はうんとほめてあげます。しかし、それだけでなく遅い班でもほかの子に声かけができていた子をほめて「強化」します。いつも一番遅い班が速くできたら、これもしっかりほめてあげます。

教師の話をきちんと聞けない状態だったら、教師の言った複雑なことを班で書いてみる・やってみるなどのゲームも有効です。

班での話し合いが成立しない状態であったら、とにかく班で意見をできるだけ早くまとめるゲーム(チョークの色当て)*1や班で大声をそろえて出すゲーム(班コール)*2が有効です。

次回に続きます。

*1 教師が何色かのチョークの中から一つを取り出し、それが何色かを班でできるだけ早く話し合って決めるゲーム。T「なーんだなんだ?」C「なーんだなんだ?」×2 T「相談!」班での話し合いC「きーまった!」T「一班」C「○色!」T「2班」C「○色」・・・T「なーんだなんだ?」C「なーんだなんだ?」×2 T「○色」これを何回か繰り返して班対抗のゲームにします。

*2 班のリーダーが指で自分の班以外の班を指定して、大きな声でそれを言い(班コール)、失敗するまで続ける。失敗した班を指定したにポイントが入る。T「3班!」3班「はーい5班」5班「はーい4班」4班「はーい1班」・・・このゲーム慣れてくると、班としてまとまっていない班を狙っていったり、自分の班を何回も指定して、急に他の班を指定する。などの高等戦術も出てきます。  

 

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学級の「荒れ」を回復する その1

「荒れた学級」の程度は担任のコントロールの度合に比例すると思います。

コントロールが若干弱まった段階(phase1)で起こることは

・休憩時間におけるルール違反

・チャイムが守れない

・忘れ物が増える

・清掃や係活動がいい加減になる

・教室の中が乱雑

担任の指示に従わなくても大丈夫だと考える子が複数名出てくる段階(phase2)

・清掃や係活動時でのルール違反

・授業中の私語

・担任の指示に対して即座に従わない

・からかいやいたずらなどが頻繁に起こる

・子どもの私物が教室の床に散乱している

・給食時間でのルール違反(教師が気がつかないことが多い)

クラス全体がアンダーコントロール状態になる段階(phase3)

・授業中の離席

・教室からのエスケープ

・暴力行為や逸脱行為

・教師に対する挑発

・煽動的な言動

・不定愁訴が複数名に認められる

最近は小学校の低学年でこのphase3までに至っている場合もあります。この状態になると担任一人では対応できず複数での対応が必要となります。

では、どのように担任のコントロールを回復するのか・・・

次回に続きます。

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「魔法の言葉」

「魔法の言葉」を教えてほしいと頼まれました。

専科の先生からのお尋ねでした。専科という形で教えている教科のテストで、ある子が名前すらきちんと書かずに、答えの欄には下品な言葉しか書いていない。その教科ではいつも不真面目な態度である。という「訴え」でした。

私は、

該当の子どものことについては、まずは、担任の教師と話し合ってほしい。

本人は、その教科に興味がないわけでも0点を取りたいわけでもないのではないか?何を答えたらいいか分からないからそういう態度なのではないか。

というような話をしました。

あとで考えたらこんな「魔法の言葉」が浮かんできました。

「○○さんごめんね、先生が○○さんにしっかりわかるように教えられなかったから、こんな答えを書いちゃったんだね。もう一枚あるからこのテストを先生と一緒にやってみようよ。わからないところは説明してあげるからね。」

いかがでしょうか?少なくとも次のテストの時、同じような答えにはならないと思うのですが・・・

自尊感情が傷つき、教師との信頼関係もなくしている子どもに対してどのように接していけばよいかはそれぞれのケースによって違いますが、こんなきっかけから「再生」が始まることもあると思うのですが。

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学齢期のソーシャルスキルトレーニング(3)

学齢期のソーシャルスキルトレーニング(3)

ストレスマネージメント

大きな意味ではSSTの範疇に含まれる取り組みです。

・どんなときにどんな気持ち・どんな体の様子になるのか自分で分析をできるようにする。

・ストレスを解消するためにどんな方法があるか知る。(人に相談する。深呼吸。数を数える。リラックスタイムをとる。好きなことをする。他人に迷惑のかからない方法で発散させる。)

ソーシャルスキル・トレーニングの流れ

最後に一般的なSSTの指導の流れを紹介します

1.インストラクション(重要性に気づかせながら言葉でスキルを教える)

2.モデリング(スキルの見本を見せて真似させる)

3.リハーサル(頭の中や実際の行動で何度も繰り返す)

4.フィードバック(やってみたことをほめる。修正して、やる気を高める)

5.定着化(練習したスキルを実際の場面で使えるように促す)

学校での友だち関係がうまくいかないと感じているので、自宅で一生懸命「こんなふうに言ってみよう」と練習している子を知っています。自分なりの解決方法を持つことがSSTの目的だといえます。

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学齢期のソーシャルスキルトレーニング(2)

学齢期のソーシャルスキルトレーニング(2)

低学年のトレーニング

低学年の場合は、私自身はとりたてて、SSTと呼ぶほどの内容でないものが多いと感じています。その理由は小学校の初期指導の場面から日常的に生活指導や学習指導のどの場面でも指導している内容であることが多いからです。例えば、

・先生の話を聞かずに、他の子のじゃまをしている子がいすから転げて泣いた。それで、他の子が「よい座り方」を教えてあげた。

・友だちが話しているところに割り込んで話をしたら、聞いていたみんながおこった。それで、話が終わってから話すように教えてあげた。

・2匹の猫が家に入るときに同時に入ろうとして入り口で身動きが取れなくなった。だから助けてあげた。などです。

中・高学年のトレーニング

中・高学年になると学校生活の中で多くのトラブルに遭遇している場合も考えられます。低学年の時には見られなかった問題行動が見受けられる子もいます。自己評価の低下から情緒的にも難しい課題を抱える子もいます。

・マナーの概念 他の人とうまく付き合っていくための方法として理解させる。いくつかの具体的なマナー違反について話し合わせる。行儀の悪い行動をしたときに他の人がどう感じるかをシュミレーションする。

・礼儀正しい言葉 「お願いします」「ありがとうございます」「すみません」「○○してもいいですか?」などのような言葉が使えるようにするためのロールプレイをする。上手な断り方も学ぶ。

・「友だち」とは仲良くすること、相手の立場にたって思いやること、分かち合うこと、などがどういうことかを考える。場面によって、相手によって柔軟な対応が必要であることを学ぶよい機会にしていくとよい。

同じような課題を抱えている子どもたちのグループで行うことがSST関連の訳本では紹介されていますが、日本の教育現場では情緒通級以外では、通常のクラスで行われるほうが多いと思います。それらの場合は、少人数のグループを活用したものや、ゲーム感覚で取り組めるものが効果的であると思います。

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学齢期のソーシャルスキルトレーニング(1)

学齢期のソーシャルスキルトレーニング(SST)について(その1)

「ソーシャルスキル」の内容には以下の5点があります。

①コミュニケーションスキル~あいさつの仕方,自己紹介の仕方,上手な聴き方,質問の仕方

②受容・遊び参入スキル~仲間の誘い方,仲間への入り方

③受容・共感スキル~あたたかい言葉のかけ方,気持ちをわかっての働きかけ方

④主張スキル~優しい頼み方,上手な断り方,自分を大切にした伝え方

⑤問題解決スキル~トラブルの解決策の考え方

ソーシャルスキルの基礎となる力に「注意のレベル(attention level)」があります。下記に注意レベルを段階ごとに示します。トレーニング自体に参加するために就学前でも、レベル3程度が必要とされることが多いようです。

レベル1:非常に注意散漫。自分にとって興味のある刺激には短時間集中できるが、他の刺激によって簡単に注意がそれてしまう。

レベル2:自分で選んだわかりやすい課題にはしばらく集中できる。ただし、柔軟性がなく、他からの介入を受け付けない。

レベル3:1つの刺激だけにしか注意を向けられないが、柔軟性が出てきて、課題に取り組んでいるときに他者からの指示が入ると、そちらに注意を切り換えることができ、そのあと再び課題に注意を戻すことができる。ただし、注意の切り換えには大人の援助を必要とする。

レベル4:単一の刺激にしか注意を向けられないが、注意を向ける先(フォーカス)を大人の助けを借りず、自分でコントロールできる。

レベル5:同時に2つの刺激(視覚刺激と聴覚刺激、あるいは触覚刺激)に注意を向けることができる。

レベル6:注意が十分に統合され、維持できる。 

指導の間に座っていること、注目すること、よく聞くこと、順番を守れることなどが要求されますが、これらのスキルを日常的に行えるように(般化)することが初期のトレーニングの目的にもなります。

具体的な指導については(2)へ続きます。

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授業配慮確認リスト

授業配慮確認リスト

学校訪問をして授業時間に観察をさせていただき、放課後個々のお子さんに対する支援の方法を担任の先生方と話し合うという活動を行っています。

子どもさんの特性に応じたことはケースによって違いますが、どのクラスにも共通するものがあるのではと常々考えていました。

すべてのクラス担任の先生方に参考にしていただきたいと思い、このようなリストを作ってみました。(これは高知市の寺尾恵理佳先生が作成された中学校向けの「授業配慮確認リスト」を参考に小学校向けにしたものです。)

「授業配慮確認リスト・小学校版」

現在、学級や授業で配慮している項目についてチェックしてください。「現在」の欄には該当する項目について、いつも配慮している:○、たまに配慮している:△、配慮していない:×を用いて記入してください。また、×をつけた項目について、すぐにでも実施していこうと思う項目があれば、「今後」の欄に○をつけてください。

配慮・項目

現在

今後

1

授業で使う教科書・ノート・文房具など最低必要なものだけを机上に用意する。

2

書きやすい鉛筆や消しやすい消しゴムなどを用意させておく。

3

方眼黒板やワークシートを利用して、ノートに書くことなどへの支援をしている。

4

黒板を掲示板代わりにせず、見やすくすっきりしたものになっている。

5

教室にプリントや教材を整理するためのファイルやかごを準備している。

6

話をするときは指示代名詞を使わずに、具体的に短く、はっきり、ゆっくり話す。

7

形の特徴や位置関係などはなるべくことばで説明を加えるようにする。

8

視覚的な手がかりや具体物を使って説明する。

9

子どもが話そうとしていることを適当なことばで表現したり、補ったりする。

10

「いつ」「誰が」「どこで」「どうした」にあわせて話をさせるようにする。

11

教師や子どもの話をしっかりと聴くことができる学習規律をみにつけさせる。

12

問題行動への対処の仕方などをあらかじめ決めておき、一貫した態度をとる。問題行動の傾向をつかむために記録をとる。

13

ルールや約束事のいくつかを子どもたちと相談して決め、教室に掲示する。

14

子どもどうしが互いの良さを認め合えるクラスの雰囲気を作る。

15

クラスの子どもたちに「気になる子」の特性(困っていること等)について理解してもらえるように働きかける。

16

子どもの特性(得意なこと等)を踏まえて役割を分担する。

17

班を編成するときは、メンバーに留意する。

18

「気になる子」に対して、名前を読んだり、声がけをしたり、目を合わせたりして注意を引き付ける。

19

「気になる子」に対して、当たり前のことであっても適切な行動(座っている、大声を出さない)ができたり、約束が守れたりしたら言葉ですぐにほめる。

20

トークン・ポイント制などがんばったことが目に見える評価をする。

21

クラスで困った時はすぐに同僚や管理職に相談したり、応援を要請したりできる。

ワードのファイルはこちらからどうぞ

「jyugyouhairyo.doc」をダウンロード

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難聴児に対する指導

難聴児に対する通常学級での指導について

最近難聴児の指導について相談を受けたのでまとめてみることにします。

支援の基本

1 ことばの獲得についての支援

 ・ ことば(語句)の意味についての理解。

 ・ 会話や作文などでの正しい助詞の使い方の獲得

 ・ ことばによるコミュニケーションスキルの獲得。

 ・ 明瞭な発音・発語。

2 きこえの管理

 ・ 音の聞き取りに対して集中する力を付ける。

 ・ 聞こえているのか、いないのかの確認。

 ・ 聴覚の管理。(補聴器の管理・調整を含む) 

3 障害認識

 ・ 自己の障害を認識し、自分らしい生き方ができるように支援する。

4 環境 

 ・ クラスの子どもたちの正しい認識と理解そして協力。

 ・ 教室環境の改善(視覚支援やテニスボールリユース等)

学習指導の場面でも配慮や工夫が必要となります。この配慮や工夫は総じてクラスの他の子にとっても役立つ、ユニバーサルなものが多いことを知っておいてください。

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STOP THE 学級崩壊 part3

STOP THE 学級崩壊 part3

PBS(Positive Behavior Support)について

学苑社発行のAAMR「アメリカ精神遅滞学会」刊行シリーズでは、PBS(Positive Behavior Support)を「プラス思考行動支援」と訳していますが、私はそのままPBSと表記します。

PBSの特徴としては

・アセスメントに基づく。指導・支援は環境及び問題行動の機能に関する仮説より行われる。

・包括的かつ複数の指導・支援内容からなる。

・将来を見通した、代替えスキルの指導と環境の調整。ライフスタイルの改善。

・日常的な生活のなかで活用できるリソースを用いる。

・QOLの向上。

生活をベースにした取り組みの必要性は言うまでもありませんが、学校生活の中で取り組めるQOLの向上とは具体的にどのようなものかをしっかりと考えていきたいものです。

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STOP THE 学級崩壊 part2

STOP THE 学級崩壊 part2

「消去バースト」または「自発的回復」

問題行動を「無視」で消去し、適切な行動を「ほめる」ことで強化しようとすると、時として、その問題行動がより強い形で起きることがあります。

これを「消去バースト」と呼んでいます。

「これだけ暴れているのだから、いつものようにこっちを向いて!」

「じゃあ、こんなにすごいことしたら、いつものようにかまってくれるかな?!」

「バースト」をほっておけずに、また同じことの繰り返しになったら教師の負け。子どもの思うつぼです。そして最後に困ったり、傷ついたりするのは、その子です。

もうひとつ「自発的回復」があります。消去された行動がしばらく経ってから再び出現することです。

私は、前年度いろいろな問題行動があった子どもたちを担任して、いろいろな取り組みを行い、(このあたりの取り組みは「ほめる」から「教室の環境」までの4回シリーズで書きました。)なんとか軌道に乗せることができました。後しばらくで次の学年にバトンタッチかという2月の終り頃に前年度と同じような問題行動が起きました。

このときは原因は何であったのかずいぶん悩みましたが、結局「自発的回復」だったということにして、基本的な方針変更を行わなかったことが、その後の経過を良いものにしました。

その行動を誰かが「強化」しなければその行動は起きない。

この言葉を、心しておきたいものです。

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STOP THE 学級崩壊 part1

STOP THE 学級崩壊 part1

フィールドコントロールの第一歩 「着席行動」

通常学級では当たり前のことですが、これが意外と課題になっていることが多いのも事実です。

特別支援学校や学級ではこの「着席行動」を重視し、しっかり指導していますが、通常学級での指導は立っている子に対して「○○さん座りなさい!」と叱って、すましていることが多いです。

まず、この「○○さん座りなさい!」と叱ることは有効だと思いますか?

この、叱るだけで有効な学級なら以下は読まずにパスしてください。その学級のコントロール権はしっかり担任の先生が持っているということですから。

注意されても「すぐに座らない」「ちょっとすると立ち歩く」子がいる場合はこんなことが考えられます。

担任の先生から叱られることが、子どもにとっては先生の注目を得るという「ごほうび」になり、その行動を強化するという場合があります。この場合、注意すればするだけ、席を立ったり、立ち歩いたりすることを増やしていくことになります。また、他の子たちが先生の注目を得るために同じような行動を起こすようになることもあります。(観察学習と呼ばれています。)

注意されたり、叱られたりすることが問題行動を強化している場合は、その行動を「無視」することが解決策です。そして、きちんと座れている時に本来のごほうび「ちゃんと座っていてえらいね」とほめて上がることが望ましい行動を強化することになるのです。

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STOP THE 学級崩壊 part0

STOP THE 学級崩壊 part0 予告編

小学校の場合、通常1人の教師が30人~40人の子どもたちを毎日、始業から終業まで教えています。

少人数授業やTTなども行われていますが、基本的には担任の教師が責任を持って、授業はもちろん、休み時間・給食・掃除などすべての学校生活の指導を行っています。

このような形態の学級で、

教師の指示が入らなくなったら・・・

授業中に立ち歩く子がいたら・・・

話を聞かずに好き勝手をする子がいたら・・・

教室から飛び出す子がいたら・・・

学級崩壊のはじまりです。

どの学年でも、起こりうることです。

私は、「教室」を「担任がコントロールするフィールド」ととらえています。

コントロール権は担任にあると思っています。

そのコントロール権が子どもに揺るがされている状況が最近増えています。

落ち着かない子ども、次々に起こる問題行動、担任の自信喪失・・・

急激に降下するスパイラルは簡単なことで止めることはできません。

コントロール権を担任が取り戻し、落ち着いた学級を取り戻すための方策をこれから考えていきたいと思います。

キーワードはABAです。

最近気になっているPBS(Positive Behavior Support)も参考にしていきたいと考えています。

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特別支援CO研修会

私が担当する地域の小・中学校の特別支援教育コーディネーターの研修会を開催しました。

その中で「校内体制チェックシート」(北海道立特殊教育センター作成)を記入してもらいました。

記入することによって、それぞれの学校のSとWが見えてきます。

平均点で高いところでは4点越え、低いところでは2点台・・・

それぞれの学校での課題を明らかにして、

取り組みを少しずつ深めていってほしいと思いました。

サムネイルをクリックすると「チェックシート」が見れます。

一度試してみてください。

Photo_2

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音と風

「音と風」というブログに出会いました。

発達障害のお子さんや病気と闘うお子さんたちに音楽療法をしてみえる「音と風」さんのブログです。

音楽は個人的に大好きで、学校でも教室でギターを弾いたり、みんなで歌ったり毎日していたのですが、音楽療法は全く門外漢でした。

発達障害のお子さんの中には、とても音楽が好きな子がいます。

音楽療法についてもこれから学んでいきたいと思いました。

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成功体験を共有する

こんな職員室は素敵です

担任の先生「○○さんをしっかりほめてあげたら、次の苦手な教科の時間も落ち着いて取り組めました。」

音楽専科の先生「○○さんは、ピアノの中が気になってしかたがないようだったから、ピアノのそばに気が済むまでいさせた。その後ちゃんと指示が聞けました。」

特別支援コーディネーターの先生「○○先生は感情的に叱るのではなく、落ち着いた低い声で何回も諭すように指示を続けていましたよ。」

ベテランの先生「いつもトラブルを起こす子が友だちのケンカをとめていたので、みんなの前で思いっきりほめてあげた。」

教師が成功体験を交流し、それを共有することは

さらに多くの子どもたちへの適切な対応が保障されるということです。

もちろん、教師自身の力量も自ずから高まっていくと思います。

なにより、職員室の雰囲気がポジティブで明るい。

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立場に立つ

 「この児童の保護者は子どもの障害をなかなか認めようとしない。」

こんな文章がインテークに書いてあったら・・・

とても悲しい気持ちになります。

これを書いた先生は、子どもの立場に立てるのだろうか、保護者の立場に立てるのだろうかと心配になります。

子どもの特性に寄り添った支援・指導ができるのだろうかと不安になります。

よく教師は「相手の立場に立って考えなさい」と子どもに言うことがありますが、

発達障害の子どもたちに関わる教師こそ

子どもの「困り感」によりそい

保護者の傷ついた感情によりそって

子どもや親の立場に立ってほしいと思います。

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診断名と切断操作

通常学級の先生の中には

「この子は~(診断名)だから」という言い方を口癖のようにいう人がいます。

ひどい時は

「うちのクラスの~(診断名)ちゃんは・・・」と、児童の名前の代わりに診断名を使うという大変無神経で無理解な場合もあります。

「この子は~(診断名)だからしかたがない」と、子どもの特性に対して何の手だても行わずに自己の努力不足・怠慢を正当化することになっている場合もあります。

社会学の用語に「切断操作」という言葉があります。

切断操作とは、「かつての未開な共同体では、疫病が起こったり不具が生まれたりすると、生け贄を捧げるなどの儀式をして、問題を「聖なる領域」に囲い込み、皆で安心するという操作がありました。僕たちの複雑な社会にも、実は似たような機能を持った操作があります。

例えば、訳がわからない事件が起こったときに、誰が悪いのか皆で考え、コイツが悪いんだって突き止めれば、カタルシス(感情浄化)が得られます。一般に、複雑な社会では、原因がわからないことが最も大きな不安要因になるので、是が非でも何かのせいにする。そういう操作を「帰属処理」と言います。

ところが、しばしば原因の帰属先として「異常なもの」が選ばれます。コイツは精神障害だとか、被差別民族出身(原文のまま)だとか。「異形なるもの」を作り出し、そこに原因を帰属させれば、共同体を手つかずで温存できます。普通の生活を送っている自分たちから見ると全然違う人たちなんだという「異形」のカテゴリーに押し込めれば、問題が自分たちの共同体の「外側」にあることになり、自分たちの共同体は問題から隔離されるんですね。こういう操作を社会学では「切断操作」と言います。」(はてなダイアリーよりhttp://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%DA%C3%C7%C1%E0%BA%EE

感情浄化のために子どもを犠牲にすることのないようにしたいものです。

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WISC-Ⅲでわかること

前置き:これは理論的なことではなく雑感です・・・

WISC-Ⅲ を以前から、よく知っている子どもに実施しました。

今までの観察では、

「注意がちょっと欠けてるし、けっこうじっとしてない」という感じがしている子でした。

言葉の意味を取り違えていることも多く、

主体と客体が逆転することもある子でした。

結果は意外や意外 言語性はどれもかなり高く、動作性は大きな凸凹がありました。

言語性>動作性

言語理解>処理速度

注意記憶>処理速度

視覚的短期記憶が苦手なことがわかりました。

分析をしっかりして

もう一度しっかりと子どもを見つめなおす必要がありそうです。

そして、子どもに一番必要な支援をしていきたいと思いました。

長年の教師の感

大したことなさそうです・・・

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問題行動に対する取り組みの基本

問題行動に対する取り組みの基本

校・園のスタッフが共通の認識を持ってチームで取り組むこと

 共有する認識  

  「~のせい」という悪者探しをしない。

  その行動が「問題行動」か、そうではないのかの吟味を優先する。

  問題の解決を優先し「様子を見る」等の先送りをしない。

  記録をとって客観的な評価をする。

  スタッフ同士の協力・連携。同僚性の発揮。

  保護者との信頼関係・連携の確立。

 問題行動の原因

  多くの場合「問題行動」と「その後の状況」との関係が大きく関係している。

 具体的には、「欲しいもの・してほしいこと」を獲得する場合と「したくないこと・逃れること」を行う場合の2つが考えられる。

          

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問題行動とは

「問題行動」については以前「チャレンジング行動」などでも少し述べましたが、もう少し詳しくまとめます。

問題行動の基準

1 自らの身体・健康に著しい危険をもたらす行動

2 他者の身体・健康に著しい危険をもたらす行動

3 有意義な学習・労働・レジャーへの参加を著しく妨げる。

この3点のどれか一つに当てはまるものが「問題行動」といえますが、「著しい」という部分には主観がどうしても入ります。この点ではあいまいな部分を残しています。

また、自閉症スペクトラム児に対して、本人が理解できないような言語指示だけで活動を強要した時に、パニックになったり、その活動から逸脱した時に、それを本人の「問題行動」としてとらえることは間違いといえます。環境の側が「問題行動」を作り出す可能性があることを自覚・自戒することが重要です。

「こだわりの行動」などで家庭では許容される行動が学校では「問題行動」とみなされる行動については、保護者と学校が個別の情報を共有することで同じ歩調で取り組みができるようにしたいものです。

「問題行動」を子どもからの発達要求のあらわれや、環境との軋轢のあらわれとしてとらえ、「問題行動」の消去のみを指導の目的とするのではなく、発達要求を実現することを目的とした指導が求められます。

対応については次回へ

 

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通常学級の担任の先生へのお願い(1)

通常学級担任の先生へのお願い(1)

いわゆる「気になる子」「困り感を持っている子」はどのクラスにも何人かいます。

新学年が始まった今の時期にその子の2週間程度の継続観察をお願いします。

担任の先生から観て「気になる」行動やその子が「困っている」様子の内容・回数を毎日メモしておいてください。その時の先生の対応も記録しておくと、その後の対応の参考になります。

「担任の教師にはそんな時間なんてない!」という声が聞こえてきそうですが、記号で書いて行うフォームがあれば、そんなに時間をとることもないと思います。

A4用紙1枚で1週間のこんな用紙を作りました。

ダウンロードはこちら⇒「kirokuyoushi.doc」をダウンロード

これを参考に、それぞれの子どもに応じたものに改良して使ってみてください。

ベースライン(取り組み以前の状況)を把握しなければ、その後の手だてや取り組みの成果をきちんと確かめることができません。

このあたりのことが、通常学級でも特別支援学級でも今一番求められていると思います。

「エピソード主義」から脱却し、手立てや取り組みの評価を客観的に行えるようになりたいものです。

「発達支援を行う」ということは「客観的な評価による成功例を積み重ねる」ことだと思います。

次回は「記録をどのように支援につなげるか」です。

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ティーチャートレーニング

ティーチャートレーニング(案)

ペアレントトレーニングという言葉は結構使われています。

それ以前に必要な事がティーチャートレーニングです。発達障害の子どもの指導に携わったことのない先生のために、あるいは今までの実践でうまくいかなかった先生のために、プロとして必要な事を簡単にまとめます。(だいたいの内容はペアレントトレーニングに準じています。)

Lev1 基本

・「~が悪いから」といった犯人探しをやめる。

・ほめることを基本におく。

・ことばで指導・注意する以外の指導法を複数用意する。

・望ましくない行動を無視して減らしていく。

・まずは予防的対応。事が起こったら早期対応。

・いつでも、どこでもSPELL

・スモールステップの指導。

Lev2 行動分析と行動変容 

・ターゲット(目標行動)の設定する。どのような行動を増やしたいのか、なくしたいのかをきちんと明らかにする。

・行動を観察して分析する。ABC分析

・強化による行動変容。

Lev3 問題行動に対するアプローチ

・強化子を取り除くことによって問題行動を減らす。 

・タイムアウトの適切な活用。

・チームとしての対応、チームとしての評価。同僚性の発揮。

以上のことが特別な教育ではなくすべての子に対して有効であるという「ユニバーサル」な観点を持って取り組んでいくことが重要です。

また、受身ではなく自ら多くのことを学んでいこうとする姿勢もプロには求められます。

いわゆる「困っている子」から多くのことを学べる教師になって欲しいです。

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虐待と発達障害

近年、児童虐待と発達障害の関係が注目されています。

以前関連書籍で紹介した「発達障害の子どもたち」 杉山登志郎著(講談社現代新書)

でも、第7章「子ども虐待という発達障害」という章を設けて詳しく分析されています。この内容についてはここでは述べませんが、ぜひ読んでみてください。

では、今回の本題に移ります。

続きを読む "虐待と発達障害"

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「調和」するということ

子どもが他の子に優しくできるのは、その子が優しくしてもらった経験をしているからです。

おやごさんとの関係が良好で、しっかりと愛されている子は、他の子に対してとても思いやりがある行動ができます。

子どもが大人に「調和」できる=大人の要求を受け入れられるようになるには、

子ども自身が大人に「調和」してもらった経験、つまり大人に自分の要求を受け入れてもらった経験がたくさん必要だということです。

基本的な信頼関係を築くための経験が「相互調和」ということだといえます。

このことがないまま、大人の要求ばかり強制的に求めていると、

子どもの自尊心が傷ついたり、無力感を感じたりします。自己肯定感の少ない子になってしまいます。

それだけでなく、大人の要求が逆効果になることもあります。

これは、すべての子どもたちにあてはまります。

まず、こちらから目線を下げて「調和」をしてあげましょう。「子どもをまるごと受けとめる。」とよく言われますが、まずは子どもの要求をしっかりと受け止めてあげることが大事だと思います。

そうして、お互いに安心できる関係になりましょう。

これは家庭でも教室でも同じ事だと思います。

参考文献:いい人間関係ができる子に育てたい 佐々木正美著 新紀元社

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Low arousal

Low arousal(興奮させない)

以前に療育・教育のカテゴリーで書いたSPELLのLですが、実はこれは通常学級での発達支援でも、かなり重要な「キーワード」になるものであると考えています。

許容しがたい行動が子どもにあったとき、どうしても指導者が強い口調で注意する事があります。

そんな時に、子どもがどんな反応をするか、冷静に分析する必要があります。

さらに挑発的な行動を起こす子。

不機嫌になって「固まる」子。

教室から飛び出す子。・・・

現場では強い口調で「しかる」ことによって、興奮の再生産を起こしているケースが多く見られます。

教師も子どももLow arousalな毎日を過ごして行きたいものです。

そのためには

まず、冷静な口調で諭す。(心の中はどうあろうと・・・)

その後 しばらく、一人にする。または、(好意的な)無視をする。

このときに、さらに挑発的な行動をしてアピールする子もいますが、コントロール(権)はこちらにあると自信を持って、対応しないで下さい。

興奮が収まったら、子どもの方から指導者がコントロールするフィールドに帰ってきます。

こういうプラスのスパイラルを経験する事によって、子どもはどのような行動が適切なのかを理解するようになり、教師との関係も改善されます。教師にとっては、指導力が向上し、指導に対する自信を持つことができるようになります。

コントロールの関係が崩れた場合に、子どもの言動が豹変することもありますし、学級自体が崩壊することもあります。コントロールの確立・維持の仕方についてはABAを参考にしていただきたいと思います。

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「困った保護者」は「困っている保護者」

「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者がいます。

教師にとってはまさしく「困った保護者」と感じられるかもしれません。

「一流のクレーマー」として存在する一部の保護者を、「自分のこと、自分の子どものことしか見えずに文句ばかり言う。」というようにとらえてしまうのは、仕方がないことかもしれません。

さて、そのような保護者に対してプロである教師はどんな対応をしたらよいといえるのでしょう。

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「困った子」は「困っている子」

どのクラスでも「困った子」はいるものです。

授業中立ち歩く子

私語が絶えない子

指示に従えない子

パニックになる子

すぐキレル子

乱暴な言動がある子・・・・

そんな子どもが何人もいると学級崩壊を起こしそうになっている場合も多いようです。

担任が「困った子」だと思う子を「困っている子」というようにとらえなおしてみてはいかがでしょうか?

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(その4)「教室の環境について」

通常学級における発達支援(その4)

「教室の環境について」

「先生!蛍光灯!」通常学級に在籍していたA君は、担任の先生が教室に入ってくるなり叫びました。よくみると古くなった蛍光灯がチカチカし始めています。

自閉症スペクトラムの子は「キラキラはとっても好きだけど、チカチカはだいっ嫌い!」このことを知っている担任の先生は、「A君教えてくれてありがとうね、すぐ替えるからね。」と言ってすぐに蛍光灯をとりに職員室に戻りました。

余分な刺激で集中できない子は、席を前にします。もちろん窓側ではなく廊下側・・・

教室の前の掲示物もできるだけシンプルに・・・

同じような課題を持つ子とはできるだけ離した位置に・・・逆に上手に接してくれる子とは同じグループに・・・

音に敏感な子がいる場合は、スピーカーはoffにしておく・・・机や椅子に防音用のフェルトなどをつける・・・

ちょっとした気遣いが、子どもに安心感や安定を与えるものです。

落ち着かない子のいるクラスでは、その原因が教室環境にある可能性があることも心しておきましょう。

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(その3)「やっぱり授業で勝負」

通常学級における発達支援(その3)

「やっぱり授業で勝負」

当たり前の事ですが、子どもたちは授業を受けに学校に来ています。

もちろんそれ以外にも楽しい事、胸がわくわくする事、などたくさんありますが、メインはやっぱり授業です。

授業の中で、個々の子どもたちに応じた子どもたちの活動を緻密に組織する事で、子どもたちの発達が保障されるのだと思います。

自閉症スペクトラムの子達は、多くの場合学校生活の中でもいわゆる「困り感」をたくさん持っています。スケジュールの変更に対応できない。視覚支援のない言葉だけの指示では理解できずに混乱する。友だちの気持ちを想像できずに友だちとの関係を穏やかなものにできない・・・

そんな中で多くの子どもが、自信をなくしたり、自尊感をもてなくなったりしています。(視覚支援やスケジュールについては別の機会に詳しく述べたいと思います。)

得意なこと、好きな事を学校の授業の中で見つけることができた子は、多くの場合学校生活を穏やかにすごす事ができるようになります。その子自身が自尊感を持つ事ができ、周りの子どもたちがその子の「個性:長所」を認める事ができた時、大人の世界では考えられないぐらい、おおらかで豊かな集団が形成されます。

教師の仕事は、意識的にそのような集団を作っていくことだと思います。1日の授業の中でどの子も活躍できる場面を作ることが一番大切だと思います。

具体的にがんばった姿が目に見える事、どんなに小さくても達成感を得られるような活動を組織することが大切だと思います。

自然と授業の中で拍手が起こるようなクラスはどの子にとってもいごこちのいいクラスになると思います。

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(その2)「しかる」

その2 「しかる」

発達支援における「しかる」行為はほとんどの場合効果がないとされています。嫌子による強化が永続的な効果が無い事は、心理学的に証明されています。

そんな中であえて「しかる」をテーマにしたのは、発達障害の子どもをめぐる状況を考慮しての事です。

本論に入る前に、「指導者・保護者における嫌子の再生産=指導者が自らを強化してしてしまう」事象について述べる事にします。

子ども(とりわけ発達障害をもった子ども)の扱いに苦慮している指導者・保護者は大変多いと思います。「問題行動」に対して、指導者や保護者にとって最も簡単で手っ取り早い対処方法は「しかる」です。体罰や時によっては虐待とも言えるような行為が行われることもあるようです。これらの事は決して容認できない事ですが、指導者や保護者はこのような「しかる」行為によって短期的に見ると子どもに変容があったと感じます。その事が指導者にとっての強化子となり、この「しかる」という行為が日常化し、多くの指導場面で嫌子が再生産されることになります。(短期的な効果しかないため当然本来的な子どもの変容は見られず、また繰り返すというループに入り込み抜け出せません。)

また、パニック状態や興奮状態にいる子どもに対して、指導者が感情的になることで子どものパニックを増長させていくというループから抜け出せないケースもあるようです。

こういった状況下の子どもに対して、「しかる」を効果的に使えないだろうか、と考えました。かなり変化球的な使い方ですが、このようなアプローチが効果的な子どももいることは事実です。それでは本題へ

予想外からのスタート

・何人かで悪さをしていた。今まではいつも自分が一番にしかられるのに、今日は一番目ではなかった。

・1人で随分悪い事をした。いつもはすごく「しかられる」のに今日は優しく諭された。

・1人で悪い事をした。「ごめんなさい」を言ったら。「謝ることができてえらかったね。」とほめられた。

・パニックになった。いつもなら注意されたりするのに今日はほっておかれた。

ある意味、肩透かしを感じさせる事です。このことによって「しかる」という嫌子が提示される場面なのに、ある意味「好子」的な働きかけが行われます。こういう場面で、指導者と子どもが信頼関係を築くこともできます。

経験年数の多い現場の教師はかなりこの辺の「しかる」技術を身につけています。若い教師も保護者の方もストレートのボールだけでなく、変化球を投げてみることをお勧めします。

次回は「やっぱり授業で勝負」というテーマです。

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(その1)「ほめる」

通常学級における発達障害児への支援について(その1)

最近、通常学級に在籍する発達障害児への対応で大変「困っている」先生が多いようです。今までの指導経験では対応できないケースがあまりにも増えているからです。

クラスにいるAD/HDの子やアスペルガーの子が関わったトラブルにどう対応していけばよいかを何回かに分けて考えていきます。

PART1 「ほめる」 初対面での関わり方を大切にする

自分が担当する子どもの情報についてはかなり引継ぎが行われていると思います。もし、情報が少ない状況なら、情報交換の場を関連園・学校で設けることが急務です。

担任する前の年にあったトラブルを分析しておく事、できればABC分析で何ケースかを手札として持っておくと大変有利です。(子どもにとっても!)

※ABC分析についてはこちらを参考にしてください。

担任した初日に、まず対象の子どもを「ほめる」仕掛けを考えておきます。

例えば

① 指名してその子だけに仕事を頼む。(大事な荷物を運ぶ、クラスの子に伝言を頼む、掃除で普段しない場所の掃除・・・etc)

② 挨拶や姿勢、そして笑顔、その他なんでもクラスみんなの前で「ほめられる」要素のあること・・・これはその瞬間に即座に「ほめる」事が必須です。

③ 引継ぎで知っている、その子の長所・ほめられるべきエピソード

近年これらは、複数の子に対して必要な事になるケースが多いです。

初対面の関係を構築する方法として、指導・注意から始めるのではなく「ほめる」事から始める事によって、信頼関係が築ける「大人」である事を認知してもらう事ができると考えます。

私は、クラスで歌う時いつも使うギターを運ぶこと、使い古しの筆を使って窓のサッシの溝を掃除すること、他の先生に伝言を頼むこと、などをよくやってもらいます。

所属感・有用感・自尊感・安心感を感じてもらえるような働きかけを積み重ねる事がその後の子どもの行動を変容させていく事であると考えます。

次回は「しかる」をテーマにします。

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